2024/5/18
参加者:安藤正雄、平野吉信、西野加奈子、小笠原正豊、田澤周平、橋本真一、曽根巨充、染谷俊介、大越潤、勝田尚哉、朱正路、唐詩、蟹澤宏剛、志手一哉
日時:5月18日(土)15時00分〜
対面開催
このコミュニティではBIMの話をやったり、オフサイトの話をやったりしてましたけど、私はずっと契約方式や責任の話、設計責任の話をやってたんで、それに関連することも少し並行してやれないかなと思って、ほんの備忘録ですがお話ししたいと思います。
要するに、そういう部品を担当するサブコンレベルがデザインフェーズに何らかの貢献をして、それで施工がやっていくという、そういういわゆるECI的な話のサブコン版をずっと追ってました。これもご承知の方いらっしゃると思いますが。
例えばこれ、イギリスの話で発注者がそういうサブコンをコンサルタントとして雇っちゃって、それを工事段階でゼネコンのもとにノベーションする。このときに当然デザインチームもノベーションされるというのは一つのパターンだし、もう一つはCMアットリスクを使ってプレコンストラクションフェーズで、後でこのデザインアシストとかデザインビルドとか説明しますけども、ここでコラボレーティブなプランニングをやってそのまま施工になだれ込む。
これはデザインビルド版です。デザインビルドといっても、プレコン段階とコンストラクション段階の契約が2つに分かれている。以前に安藤先生からご紹介いただいたプログレッシブデザインビルド的なものだと、CMと同じことができるということになってて、イギリスではこのパターンがすでにJCTとかの約款に出てますし、アメリカですと、AIAは未だですがゼネコン系の約款策定団体がコンセンサスドキュメントというのを出してます。
問題はこのプレコン段階でサブコンがデザイン、いわゆる設計協力、または場合によってはデザインビルドベースと最初から入ってくというパターンが今後増えてくだろう。今もあるんだけども、フォーマルな形になってないんで、それがもしフォーマルな形になっていくと、どういうスタイルがあり得るんだろうか、というのを勉強をやってきてました。まだ道半ばですけども、今後もやっていきたいのでもし、このプロジェクトと並行してやっていければ、またはご関心ある方、または関連する情報を持っていらっしゃる方と情報交換できれば、ということの話です。
今日はちょっと時間がないので飛ばしますけども、結構イギリスや米国ではサブコンが設計をやることが当たり前の話になってます。ただ難しいのはどういう役割分担をするかはケースバイケースで違う。それを上手にマネジメントするのが、実はいろいろと問題になってます。実際には、CMがいろんなパッケージを、これはデザインビルドでやってちょうだいね、これはデザインアシストでやってちょうだいねってやってるような例が実際にございます。それ以外に、いわゆるドメステックサブコンという形で、普通のランプサムのビットをやってサブコンを選ぶというビットパッケージも当然あります。そういうのがたくさん混じり合ってると、その選定方法をお金のローエストビットでやるっていうのはなかなか難しいんで、コストプラスフィーでやったりします。選定の仕方もこれまでの付き合いがどれだけあったかみたいな形に変わりつつあるような状況を今のところ掴んでます。
本当にそのまま日本に適するかどうか、それは別の問題です。問題が別にないというのは一つはそういうデザインフェーズでのサブコンの関わり方が、今後BIMの流れとほぼ表裏一体になって入ってくるだろうと思います。さっきもお話しした、ものによって部位によってタイミングとか役割、これは単に設計情報の提供だけでいいとか、製品情報の提供だけでいいとか、これは設計もやってねとかいろんなありますから、おそらくプロジェクト全体にわたってかなり綿密な計画とマネジメントをしていく必要があるだろう。これはむしろBIMのモデルエレメントテーブルを持ってきて、それとほとんど相似形のデザインビルドとかサブコンのレスポンシビリティマトリックスと言ってます。
けれども、そういうものを使わないと多分マネジメントできないだろう。次にその責任問題であり、特に設計を伴うような施工の場合、その設計に関係するときにどういう責任を問われることになるのか。それをそろそろ考えておかなきゃいけないんだろうなというふうに考えてます。BIMモデルを作っていくときに何らかのコントリビューションをするというのは当たり前なんですけれどもそのコントリビューションと設計責任の関係がどうなっているのか。どうもいろいろと紐解いてもなかなかはっきりしたことがわかってきません。もしタイミングのチャンスがあればどんどん調べていけたらな、というふうに思ってます。
それから、さっき、デザインアシストの話しましたけれども、その場合、ちょっといろいろややこしい話になって、全体を担当する設計者とアーキテクトエンジニアがいわばあります。それと部分を設計する、主としてエンジニアなんですけれども、それらの関係の役割分担はどうなっているんだろうか。米国あたりでこのところがおおむね一定して1990年代あたりから設計チームの方は、全体の性能指標をとにかく明確にして、その設計施工チームが出してきたショップドローイング的なモノの設計を全体にコーディネートするという役割が設計チームの方は、必要がある場合には法律が求める場合にはそちらの方でライセンスを持ったエンジニアに図面を作らせて反抗させるというような仕組みです。工種によって違いますけれども、そんなもろもろな話があって、こういうことをもうちょっと勉強していきたいなと思っております。それに関連していろんな話が出てきて、アメリカの場合は州ごとに法律も違いますし、例えばマニュファクチャーはエンジニアを置かなくていいとか、そんな仕組みまであります。それからさっきも話題に出てましたけど、日本の場合、デザインビルドのインテグラルはゼネコンで処理してしまいます。責任問題とかその内部に隠れちゃうんですけれども、今後それでいけるのかいけないのか、もうちょっと個々の専門職の責任を明確にしていく必要があるというように、いろんな問題がある。こんなことを少しやっていきたいなと思ってますが、いかがでしょうか。ちょっといろんな資料を集めてました。契約書関係こんなのありますのでご関心ある方は、ちょっとお話に乗っていただくとありがたいと思います。以上、ありがとうございます。