第10回 講義動画
(参考)ロダネーゼによるシアン化物イオンの解毒機構(YouTube 03:31)
活性酸素種についての説明 🧪
酸素に関連する反応性の高い化学種を活性酸素種(ROS)として紹介。
例として、1重項酸素、スーパーオキシドアニオンラジカル、過酸化水素、ヒドロキシルラジカルなどが挙げられる。
1重項酸素の定義と特徴 🌟
1重項酸素は反応性が高く、酸化剤として強力に働く。
スピン量子数に基づいて定義され、分子軌道で説明される。
1重項酸素の生成方法 💡
色素増感法(メチレンブルーやポルフィリンなど)で光エネルギーを与えると生成。
過酸化水素からの還元反応でも生成される。
スーパーオキシドアニオンラジカル ⚡
酸素分子が1電子還元されて生成される。
酸化剤としても還元剤としても反応し、さまざまな化学反応に関与。
過酸化水素の性質と反応 💧
過酸化水素は酸化剤にも還元剤にもなり、酸化還元反応において重要な役割を果たす。
分解反応で水と酸素を生成し、カタラーゼ酵素により速やかに分解される。
ヒドロキシルラジカルの反応性 🔥
最も反応性の高い活性酸素種で、強力な酸化剤として細胞にダメージを与える。
フェントン反応やハーバー・ワイス反応によって生成される。
スーパーオキシドアニオンラジカルの分解 🛠
スーパーオキシドアニオンラジカルはSOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)酵素によって分解される。
分解結果として酸素と過酸化水素が生成される。
活性窒素種について 🌱
活性酸素種と同様に、活性窒素種(RNS)は反応性が高い窒素化合物であり、細胞の機能に影響を与える。
硫黄の酸化物 🧪
テキスト125-126ページに記載あり
代表的な物質:硫酸、チオ硫酸、ピロ硫酸
硫黄の関与で還元剤として機能することもあり
酸化物とオキソ酸 ⚡
SO₂、SO₃、SO2Cl₂が代表的な酸化物
結合の形式にはいくつかの書き方があり、どれも理解に影響しない
SO₂の還元剤としての役割 🔬
水と反応し還元剤となる
水と反応後、酸性を示す
硫酸とその化合物 🧴
古典的には硫酸の化学式はH₂SO₄、でも実際には電子構造で分極
チオ硫酸塩(Thiosulfate)も解毒剤や化学反応で使われる
チオ硫酸ナトリウムの応用 💊
解毒剤やシアン化物イオンの解剤として使用
チオ硫酸ナトリウムの基本情報 🎵
化学式:Na₂S₂O₃
解毒剤として利用される
重金属(ヒ素、鉛)やシアン化物イオン(CN⁻)の解毒に有効
解毒作用のメカニズム ⚗️
毒物の化学的性質を変化させ無毒化
毒物を体に吸収されない化合物に変化
拮抗薬を用いて解毒
シアン化物イオンの解毒 💉
チオ硫酸ナトリウムがシアン化物イオンを毒性の低いチオシアン酸イオン(SCN⁻)に変換
尿中に排泄される
ヨウ素との反応 🧪
ヨウ素を還元して無色にする
反応式に基づき、ヨウ素をI⁻に還元し、脱色反応を促進
ヨウ素還元の化学的詳細 🔬
ヨウ素がチオ硫酸ナトリウムによって還元され、分子軌道の変更が起こる
電子の移動により、ヨウ素が還元される
光線力学療法 (PDT) 🎯
定義: フォトダイナミックテラピー(PDT)は、光感受性物質を癌細胞に集積させ、レーザー光を照射して治療する方法。
一重項酸素 (活性酸素) ☠️
作用: 一重項酸素は非常に反応性が高く、細胞障害を引き起こす。
光感受性物質の役割 🔬
ポルフィリンやクロリン: これらの物質を癌細胞に集積させ、光照射で一重項酸素を発生させて細胞を破壊。
原理 ⚙️
光感受性物質 → レーザー光照射 → 一重項酸素発生 → 癌細胞破壊。
レザフィリン 💡
構造: ポルフィリン類似の化合物で、アスパラギン酸が結びついて癌細胞に特異的に集積。
最新技術 🚀
楽天メディカルなどの企業が開発した光感受性物質を使用した分子標的薬による治療法。
治療の仕組み 🧪
光感受性物質 + レーザー光 → 一重項酸素発生 → 癌細胞に対する治療。
ロダネーゼ反応機構: シアン化物イオンを使用し、解毒を進行する酵素反応。🔬
ジスルフィド結合構造: ロダネーゼはジスルフィド結合(S-S結合)を持つ。🧬
硫酸イオンの移動: 硫酸イオン(SO₄²⁻)の酸素マイナスが硫黄に移動し、S⁻に変化。⚡
攻撃の始まり: S⁻がジスルフィド結合の硫黄原子を攻撃、結合が切れる。🔪
中間体形成: 新たにチオ硫酸イオンが結合し、反応を進行させる。🧪
シアン化物攻撃: CN⁻(シアン化物イオン)が反応し、ジスルフィド結合を切る。💥
チオシアン酸イオン生成: シアン化物がチオシアン酸イオン(SCN⁻)に変換される。💨
解毒過程: チオシアン酸イオンが解毒され、体外に排泄される。🚮
この一連の反応により、毒性のあるシアン化物が無害なチオシアン酸イオンに変換され、解毒が進行する。