劇団民藝
『泰山木の木の下で』
劇団民藝
『泰山木の木の下で』
第223回例会
2024年10月14日(月・祝)4時開演
藤沢市民会館大ホール
作/小山祐士
演出/丹野郁弓
出演/日色ともゑ、千葉茂則、塩田泰久、桜井明美、マリオネット 他
1963年初演以来、宇野重吉演出・北林谷栄主演によりロングラン上演を重ねた本作を、日色ともゑ主演、丹野郁弓の新演出で2019年から新たに上演。劇作家・小山祐士さん特有の素朴で美しい瀬戸内の言葉を活かしたセリフ、昭和30年代を舞台に、時代の波に抗いながら、今日を懸命に生きる生活者たちの哀歓をうたいあげる群像劇です。
小さな汽船が行き来する瀬戸内海の小さな島。白い大きな花をつける泰山木。その木の下で質素に暮らすハナばあさんは、貧しいながらも9人の子供を産み、戦争中に優良多子家庭として表彰されました。しかし3人の子は戦死、残る6人の子までも、広島の原爆で亡くしていました。
早春のある日、神部ハナを逮捕するために木下刑事がやってきます。ハナは戦後、人助けのつもりで、頼まれると密かに子供をおろしてやっていたのです。堕胎の罪により警察署に連行する船中でハナ婆さんの話を聞く木下刑事だが、自身もまた、誰にも言えない苦悩を抱えていたのでした…。