新型コロナウイルス感染拡大下の

大学教育を考える(1)

問題意識と情報の共有に向けて


各大学の遠隔授業の方針について


藤田 授業開始から遠隔授業を行う大学が多いようですが、どのようなかたちで行うかについて大学や部局としての統一方針を決めたり、遠隔授業に関して教員へのサポートを行ったり、何か大学として取り組みは行われていますか。 

A A大学では、ウェブサイトにオンライン授業に関する参考資料がアップされて、私も教員向けにオンライン授業について説明をすることになっています。

B 4月初旬に専任教員向けに遠隔授業の講習会が行われました。非常勤講師も録画を見られるように対応しています。 

C C大学では、遠隔授業のワークショップをオンラインで行ったのですが、アクセスが集まりすぎて多くの教員が参加できませんでした。私個人は同時双方向通信ではなく、資料と課題を学生に示す方式を中心に検討をして各教員に推奨しています。 

D D大学では、遠隔授業のモデルを三種類(同時双方向オンライン型、動画配信オンデマンド型、資料配信型)で示す資料を作成して、これから周知するところです。教員の間でも PC スキルの格差があり、郵便でやるしかないという教員もいそうです。

E E大学では、学内システム上で連絡および情報共有が行われています。遠隔授業についても各教員の取り組みを学内システム上で情報共有し、チャット掲示板で議論できるようにするとのことです。 

F F大学では、4月9日(木)に全教員を集めて説明会が行われました。授業開始後は対面授業が基本で、ただ教室に密集しないように半分に分けるなどの工夫を求められました。遠隔授業については明確な説明がありませんでした。学外に訪問する授業など、具体的な授業方法についても教員に任せるという方針のようです。その後、文科省からの通知が教員に送られ、各教員で文科省の通知に沿って授業を行うように求められているのだと受け取りました。

G G大学では、オンライン授業については、資料掲載・課題方式を強く推奨しています。ここでの資料には、音声なしの文字資料ファイルも音声付きの資料ファイルも含まれます。語学の授業ではリアルタイム配信が禁止と明示されました。 

H H大学では、インターネットを使った遠隔授業に関する特設サイトをつくりました。そこで当面の間、同時双方向型のオンライン授業は行わずにオンデマンド型のみとすることが発表されています。 

I I大学では、全面的に遠隔授業を行うことを決定する前に、遠隔授業に関するワークショップや LMS (Learning Management System 学習管理システム) の講習会が行われました。その後は各教員が協力しながら遠隔授業の準備を進めているようです。ただ、いずれも専任教員に限られているので、非常勤講師へもサポートが必要です。