2025年2月27日 / 27 February 2025
奥山敏康会員から、写真展「ロバート・キャパ 戦争」開催(3月15日(土)~5月11日(日))のお知らせ/ICOSA Member Okuyama Toshiyasu announces the photo exhibition "Robert Capa: War" (Saturday, March 15th - Sunday, May 11th, 2025)
2025年2月13日 / 13 February 2025
黒瀬直宏 理事長『企業環境研究年報 第29号(2024年12月発行)』に論文[中小企業に未来社会の芽を見る」を寄稿
2025年1月1日 / 1 January 2025
林隆男 会員『月刊食品工場長』2025年1月号に「食品工場内物流の自動化とロボット活用」を寄稿 / ICOSA Member Hayashi Takao contributed a paper titled "IAutomation of Logistics in Food Factories and use of Robots" to the January 2025 issue of "Monthly Syokuhin Kojocho"
2024年3月30日 / 30 March 2024
古閑博美 会員『ホスピタリティー概論 (金子章予編著)』出版 2024年3月 学文社 /GAKUBUNSHA)/ ICOSA Director Prof. KOGA Hiromi published a book on "Hospitality Education" from Gakkubunsha, March 2024
2024年3月9日 / 9 March 2024
野元伸一郎 会員 日本MOT学会 第15回研究発表会でベストペーパーアワード金賞受賞 / ICOSA Member Nomoto Shin-ichiro received the Best Paper Award Gold Prize from the Japan MOT Society at its 15th Research Presentation Meeting, March 2024
2024年1月6 日 / 6 January 2024
石井政夫 会員(ICOSA元監事)が『さがみ大山まいりと祈りのみち』を出版 / Former ICOSA Auditor ISHII Masao has published a book "Sagami Ohyama Mairi to Inori no Michi (Sagami Oyama Pilgrimage and Prayer Path)"
2023年9月7日 / 7 September 2023
山本邦義 会員(ICOSA監事)が『付加価値経営の教科書』を出版。
ICOSA Auditor Yamamoto Kuniyoshi has published "Textbook of Value-Added Management".
2023年8月7日 / 7 August 2023
朝日新聞夕刊で、ミャンマーの元ICOSA会員キンキン・トゥエさんの活動を紹介。
The activities of Ms. Khin Khin Htwe, former ICOSA member, was reported in the evening edition of Asahi Shimbun.
2023年7月27日 / 27 July 2023
ネパールAOTS同窓会が機関誌『タリム32号』を発行し、ICOSAとの協力活動を報告。
Nepal AOTS Alumni Society (NAAS) issued its magazine "TALIM 32" and reported about her cooperation activities with ICOSA.
2023年6月1日 / 1 June 2023
鈴木敏文 会員 (㈱松本精機)、友人の㈱リブラン社50年史(2018年3月1日発行)を紹介。
Mr. Suzuki Toshifumi (Matsumoto Seiki Co., Ltd.)introduced the 50-year history of his frriend's Libran Co., Ltd. (published 1 March 2018).
2022年11月 / November 2022
黒瀬直宏 理事長『商工ジャーナル11月号』[観天望気]「どうなるステークホルダー経営」寄稿 / ICOSA President KUROSE Naohiro contributed "Shoko Journal November 2022 issue" on”What wil happen to Stake-Holder Management?”
