Thinkpad E430に Debian 10.4をインストール

(2020-07-12 初稿 - 2020-09-01 転記・修正)

はじめに

先日、息子が帰って来て、新しいノートPCを購入したとのことで、不要になった古いノートPCを置いて行きました。

このノートPCは、息子にとっては古いものでも、筆者にとってはまだまだ十分使えるノートPCでした。


Thinkpad E430 のスペック

[CPU] intel Core I-5 3230M

[Memory] 4GB

[Harddisk] HDD 500GB ⇒ 230GB SSDに換装

[GraphicBoard] CPU内蔵 Intel® HDD Graphics 4000

[Display] LED14.0型HD TFT液晶 (1,366×768ドット)、光沢なし

[OS] Windows 8 (64bit) ⇒ Windows 10にアップグレード

詳しくは、以下のLenovoのサイトを見てください。

Debian Busterのインストール

Debian Busterからは、UEFIに対応していますが、BIOSを確認したところ、Windows 8、10ともにLEGCYモードで利用していたようです。

ここでは、DebianでもBIOSのUEFIをLEGCYモードのまま利用していきます。

新しいノートPCのインストールの参考にならなくてすみません。

インストールした時期が2020年7月なので、Debianのバージョンは10.4で、いつものようにnetinst版をダウンロードして、インストールしました。

deian-10.4.0-amd64-netinst.iso

インストールは、一度もつまづくことなく、順調に終わりました。

ちなみに、デスクトップ環境は筆者お好みのLXDEにしました。


インストール後の設定

これ以降は、主にノートPCで必要になったことを記載し、テスクトップ、ノートPC共有のことは、簡単に記載します。

sudoのインストール

sudoが使えないといろいろと不便なので、以下のとおりsudoをインストールします。

本来は、visudoで実行すべきですが…

# apt install sudo

# chmod +w /etc/sudoer

# vi /etc/sudoer


# User privilege specification

root ALL=(ALL:ALL) ALL

hoge ALL=(ALL:ALL) ALL #<= 自分のユーザ名を追加


# chmod -w /etc/sudoer


ディレクトリ名を英語表記に

ディレクトリ名も英語でないと不便なので、以下のとおり英語表記に変更します。

$ sudo apt install xdg-user-dirs-gtk

$ LANG=C xdg-user-dirs-gtk-update


mozcのインストール

日本語変換には、fcitx-mozcを利用しています。

これまで使ってきたユーザ辞書には、登録単語が追加されているので、コピーして利用します。

なお、他のPCからのコピーにはsshのインストールが必要です。

$ sudo apt intall fcitx-mozc

$ scp (既存のPC名):.mozc/user_dictionary.db .mozc/


Gvimのインストール

デスクトップ環境としてLXDEを使っているとどのgvimをインストールしたら良いのかよくわかりませんが、最もシンプルそうなvim-gtkをインストールしました。

$ sudo apt install vim-gtk

なお、利用するフォントは、NOTO MONOの14を用いるように .gvimrcに追記しました。

$ vi .gvimrc

set guifont=NOTO\ MONO\ 13 #<= 追記


chromeのインストール

ブラウザは、Google chromeをインストールしました。

最近のaptは、ダウンロードしたdebコマンドをインストールできるし、依存のパッケージもあわせてインストールできるので、すごく賢くて使いやすくなりましたね。

$ sudo apt install google-chrome libappindicator3-1


.xsessionrcのコピー

筆者は、rubyやpythonで簡単なコマンドを作成し、~/bin ディレクトリに入れて使っています。

しかし、インストール直後は、~/binにpathが通っていませんでした。

ネットで調べると、いろいろな方法でpathを設定する方法がありますが、GUIログイン、sshのログインの両方ともに~/binにpathを通せる .xsessionrc を用いることにしました。

ちなみに、コピーした.xsessionrc は以下のとおりです。

# ~/.profile: executed by the command interpreter for login shells.

# This file is not read by bash(1), if ~/.bash_profile or ~/.bash_login

# exists.

# see /usr/share/doc/bash/examples/startup-files for examples.

# the files are located in the bash-doc package.


# the default umask is set in /etc/profile; for setting the umask

# for ssh logins, install and configure the libpam-umask package.

#umask 022


# if running bash

if [ -n "$BASH_VERSION" ]; then

# include .bashrc if it exists

if [ -f "$HOME/.bashrc" ]; then

. "$HOME/.bashrc"

