建物の高さとスカイライン

日影の影響の考察


西武立川駅南側地区(西武線から玉川上水)の地域は、昭島市地区計画で第一種低層住宅専用地域 に指定されており、玉川上水南側は現在までゴルフ場という環境から、高い建物もなく緑と青い空を眺望する見通しの良いスカイラインが確保されています。

唯一高い構造物は、ゴルフ場周辺にボール飛び出し防止ネットを張るために建てられたポールですが、ポールとポールの間は何かで視界をふさいでいるわけでは無く、スカイラインは確保できています。

しかしながら、GLPの計画が実行されると玉川上水南側100mの範囲内に、いきなり40mの高さのデータセンターが林立し、無機質な人工物が立ち並ぶことになります。







図は、Google Map 3D地図に、玉川上水の位置と、玉川上水から左右100mの位置に赤いポイントを付し、玉川上水から50mの位置に青いポイントを付しています。
この青いポイントがGLP計画のデータセンターの建物建設の計画位置を示しています。

上の図が大きいのでスマホなどでは説明の青いポイントが見えないようです。
パソコンでは左(スマホでは上)に図の縮小版を掲載します。現在の計画では、この青いポイントから右側に建物の建設が行われる予定です。

玉川上水から両側約100mの位置の建物高さのイメージ 

計画地のイメージを分かりやすくするため、いくつかの高さの視点を記入しています。

15m: 5階建てマンションの高さ玉川上水北側にあるマンション)
30m:10階建てマンションの高さ(西武立川駅前にあるマンション)
40m:ゴルフボール飛び出し防止ネット

建物の計画位置のイメージを分かりやすくするため、玉川上水の位置、玉川上水からの位置(距離)を記入しています。

玉川上水の位置:
玉川上水から50mの位置:データセンターがこの位置から建てられようとしています。
玉川上水から100mの位置:東京都景観条例・玉川上水基本軸ではこの位置までは立木の高さを超えないように配慮することを求められています。

建物の高さと日影の関係

下図は、当時における日の高さと日影の関係、建物の高さとその位置の関係を解説するものです。

斜めの赤い矢印は冬至の太陽の南中高度を示していてその角度は31.6度です。「南中高度」というのは、太陽が真南にきて、いちばん高く上がったときの地平線との間の角度です。 太陽の南中高度は場所によって違います。

この角度で建物との接線を描けば、その延長戦が建物が日影を作る位置になります。

このことから、次のような対策が必要なのではないでしょうか。


GLP計画の建物の位置は、「環境影響評価調査計画書」21ページで確認することができます。
00202238401.pdf (tokyo.lg.jp)  を参照ください。

スカイラインを考える

東京都景観条例のスカイラインの定義とは、どの位置から見た眺望を考えれば良いのか上手くわかりませんが、下に示すように建設した後は大きな壁ができて目の前をふさがれたような感じになってしまいます。下のイメージ図は左が施設完成後、右が完了前の同じ位置からの眺望を示しています。

これを見ると、スカイラインの確保などというレベルではないのではないでしょうか。もっと真剣に玉川上水の景観を考えてもらいたいものです。と同時に、

など、市には強い姿勢での指導を行ってもらいたいものです。

西武立川駅からの眺望の変化のイメージ図です。
左側:データセンターができるといきなり前面が暗いふさがった状態になります。右側:現在の状態
スマートフォンでご覧いただく場合、左側を上側に、右側を下側と読み替えて下さい。)

つつじが丘団地からの眺望の変化のイメージ図です。
左側:データセンターができるといきなり前面に壁ができた状態になります。右側:現在の状態
(スマートフォンでご覧いただく場合、左側を上側に、右側を下側と読み替えて下さい。)

玉川上水沿いの変化のイメージ図です。
左側:データセンターができるといきなり前面に壁ができた状態になり、圧迫感しか感じません。右側:現在の状態
(スマートフォンでご覧いただく場合、左側を上側に、右側を下側と読み替えて下さい。)

スカイラインを守るにはどのようにすれば良いのでしょう?

現在のシミュレーション画像は、計画地に箱型の建物を配置しているだけなので、住民の不安を払しょくするためにも、事業者は情報の提供を行うと共に住民と会話をする必要があります。そして住民の声を聴いて計画を改善すること、これを望みます。
と同時に下記の点についての検討をお願いしたいと考えます。