2022年6月 / June 2022
2022年5月 / May 2022
2022年5月 / May 2022
2022年4月 /April 2022
2022年3月 / March 2022
2022年2月 / February 2022
2022年2月 / February 2022
2022年2月 / February 2022
魅力行動学研究所主宰・古閑博美 魅力行動学会第17回研究会開催
2021年5月
黒瀬直宏理事長『商工ジャーナル5月号』[2021年度の中小企業情勢とその対応」寄稿
2021年3月
九州電設(株) 第 11 回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞 審査員特別賞受賞
2020年11月
黒瀬直宏理事長『商工ジャーナル11月号』[観天望気]「中小企業をご参考に」寄稿
2020年9月
黒瀬直宏理事長『商工ジャーナル9月号』[特集] コロナ危機を生き抜くために② 寄稿
2020年6月
黒瀬直宏理事長『商工ジャーナル6月号』[特集] コロナ禍、異常気象!大災厄時代を乗り越える⓵寄稿
2020年4月
兼村智也会員 大阪経済大学 中小企業・経営研究所『中小企業季報』2020 No.1 に寄稿「ミャンマーに進出する内需向け日系中小企業」
黒瀬直宏理事長 『商工ジャーナル4月号』特集に寄稿・「AI時代にこそ必要な現場想像力」
2019年1月
2019年1月
2017年12月
2015年~2016年
このたび、写真展「ロバート・キャパ 戦争」が、2025年3月15日から東京都写真美術館にて開催されます。
本展は、20世紀を代表する写真家ロバート・キャパが記録した戦争の実像に迫ることができる貴重な機会です。戦場に身を投じ、歴史の瞬間を捉え続けたキャパの写真には、ただの記録を超えた人間への深い眼差しと平和への願いが込められています。時空を超えて私たちに訴えかけるそのメッセージは、現代の世界情勢を考えるうえでも重要な意味を持つことでしょう。
アイワードは、本展の協賛企業として、展示作品を収録した写真集『ロバート・キャパ 戦争』の印刷・製本をお手伝いしております。キャパの写真に込められたメッセージを多くの方々にお届けできることを嬉しく思います。
ぜひご来場いただき、戦争と平和について考える機会としていただければ幸いです。
要 旨
中小企業は資本主義の弊害に対抗する社会的機能をもっており,そこには,資本主義を超克する未来社会の芽が見られる。
第1に,中小企業は顧客との間で商品の提供と貨幣の獲得という関係だけでなく,丹精を込めて作った製品による顧客の喜びを自分の喜びとする精神的な共同性を形成している。商品生産社会の主役は商品と貨幣という物象で,人はその代理人にすぎない。しかし,顧客との精神的共同性の形成により,取引は役立ちあいの喜びの場となる。それと共に労働も直接的に社会化し,役立ちと能力実証の喜びという精神的報酬を生み出すものとなっている。顧客との精神的共同性は企業の従業員と顧客の間で対等な,直接的な関係を創り出し,商品生産社会の物象支配に対抗している。顧客も従業員も多くは地域住民を母体としており,この共同性は水平的な地域共同体の芽と言える。この芽を開花させることが未来社会を呼び寄せる。
第2に,中小企業は資本主義における人々の価値増殖への隷従と労働者に対する経済的,精神的搾取の原理に対抗している。その基盤となるのは,労働力の商品化がもたらす労働における「構想と実行の分離」の再統一への努力,具体的には一般従業員の経営計画の作成等への参加である。これにより,従業員は自律性を回復し,労働は精神的報酬を生むものとなり(精神的搾取への対抗),また従業員が経営主体化することにより使用価値視点の経営(価値増殖への隷従に対抗),労働条件基準原理(経済的搾取への対抗)を推進している。労働者の計画(構想)への参加は労働者が役立ちあいながら共通の目的を追求することであり,企業の水平的な労働共同体への接近を意味する。そこでは,労働者が労働の喜びを分ちあう社会が出現する。
この労働共同体は上述の地域共同体の中に置かれるから地域の消費者(住民)との役立ちあい,労働の直接的な社会化も享受する。このような水平的な地域・労働共同体の胎動が中小企業に見出され,ここに未来社会のリアリティを感ずることができる。本稿で取り上げた中小企業は非資本主義経済ではないが,非資本主義経済の要素をはらんでおり,それを徹底化することが未来社会を招き寄せる。中小企業は未来社会の不可欠な構成要素である。
Summary
Small and medium-sized enterprises(hereinafter SMEs) have a social function that counters the ills of capitalism, and in them we can see the seeds of a future society that will overcome capitalism.
First, SMEs not only form a relationship with customers in which they provide goods and earn money, but also form a spiritual community in which the joy of the customers' products made with great care is their own joy. The main players in a commodity-producing society are physical objects such as goods and money, and people are merely their agents. However, by forming a spiritual community with customers, transactions become a place of mutual joy in usefulness. At the same time, labor is directly socialized, and produces spiritual rewards such as the joy of being useful and demonstrating one's abilities. Spiritual community with customers creates an equal, direct relationship between the company's employees and customers, and opposes the domination of physical objects in a commodity-producing society. Many of the customers and employees are local residents, and this community can be said to be the seeds of a horizontal local community. Allowing this seed to bloom will bring about the future society.