fi

fi


# set PATH so it includes user's private bin if it exists

if [ -d "$HOME/bin" ] ; then

PATH="$HOME/bin:$PATH" #<= ここの行が大切

fi


フォントのインストール

デフォルトでNOTOフォントがインストールされてましたが、IPAフォントを以下のとおりインストールしました。

$ apt install fonts-ipafont fonts-apaexfont


rubyのインストール

rubyも便利に使わさせて頂いてます。

以下のとおり、インストールしました。

sudo apt install ruby ruby-dev rake

ちなみに、rake を入れないと rubygem が動かないようです。


python3のインストール

pythonは3を利用しています。デフォルトでインストールされていますが、以下のパッケージを追加でインストールしました。

sudo apt install python3-pip


バッテリー残量の表示

自宅や職場で電源につなぎ動作させるので、問題になることはほとんど無いのですが、バッテリー残量が確認できると便利です。

筆者は、いつもおおよその残量がわかればよいので、acpiをインストールして、

以下のコマンドで確認しています。

$ sudo apt install acpi

$ acpi -bi

Battery 0: Full, 100%

Battery 0: design capacity 3195 mAh, last full capacity 3394 mAh = 100%

acpitoolやupowerコマンドをインストールするともう少し詳しい情報が得られるようです。


また、パッケージのインストールが嫌な方は、以下のファイルをcatすることで、詳しい情報を得ることができます。

$ cat /sys/class/power_supply/BAT0/uevent

POWER_SUPPLY_NAME=BAT0

POWER_SUPPLY_STATUS=Full

POWER_SUPPLY_PRESENT=1

POWER_SUPPLY_TECHNOLOGY=Li-ion

POWER_SUPPLY_CYCLE_COUNT=0

POWER_SUPPLY_VOLTAGE_MIN_DESIGN=10800000

POWER_SUPPLY_VOLTAGE_NOW=12164000

POWER_SUPPLY_POWER_NOW=0

POWER_SUPPLY_ENERGY_FULL_DESIGN=38880000

POWER_SUPPLY_ENERGY_FULL=41300000

POWER_SUPPLY_ENERGY_NOW=41300000

POWER_SUPPLY_CAPACITY=100

POWER_SUPPLY_CAPACITY_LEVEL=Full

POWER_SUPPLY_MODEL_NAME=45N1043

POWER_SUPPLY_MANUFACTURER=SANYO

POWER_SUPPLY_SERIAL_NUMBER= 4745

お好みに合わせて、お使いください。


スピーカー音量の調整

スピーカーの音量の調節は、何もしなくてもできました。

具体的には、「Fn+F3」(FnキーとF3キーを同時に押す)で、音量アップ。

「Fn+F2」で、音量ダウンできます。


ディスプレイ輝度の調整

残念ながら、「Fn+F8」や「Fn+F9」で、ディスプレイの輝度を調整することはできませんでした。

以前使っていたノートPCのときに作ったbrtというshellスクリプトで、簡単にディスプレイの輝度調整を行うことができます。

Debian 9のときのものですが、10でも使えます。

興味のある方は、ご覧になってください。リンク先作成中 ^^;

Tverを見る

(2020-08-16 追記)

最近あまりテレビ番組を見ることが少なくなっています。特に、新型コロナウイルスが広がってから、特に見る機会が減ってきました。

ただし、時には見たい番組があり、DebianやRaspberry Piでは、Tverで視聴できないので、不便に思っていました。

ちなみに、いつもはGoogle chrome を利用して、User-Agent Switcher for Chromeの拡張をインストールして試してみたのですが、視聴できませんでした。

ネットで検索したら、Firefoxならば視聴できるとあったので、試してみると見事に見ることができました。

なお、Debianのデスクトップ版では、Firefoxがデフォルトでインストールされますので、不便に思っている方は、試してみていはいかがでしょうか。

deb.multimedia.orgをaptに追加

(2020-09-01 追記)

マルチメディア関連のパッケージを導入するには、deb.multimedia.orgをaptlineに追加します。

cat /etc/apt/sources.list

# 以下の2行を追記

deb http://www.deb-multimedia.org buster main non-free

deb-src http://www.deb-multimedia.org buster main non-free

そのまま、apt updateをすると怒られるので、公式サイトにあるように、keyring等をあらかじめインストールします。

apt-get update -oAcquire::AllowInsecureRepositories=true

apt-get install deb-multimedia-keyring

これで、通常通りaptでマルチメディア系のパッケージがインストールできるようになります。

おわりに

このThinkPadのキーボードは、キーストロークがノートPCの割に深く、また、キートップの感触も若干柔らかい感じなので、長時間のキー入力でも快適です。

筆者の好みとしては、できれば、左下のFnキーとCtrlキーが逆の配列ならば、なお良かったと思います。

また、何か気がついたら、追記します。