パラシュートへの誤解を説く

その4‐1 
コントロール可能なパラシュートは
緊急用に使ってはいけない  続き

PJ

コントロール可能なパラシュートを突然の緊急時にコントロールできるのは滞空1000時間を超える強者経験者の中でもさらに限られた特殊パイロットだけ、しかも無事にランディングできるかどうかは地形、風、障害物などの構成での運が良ければ 可能

*写真はSNSよりマイクロウィング使用中の動画より一部抜粋
スクエアパラシュートの捜査特性がわかる動画がありましたので紹介します。← クリック

”その3”で説明したスクエアパラシュートを緊急パラシュートとして使用した場合の地上への加速動作の他にもう一つ大きな問題があります。
ネット動画やテレビ番組なので地上へ向けて滑空しているスクエアパラシュートを見て自分でも少し練習すればパラシュートを操縦できると誤解していることを感じるのですが、未経験者が少し練習して操縦できるようになるのはあくまで通常時のみです。それもランディング(着陸)は非常に難易度が高いのですが、それを緊急時に陥った瞬間に まずどこへランディング(着陸)するか、(モニター越しで!?)周囲を見渡して滑空して到達可能な範囲内で、進入路が確保できそうな場所を見つけます。この時点では電線などの障害物は上空からは見えていません。大きな電柱又は鉄塔があればその並びを見て電線がつながっていることを予測します。仮に対地高300mで緊急パラシュートが開傘したのなら、その直後の垂直降下中のわずか1秒程度で緊急ランディング場の決定は1秒以内で行わなければなりません。
通常滑空体制にはいって2m/秒以上の沈下速度で、旋回をすれば旋回中は4m/秒以上の沈下となります。
残りわずか300mで時間にすれば旋回も入れて地上までは100秒もないはずです。
仮にそこが都市部上空であればそれはランディング場を見つけることの難易度はさらに高まります。
ランディング場を決定したら風向風速を確認して(通常飛行時に常に危機を想定範囲に入れて封風向風速は確認しておく必要はあります。) また海抜高度の階層により風向や風速が違うことも、乱流が発生していることがわかっていてもその空域を通過しなければ他に選択肢がない場合もあります。滑走路として使える場所があったとしても必要な距離よりも短かったり、緊急時に強引にランディングするのですからそこへ第三者が立ち入っていることも当然あるわけです。万が一にパラシュートに吊られたドローンを第三者に衝突させれば大変は事故が起こります。
有人パラシュートではなくてドローンの場合は最悪はなにかの障害物にあえてドローンを激突させて第三者への被害を食い止めるという荒っぽい方法も可能ですが、まずそんな緊急時には秒単位で次々と判断を迫られるという状況にあって、それがたとえ世界有数の経験者であっても運を天に任せて一か八かな状況となります。
それを未経験者が少し練習しただけで、しかもモニター越しで… 無事にドローンを緊急着陸させられる可能性はわずか0.1%さえもありえないことなのです。

それから緊急事態となった原因次第では、根本的に地上からの無線操縦自体が不可能な場合を想定しておく必要があります。

アドエアではドローンの危機対策全般を扱ううえで、機材に留まらず知識のとしての危機対策を公開するために

緊急パラシュート及びドローン配送用のパラシュート型ドローンスクールを2022年度中に実施予定です。

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