Secondly, SMEs oppose the principle of capitalism's subjugation of people to the increase in value and the economic and spiritual exploitation of workers. The basis for this is the effort to reunify the "separation of conception and execution" in work brought about by the commodification of labor, specifically the participation of regular employees in the creation of management plans, etc. This allows employees to regain their autonomy, and work becomes something that produces spiritual rewards (against spiritual exploitation), and by employees becoming management subjects, management based on the perspective of use value (against subjugation to the increase in value) and the principle of standards for working conditions (against economic exploitation) are promoted. Workers' participation in plans (conceptions) means that workers pursue common goals while serving each other, and it means that companies are approaching a horizontal labor community. There, a society will emerge in which workers share the joys of work.
This labor community will be located within the local community mentioned above, so it will be able to serve local consumers (residents) and will also enjoy the direct socialization of labor. The stirrings of such horizontal regional and labor communities can be found in SMEs, and here we can sense the reality of the future society. Although the SMEs discussed in this paper are not part of a non-capitalist economy, they do contain elements of a non-capitalist economy, and taking this approach will bring about the future society. SMEs are an essential component of the future society.
An introductory book to hospitality education. Explaining the basics of hospitality research and the "hospitality industry," the book focuses on each chapter and takes a detailed look at the current state and future of each industry in the "hospitality industry" (food and beverage service industry, tourism industry, accommodation industry, entertainment industry, event industry, theme parks, wellness industry, and medical industry).
2023年9月5日 / 5 September 2023
山本邦義会員(ICOSA監事)が『付加価値経営の教科書』を出版しました。
ICOSA Auditor Yamamoto Kuniyoshi has published "Textbook of Value-Added Management".
まえがき
世界で一番信頼されている国、日本
定量評価ではなく定性評価が会社を伸ばす
昔の日本はアドバルーン経営、今はパッチワーク経営
第1章
9割の社長が経営資源を生かしていない
第2章
それでも海外に「漁場」はある
第3章
地域の中小企業の底力
第4章
企業再生の最前線から得た学び
2023年8月7日 / 7 August 2023
朝日新聞夕刊で、ミャンマーの元ICOSA会員キンキン・トゥエさんの活動を紹介。
