パラシュートへの誤解その14-1 
パラシュートも航空機の一種・墜落も予防も開傘も1つの飛行理論に基づいている

PJ

パラシュートへの誤解その13-2 回転翼機のモーターが駆動していても墜落は発生する で紹介したポーラーカーブで飛行性能と墜落リスクを想定することが墜落危機の事前回避につながります。


ドローンの危機対策のシステム機器は実際にはそれだけ単独では自動的に危機を回避するために不充分です。
有識者が道具として使用することで危機を回避させることに役立つものが多いようですが、
理由としてシステムのエンジニアが墜落経験者ではないことが具体的に何を対策すれば効率的かということが反映されていないことにあります。


パラシュートの搭載に関してはデモ用や着陸用などの予めパラシュートの使用が予定されている場合の使用と、緊急時の唐突に使用することになるパラシュートとでは全くその必要とされる要素が違います。
弊社へドローンメーカーから連絡をいただくことがありますが、その際に機体失速時の挙動について質問をするとまず回答がもらえた記憶がありませんが、緊急パラシュートは打ち出し方向が重要です。
機体失速時のそれは設計者のみが知りえる情報であり、それがパラグライダーの設計の例においては有人飛行でありながら失速テストからその挙動の確認と対応操作までをメーカーですべてテストした結果をドイツの航空安全規格であるDHVに提出しています。設計者が設計機体の失速時の挙動について回答できないということがあり得ないためドローのメーカーとの緊急パラシュート搭載については大きな違和感があります。


緊急パラシュートを使用して墜落リスクを避ける上ではドローン機体の翼流体の知識があるのと無いのとではその結果に大きな差が出る可能性があります。
ドローンの飛行のすべてをシステム機器だけに頼って飛ばすということはどのような安全システムを搭載していても危機対応において無策となる可能性があると知るべきです。