大学生たちによるロケット開発の事例

2024/1/6  担当:小松


D-fab会員の「同志社大学 DERCロケットサークル」は、将来の宇宙産業の拡大を見据え、航空宇宙分野の技術に関心のある学生たちで結成された学生プロジェクトです。

DERCでは現在、学生たちが一から設計、開発したロケットの製作、打ち上げ実験などを行っています。毎年3月に開催される種子島ロケットコンテストや他大学との共同実験にて着実に実績を積み。技術力の向上を図ってきました。

ロケットの開発には空気抵抗を考慮した適切な航空機の構造や空力の原理の探求が必要である他、シミュレーションや解析、電子制御やプログラミングといった多岐にわたる要素技術が必要になります。D-fabは学生たちが学部で学んだ工学知識を実践に落とし込み、生きた技術として身に着ける場としても活用されています。

多くのfab施設にはデジタルファブリケーションの代表的な機器として3Dプリンターやレーザー加工機などが設置されていますが、デジタルファブリケーションを構成する要素はこのような機器だけではありません。上記のような機器を使って実際にものづくりをするにはCADソフト等によるデータ作成やグラフィック編集ソフトによるデザイン、小型マイコンや各種センサーによる組み込み機器製作、プログラミングや基板設計などの知識が必要となります。

これら全てのノウハウを一人の人間が身に着ける事はそう容易いことではありません。だからこそ、気軽に他人にアドバイスを求められる環境が、ものづくりをするにあたってとても重要な要素となってきます。

fabの利用者はお互いの得意分野の知識やノウハウを共有することでものづくりを進めることができます。このようにfab利用者間に分散して蓄積された技術やノウハウこそがfab施設の無形資産となっており、多くの利用者を有するfab施設には、例え機器を自分で所有しているユーザーであっても、足を運ぶ動機が生まれます。

DERCロケットサークルの活動はロケット開発をベースとして幅広い分野に及んでおり、D-fabの無形資産構築に貢献してくれています。

D-fabは大学敷地内という立地条件から学生さんの利用も多く、彼ら彼女らのものづくりから多くの学びやインスピレーションを得ることができるのではないでしょうか。

D-fabではモノづくりでの創業を目指す人を支援しています。個人作家、手作り品販売などの小規模事業者も対象ですので興味のある方は一度D-fabまでお越しいただければと思います。