第4回講義では,1族元素を取り上げます.基本的な事項に関しては,高等学校で学習済みではありますが,ここではいくつかのトピックに関して掘り下げて解説します.1族元素の中でリチウムは,そのサイズが小さいゆえに,ほかの1族元素とは異なった性質を示します.その性質を利用した医薬品として,抗躁薬の炭酸リチウムを取り上げます.また,テキストには記述はありませんが,1電子を放出しやすいという1族元素の性質を利用したBirch還元への応用を解説します.最後に,イオンサイズを認識して,特異的に取り込む性質を有するクラウンエーテルを紹介します.
アルカリ金属の酸化物 (テキストp.110)
Liの特異性 (テキストp.110)
アルカリ金属の反応への応用 (テキスト該当ページなし)
クラウンエーテル (テキストp.168-169)
以上に関して,講義します.
アルカリ金属と酸素の反応はテキストにあるように,反応式で書けば非常に単純ですが,これら反応が優先して進行する道理を考えることは,科学的思考を鍛えるうえで大事であると考えます.また,アルカリ金属の酸化物は塩基性酸化物ですが,例えば,超酸化物イオンと水との反応がどのようにして起こるのかを推測するのも面白いでしょう.このようなトレーニングが将来につながると思います.配布プリント掲載の,Kapustinskiiの式に関しては,自主学習とします.動画でも説明していますので,興味のある学生は,動画を視聴してください.試験の範囲外ですが,ある事象が起こる理由を,何らかの形で考察できるのは化学の面白みです.
超酸化物イオンと水との反応機構に関する動画は,下のリンクより確認してください.二つの考え方を動画では示していますが,ほかにも考え方があるかもしれません.
アルカリ金属の反応への応用で講義するバーチ還元については,反応機構について試験で問うことはありませんが,還元剤となる溶媒和された自由電子についての考察は試験範囲となります.