これまでは、高等教育、中等教育、初等教育、乳幼児教育というヒエラルキーがあり、前者の就学準備の場に後者がなるという構造であった。探究はこの構造を、乳幼児の創造性や好奇心、表現性が小学校の探究を活性化させ、それがさらに中学校や高校の探究の学習につながり、さらにそれが大学における学問研究のイノベーションを起こしていく、という関係構造へと転換させる可能性を持つ。このコロキウムでは、「過去から未来への固有の方向を持つ矢印としての時間という考え方」を組みかえ、「複数の時間性に宿り、互いが互いを可能にしあう共動的なシステム」(K.ムリス)として高校、大学の関係を捉え直していく可能性について、一つの高校の卒業生と在校生とともに、議論をしていく。
[付記]会費納入のお願いに同封した簡易版プログラムから、報告者に変更があります。