新型コロナウイルス感染拡大下の

大学教育を考える(1)

問題意識と情報の共有に向けて


授業準備のノウハウの共有——歴史学に関して

 

H ハードウェアの問題は議論にあがりやすいのに対して、教材作成などソフトウェアの問題解決は、まだまだ不十分です。常勤・非常勤に関わらず、シラバスや授業計画を考え直したり、様々な制約がある中で授業準備をしたりする必要がある中で、ノウハウの共有をはかることで少しでも負担を軽減することはできないでしょうか。 

G 似たような取り組みは Facebook 上など他にも行われているので、このメンバーで行うなら歴史学に特化して考えていく必要がありませんか。 

H 歴史学というディシプリンに共通の課題として、使う資料や教材について情報共有する必要性があります。特に図書館が使えない状態でどのように授業準備するのかという点など、今後の授業に必要なアイディアの共有をはかるべきです。 

E 様々なキャリアを経て現在常勤になっている若手・中堅歴史研究者が議論すること自体に意味があると思います。それぞれがもっている情報を共有して公開することで、自分の専門以外の分野で現在どのような問題が生じているのかを知らせることが重要だと思います。 

藤田 この状況で高等教育に関わるすべての教員が直面している課題と特に非常勤講師が抱えている問題、非常勤講師が従来から抱えていた問題と今回新たに直面している課題、様々な分野に共通する問題と歴史学に固有の問題、このような点を整理しながら現在の問題を考えていく必要がありそうです。