2025/02/27
参加者:安藤正雄、平野吉信、西野加奈子、志手一哉、田澤周平、金岩哲郎、橋本真一、岩松準、片岡誠、曽根巨充、大越潤、勝田尚哉、唐詩、小峰紡花、神谷友里恵、高山空
書記:小島瑚子
日時:2月27日(土)15時00分〜
開催場所:芝浦工業大学 ゼミ室
対面開催
経済的背景や発注者・受注者間の力関係によって発注形態が変化する
インドの一式発注では、発注側がリスクを負うパターンが目立つ
丸川知雄教授のキャッチダウン型技術進歩を参照
先進国の技術を模倣せず、独自の「技術簡素化」や「資本節約型技術」で成長する方法
インドの現状もこの文脈で捉えることができる
PMCなしの一式発注では、受注側がある程度信用されているケースも存在している
材料支給や支払い方式に発注側のリスク負担が見られ、直営的要素が強い
信用の成熟度は現場ごとにばらつきがある
日本の略算式をインドの建設プロジェクトに適用 → インドの工期は著しく長い
長い工期も、価格・品質・納期のバランスを取る中で合理化されていると考えられる
単純化・代替・資本節約などを通じて、地域のニーズに適応した技術進歩が見られる
例:インドの格安車「ナノ」、ゲリラ携帯など
ベーシックニーズや産業資源・市場とのマッチングが重要
技術の「多形性」を活かすことで、必ずしも先進国型の技術進歩を追わなくて良い
設計業務:日本人が運営する現地設計事務所・簡易な事務所
ワーカーグループ:ゼネコン・シビル業者等に直用された労働者の実務
仮設リース業・コンサル業:契約明細書の構造やリスク調整の実態
調査観点:
経営状態や資金調達、リスク回避法
受注方法、業務の計画力
ワーカー・機材の単価、工事技術の水準
「産業資源」側の実態解明
市場との適合やバランスを測るための定量的・定性的データの収集
4月に向けた調査設計に関して、より具体的な対象や方法についてアドバイスをいただきたい。
志手からの質問: 「インドにおける工期の長さがヒアリングを通じて明らかにすることができるのか。原因はどちらにあるかを示せるとよさそう。」
勝田の回答: インド特有の建築生産の資源や目の付け所のようなものがあるのではないかと考えている。
安藤からのコメント: 工期が長い理由に対して変数が足りない可能性がある。現場に対して、どういう課題があると考えているか、狙いをつけてヒアリングを実施しても良いかと思う。加えて、属性のみで考えるのではなく、意思とかも聞いた方が良いのではないか。
金岩からのコメント: 新たにヒアリングが難しいのであれば、発注側に拘らず、作り手側であっても課題意識についてはすでにパイプがある企業にヒアリングすることができるのではないか。
4. 工期の長さについて
片岡からの質問: 「工期についての長いというのは、日本とインドの比較になるのか。日本が異常に短いということは考えられないか。」
勝田の回答: 1970年代の情報と比較した場合には、著しく長いということになるので、他の国や他の計算方法での比較はできていない。
5. 工期の調査方法について
岩松からのコメント: 海外の例であれば、雑誌等にベンチマークが載っていると思うので、アメリカや他の国でも集めれば比較することができると思う。日本の工期で言えば、日建連から出ているものもかなり信頼性があるものだと思う。