The activities of Ms. Khin Khin Htwe, former ICOSA member, was reported in the evening edition of Asahi Shimbun.
2023年7月27日 / 27 July 2023
ネパールAOTS同窓会が機関誌『タリム32号』を発行し、ICOSAとの協力活動について報告。
Nepal AOTS Alumni Society (NAAS) issued its magazine "TALIM 32" and reported about her cooperation activities with ICOSA.
REPORT OF THE GENERAL SECRETARY (29 July 2022 - 27 July 2023)
MR. NARAYAN THAPA, General Secretary, Nepal AOTS Alumni Society (NAAS)
ネパールAOTS同窓会年次総会報告 (2022年7月29日~2023年7月27日の活動抜粋) ナラヤン・タパ 事務総長
A. 日本での研修プログラム
B. オンライン研修 – 日本AOTS提供
C. オンライン研修 – 他の AOTS 同窓会 (AAS) 提供
D. その他の研修 – 日本ICOSA提供
アジア中小企業協力機構(ICOSA)は2020年末までにネパールへ研修団派遣を計画していましたが、この訪問は新型コロナウイルス感染症の世界的大流行により延期され、いよいよ今年(2023年)実現することになりました。
その間ICOSA は、日英通訳者の協力を得て、一連の Web セミナー を開始し、さまざまテーマのセミナーが実施されました。
これらのセミナーには、NAASの会員や関係者、専門家が多数積極的に参加し、NAASとしても年間を通じて各セミナーに毎回少なくとも3人が参加するようにしました。
ネパールAOTS同窓会会長 プラシャント・ ラル ・シュレスタ
2022年8月20日、ネパールAOTS同窓会(NAAS)と日本のアジア中小企業協力機構(ICOSA)は、NAAS会員の所属・所有する中小企業 3 社と交流プログラム (所要時間 2 時間) を開催し、これら企業が「新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) をいかにして乗り越えたか」というテーマで経験交流を行いました。
ロックダウンとその影響を受けた困難な期間、ネパール経済は深刻な打撃を受けました。 最も影響を受けたのは製造業と接客業関連部門で、生産能力の低下による操業困難、移動制限による人手不足、サプライチェーンの制約、生産性の低下など事業環境が悪化し、生産と市場問題の連鎖によりキャッシュフローの不足と流動性の逼迫が生じ、債務の返済と資金の支払いが困難になりました。
そこでNAASは会員企業のなかから 異なる製品やサービスを提供する業界を代表する以下の3社に発表を依頼しました。
a.牛乳および乳製品加工業界を代表する「シタラム・ゴクル・ミルク」
b.旅行・観光業を代表する「テンプルタイガー企業グループ」
c.製薬業を代表する「NPL/ネパール製薬研究所」
これら企業はそれぞれの分野においてネパールを代表する最高の企業の 1 つです。
ICOSA WEBセミナーで得た重要な教えを共有
ネパールAOTS同窓会第一副会長 キショール・バクタ・マテマ
まず初めに、このように重要な定期的知識共有プログラムに私たちが参加できるよう勧めてくださったICOSAチームに感謝します。このプログラムは私たちの視野を広げ、実践的な経営管理能力を高め、職場環境の改善に向けた意識改革に役立ちます。
NAAS もまた中小企業経営者が知識を共有することを信じ、これまでの習慣や行動、考え方を改め、その能力を改善のための新たな学習につなげるよう勧めています。
日本企業は、人材が成功の原動力という原則を強く信じ、人が最も重要な財産と考えています。
日本製品がその品質で市場をリードしていることは不思議ではありませんが、その功績は日本企業の人財の貢献によります。
このウエッブセミナーの本質は、従業員の働きがいの鍵が「情報共有」にあるという日本の労働環境の実態に基づき、そのように重要な職場の情報伝達過程によって、従業員が自律的に能力を発揮し、収益性を高める結果をもたらすということです。
従業員が力をつけることによって権限を委譲し、仕事を任せることができれば、従業員は自分の価値を感じ、内なる欲求を満たして、内発的動機付けにより、業務遂行において自律性の発揮を促し、ひいては自律的な職場環境の構築・促進にも役立ちます。
(以下略)
2023年6月1日 / 1 June 2023
鈴木敏文会員(㈱松本精機)、友人の㈱リブラン社50年史(2018年3月1日発行)を紹介。
Mr. Suzuki Toshifumi (Matsumoto Seiki Co., Ltd.)introduced the 50-year history of his frriend's Libran Co., Ltd. (published 1 March 2018).
これから社会に出る学生,インターンシップ(就業体験)を担当する教職員,インターンシップに取り組む企業人に役立つ専門書というだけでなく,演習や自修に有益な書となるよう工夫。
インターンシップが我が国に定着するに至る道程や変遷,事例紹介,問題提起,採用選考との関係,パンデミックなど疫病による影響,ICT化の推進等,高等教育の受益者が見通すべき事柄を網羅した。
日本インターンシップ学会東日本支部から成る気鋭の執筆陣により構成。
