インバータ駆動モーター(Inverter Duty Motor)は、可変周波数や可変電圧に対応するよう特別に設計されたモーターで、可変速ドライブ(VFD)と組み合わせて使用されます。回転数制御、エネルギー効率の最適化、熱負荷軽減、耐久性向上などを実現し、産業用途で広く採用されています。
ポンプ、ファン、コンベヤ、押出機をはじめ、化学、石油・ガス、金属・鉱業、食品・飲料、製紙・パルプなど、多様な産業で使用されています。
世界のインバータ駆動モーター市場は以下のように推移しています。
2018年の市場規模:34億米ドル
2032年予測:1262億米ドル
予測期間中のCAGR(年平均成長率):9.84%
2018年のアジア太平洋地域シェア:約38.88%
さらに、別調査によると、2035年までの日本市場の年間成長率は約13.8%と予測されており、高成長地域とされています。
これらのデータは、自動化、省エネ化、設備更新の推進により需要が急速に拡大していることを示しています。
日本市場は、省エネ化や工場自動化を背景にインバータ駆動モーターの需要が強まっています。
エネルギー効率の向上ニーズ
電力コスト削減や省エネ政策により、VFD対応モーターの導入が加速。
産業オートメーションの普及
生産ラインの高度化により、回転数制御・トルク管理の重要性が増加。
用途の多様性
ポンプ、ファン、押出機、コンベヤなど多くの産業設備と高い親和性。
素材と技術の進化
鋳鉄、積層鋼板、アルミ素材など、用途に合わせた性能向上。
特に鋳鉄モーターは優れた振動減衰性と耐久性から高い需要があり、市場成長を牽引。
これらにより、日本では設備寿命延長、生産性向上、コスト削減を目的にインバータ駆動モーターの採用が増えています。
鋳鉄:高い耐久性と振動吸収特性を備え、最大の市場シェアを保持
積層鋼板:磁気特性が良好で効率重視の用途に最適
アルミニウム:軽量性が求められる用途で採用が拡大
石油・ガス
金属・鉱業
化学
食品・飲料
パルプ・製紙
発電
HVAC など
今後のインバータ駆動モーター市場は以下の要因により継続成長が見込まれます。
世界的な脱炭素化と省エネ政策の強化
スマートファクトリー需要の拡大
産業用ポンプ・ファンにおける可変速制御の普及
新設・更新投資の増加
高効率モーター技術の進化による性能向上とコスト削減
日本においても、設備更新サイクルの進展、省エネ施策、工場のデジタル化などが市場拡大を後押ししています。
2019年11月、NIDEC Motor Corporationは、産業用電気モーターのために、メキシコのモンテレーで製造事業を拡大することを計画していました。拡張は230万米ドルの価値があり、生産能力を高め、事業を改善するのに役立ちました。
2019年6月、NIDEC Motor Corporationは、VFD波形によって急な波の前の電圧に耐えることができる、囲まれたファン冷却のCorro-Dutyおよび垂直中空のシャフトインバーターデューティモーターを導入しました。
インバータ駆動モーター市場は、世界的にも日本国内でも非常に高い成長を続けています。
産業設備の高度化、省エネニーズ、多様な用途への対応力により、今後も市場は拡大が見込まれます。
特に日本市場は高成長地域とされ、企業にとって大きなビジネスチャンスが存在する分野です。