GLP建設計画と地下水の問題


昭島市の水道水源は、地下70メートルより深い層を流れる深層地下水をくみ上げています。深層地下水は、山に降った雨や雪が約30年という長い年月をかけてしみ込んだものです。水が地層にしみ込む過程において、土壌がフィルターの役割を果たし、不純物を取り除くとともに炭酸やミネラル成分等を溶かしながらしみ込みます。こうして流れてきた深層地下水を利用する昭島の水道は、ミネラルウォーターと変わらないおいしさです。 (昭島市のホームページより参照


昭島の地に居を求めて移住された方も多くおられます。
昭島の水道水は地下水だから、
昭島の水道水は天然で安心だから、
昭島の水は美味しいから

水は昭島の大きな財産です。


しかしいま、

GLP計画をそのまま通して安心できるのでしょうか。


私が昭島に住んで40年を過ぎようとしています。この間、全国の多くの地域で水不足が発生しても昭島の水道水が枯れるたことがありません。

豊かな地下水に恵まれ安心して飲むことができる水があることはとても贅沢です。
そして、いつまでも安心して飲むことができる水の確保は大切です。

しかし、最近になって気がかりなことが二つあります。

GLP建設計画に於ける水への影響の問題

1.GLP工事における土壌汚染問題

GLPの「環境影響評価調査計画書」(P76~78)に、【「土壌汚染対策法」に基づく要措置区域等の状況】として計画地周辺の過去における土壌汚染の実態が記載されています。計画地周辺には要措置区域が複数あるが概ね解除され、土壌汚染に係る公害苦情は昭島市及び立川市ともにない。とし、
今回の計画で実施する土壌汚染の調査事項に次6項目:①土地利用の履歴等の状況②土壌汚染の状況③地形、地質、地下水及び土壌の状況④土地利用の状況⑤利水の状況⑥法令による基準等を挙げ、その土壌汚染調査の選択理由に下記とあります。(P126)

「施設内の一部に小規模な給油施設(ガソリン)があり、当該範囲に於いて土壌汚染が存在する可能性が考えられる。工事の施工中における施設の建設に伴い、計画地周辺の環境に影響を及ぼすおそれがるため、左記事項に係る調査が必要である」

問題は給油施設に限ったことにしその他の調査項目や他の地点の追加は想定されていなように見受けられます。

しかしながら次の問題があります。

「土壌汚染対策法」に基づく要措置区域等の状況の地図(P78)を見て下さい。⇒ 00202238403.pdf (tokyo.lg.jp)
要措置区域は20ヶ所あり、1ヵ所以外はすべて指定解除となっていて、計画地での指定箇所は指-920号以外にありません
計画地は要措置区域に複数指定されている地域と同様に飛行機工場の跡地であり、指定ヵ所が計画地(ゴルフ場跡地)にほぼないのはおかしいのではないかと考え、今一度指定内容を見ると、要措置区域の指定は一番古いもので2004年となっていました。

土壌汚染の調査を行った時には既に昭和の森ゴルフ場が1969年に開設され調査対象になっていなかった可能性があるのではないだろうか。
(※ 要措置区域:土壌汚染によって人への健康被害が生じる恐れがあり、都道府県知事が汚染の除去や浄化などの措置が必要と認めた区域) 

と考えると合点がいきます、また、ゴルフ場造成時に、ゴルフ場の起伏を作るために多くの土壌を埋め立てたと考えらますがどのような土壌を使用したのか不明です。またゴルフ場の芝の管理の為に散布したであろう除草剤などの薬剤、このようなことを考えると、土壌汚染の調査は確実に実施する必要があります。

建設の為の造成工事が始まり、汚染物質がばらまかれてからでは遅いでしょう

また、GLPの「環境影響評価調査計画書」128ページに「地盤及び水環境調査地点(No.1~8)」という図が示されています
00202238405.pdf (tokyo.lg.jp) 

「地下水、湧水、地表面流出水等の状況調査」と「地形・地質、土質等の状況」の調査の為に行うようですが、このために地下水のモニタリングを行う8か所の観察地点を確保し、その深さは20m以内とのことです。深さの理由は、敷地内の井戸水を使うにしても現状の揚水量を維持するので影響に変化はないと考えた。昭島の水道は深層地下水を使用しており、深いところは関係ないと考えて調査対象としていないとのことです。

この地下水への考え方は次に紹介する「PFAS(PFOS/PFOA等)の問題」とも重なって認識を改めなければいかないのではないでしょうか。

2.PFAS(PFOS/PFOA等)の問題 と GLP問題

今、昭島市に於いてもPFASの問題血液検査をされた方の結果、血液中にPFASが検出されています。昭島市では水道水の分析を継続的に行い安全であることを宣言頂いていますが、何故市民の方からPFASが検出されたのかは不明です。
大きな原因として横田基地における泡消火剤が地面に浸透し地下水に含有したものが飲み水として飲まれたことが起因ではないかとのことのようですが、調査結果と対策を早く出して頂きたいものです。
ところで何故この問題を記載したのかという理由は下記によります。

左の図は昭島市周辺地下水流動調査報告書(平成16年度)P15に掲載された昭島市の浅層地下水の流れ図で、北西方面から南東方向に地下水が流れていることを示しています。

昭島市の北西方向には横田基地があり、この浅層地下水が万一水道水源に影響を及ぼしたがために、昭島市の市民の方からPFASが検出されたのではないかとも考えられないのでしょうか。
もしそうだと仮定すれば、帯水層が異なる浅層地下水深層地下水何かの理由で混入したことになります。

もしそうだとすれば、GLPの計画地はこの浅層地下水の流れの上にあり、建設の為に土壌を掘り返された時に影響は出ないのでしょうか。


GLPの建設計画は大丈夫なのでしょうか。

やはり土壌汚染問題をしっかりと調査し安全宣言を行った上で

建設改革を進める必要があるのではないでしょうか。