理論編,実践編に分けわかりやすく解説し,演習や自修にも役立つワークシートや資料なども掲載。
「人生100年時代」の生き方を視野に入れた,最新の時代に対応した,インターンシップのテキスト。
ICOSA会員の九州電設(株)取締役会長穴井憲義さんは、今年度福岡大学経済学部に通う学生でもありました。そこで、同大学の学生が自らのアイデアで企業の課題解決に取り組む「ベンチャー起業論」では、2020年度プロジェクトの一つとして「九州電設プロジェクト」が取り上げられました。
現在九州電設は、従来のビジネスモデルが成熟期を迎え、長期的な視点で会社を安定的に運営していくための次の一手を模索しています。この課題を解決するためには、会社の未来を担う新規事業への投資や社会環境やイノベーションの変化に対応するための新しい会社の設立等が必要になります。学生たちは、九州電設の歴史・社訓・経営理念を学び、また、電気設備業界について知識を深め、関連会社にもヒアリングを実施し、課題解決に「何が必要なのか」を考え、兄弟会社のトップの社長同士で会社の未来、ビジョンを議論する場「会社の未来を考える会」を開催しました。さらに九州電設経営陣、社員、学生が経営を学ぶ「社長塾」を行いました。
そして学期末にはリーダーの髙場大貴さん(経済学部産業経済学科4年次生)がプロジェクトの発表を行いましたので、お許しをいただき報告の写しを以下に掲載します。
審査委員会特別賞 九州電設株式会社
(熊本県熊本市、電気設備設計・施工、社員数85名、設立(創業)1976年)
(1) 創業者をはじめ役員の、人を大切にするいい会社づくりの姿勢が強い
(2) 雇用の安定化を基本にし、正社員比率は99%と高い
(3) 定年は75歳であり、現在も70歳以上社員が6名いる。また障がい者雇用率も2.37%、全員が正社員である
(4) 地域の清掃や災害支援等のボランティアにも積極的に取り組んでいる
兼村智也会員(松本大学総合経営学部教授)が寄稿しました。
①日刊工業新聞社『プレス技術』2019年1月号「効果的な人材育成とその成果」
②一般社団法人全国信用金庫協会「monthly信用金庫」7月号「2018年版『中小企業白書』『小規模企業白書』の概要とポイント」
③一般財団法人北海道東北地域経済総合研究所「NETT」No.101 2018 Summer 「地域企業の人材不足対策に有効な人材育成とは何か」
四六判 248頁 定価 1,728円(本体1600円+税) ISBN 9784496053252 第1刷 2017年12月10日
本書では、事業承継と個人保証という、これまで互いに相手の障害となっているとみなされていたことをできるだけ密接に考えるよう提案しています。中小企業の事業承継は、後継者の確保が難しいという点で危機的な状況にあります。大廃業時代が到来するという予測は、こうした危機感の延長にあります。
後継者の確保を難しくしている重大な原因のひとつが個人保証です。従業員を雇用する多くの中小企業経営者は、会社の事業資金の借入に際し、個人保証を徴求されます。
これが、いざ社長を交代しようとなると難題となるのです。社長は、個人保証を外してもらって楽になりたいけれど、金融機関がそう簡単には外してくれません。そんな個人保証を引き継ぐならと、後継者も簡単には社長就任を受諾してくれません。こうしたことが隘路となって事業承継はとん挫し、後継者が確保できない企業は廃業に至らざるを得ないのが現状なのです。
ところが、一見厄介者の個人保証も、後継者育成の面で観ると意外な有用性が浮かんできます。そもそも金融機関は稼ぐ力のない人に貸付金の個人保証は求めません。たとえば、社長の放蕩息子よりは堅実なたたき上げの番頭の方が連帯保証人になる適性があります。ならば、社長は、後継者を個人保証ができるくらいの稼げる人材に育て上げないといけないわけで、これができれば会社にとって良くないはずはありません。
また、個人保証を引き受ける覚悟を決めた後継者なら、たとえ他に大株主がいようが、先代社長が元気でいようが自立した経営を行える可能性が高いのです。なぜなら、個人保証をするほどの絶大な危険負担と圧倒的な貢献をしている人が企業内には他にいないからです。後継者が、若くても経験に乏しくても個人保証をすることで存在感を高めることができるのです。
目次
第一章 個人保証に苦しんだ私の経営者人生
第二章 誰も知らない個人保証のこと
第三章 私の事業承継:引き受け編
第四章 私の事業承継:引き渡し編
第五章 危機的状況の後継者確保
第六章 誰も助けてくれない個人保証の引き継ぎ
第七章 それでも個人保証はこんなに役に立つ
第八章 金融機関との長い付き合い
著者略歴
1955年香川県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、松下電工(現パナソニック)を経て、(株)光建設(現ヒカリ)取締役に。4代目社長を務め、社長職の引き受けと引き渡しを経験。神戸大学でMBA取得後、嘉悦大学大学院博士後期課程修了、博士(経営管理)。現在、事業承継lab所長、(株)ヒカリ相談役。
論文:「Characteristics of Non-Family Succession in Japanese Small and Medium-Sized Enterprises」「中小企業の所有と支配の分離」など多数。著書に『中小企業の退出と存続』(共著・倫理研究所編)。
この講座シリーズは、黒瀬理事長が「商工ジャーナル」2015年10月号~2016年9月号に連載したものを、㈱商工中金経済研究所のご厚意によりICOSA会員のために書き直して掲載しています。