Murayama, H., Sasaki, S., Takahashi, Y., Takase, M., & Taguchi, A. (2023). Message framing effects on attitude and intention toward social participation in old age. BMC public health, 23(1), 1713.
https://doi.org/10.1186/s12889-023-16555-1
キーワード
メッセージ・フレーミング、社会参加、高齢者、損失フレーム、ランダム化比較
要約・ハイライト
・本研究は、高齢期の健康長寿を支える社会参加について、情報の伝え方が高齢者の関心や参加意欲を高めるかを検証した。
・新潟県十日町市と山形県川西町の65歳以上の高齢者1,524名、平均75.7歳を対象に、個人利得、個人損失、地域利得、メッセージなしの4群を比較した。
・データ分析の結果、社会参加をしていない高齢者では、「参加しないことによる損失」を伝えるメッセージが、社会参加への印象・関心・開始意向を高めることが示された。
Kuroki, M., & Sasaki, S. (2023). Nudging public budget officers: A field‐based survey experiment. Public Budgeting & Finance, 43(3), 3-20.
https://doi.org/10.1111/pbaf.12345
キーワード
ナッジ、公会計、予算査定者、将来便益の過小評価、サーベイ実験
要約・ハイライト
・本研究は、地方自治体の予算編成担当者が将来の社会的成果を過小評価しやすいという問題に対して、ナッジに基づくメッセージが予算査定を改善するかを検証した。
・全国の地方自治体の予算編成担当者484名を対象に、仮想の環境政策プログラムを用いたフィールド型サーベイ実験を行い、成果情報のみ、損失フレーム・ナッジ、社会比較・ナッジ、成果情報なしの4群を比較した。
・データ分析の結果、損失フレーム・ナッジと社会比較・ナッジは将来成果の評価を有意に高める一方、成果情報を提示するだけでは十分でない可能性が示された。ナッジは個人の行動だけでなく、組織内の意思決定にも作用し得ることが示唆された。
Yamada, Y., Uchida, T., Sasaki, S., Taguri, M., Shiose, T., Ikenoue, T., & Fukuma, S. (2023). Nudge-based interventions on health promotion activity among very old people: A pragmatic, 2-arm, participant-blinded randomized controlled trial. Journal of the American Medical Directors Association, 24(3), 390-394.
https://doi.org/10.1016/j.jamda.2022.11.009
キーワード
ナッジ、健康増進行動、超高齢者、ランダム化比較試験、損失フレーミング
要約・ハイライト
・本研究は、新型コロナ・パンデミック下で活動量が低下しやすかった高齢者、とくに中央値82歳の超高齢者を対象に、ナッジに基づく介入が健康増進活動を促すかを検証した。
・日本の高齢者向け居住施設の入居者99名を対象に、タブレット利用を促す2段階のナッジ介入を用いたランダム化比較試験を行った。
・データ分析の結果、介入群では一部の期間でタブレット利用が有意に増加し、とくに高齢男性において効果が大きいことが示された。社会的孤立のリスクがある高齢者の健康行動を促す手段として、ナッジ介入の有効性が示唆された。
Fujisaki, I., Yang, K., & Ueda, K. (2023). On an effective and efficient method for exploiting the wisdom of the inner crowd. Scientific Reports, 13(1), Article 3608.
https://doi.org/10.1038/s41598-023-30599-8
キーワード
一人集合知、推定課題、認知的方略、効率性、予測精度
要約・ハイライト
・一人の中で集合知を引き出すために、自分自身の推定と世間一般の推定を同じ人に答えさせる簡便な方法を提案した。
・2つの推定を平均すると、最初の自分の推定だけを使う場合よりも精度が高くなることが複数の実験で示された。
・短時間で実施できるため、日常的な数量予測や判断支援に応用しやすい方法だと言える。
Yang, K., Fujisaki, I., & Ueda, K. (2023). Social influence makes outlier opinions in online reviews offer more helpful information. Scientific Reports, 13(1), Article 9625.
https://doi.org/10.1038/s41598-023-35953-4
キーワード
オンラインレビュー、外れ値意見、社会的影響、同調、情報有用性
要約・ハイライト
・大量のオンラインレビューの中で、多数派から外れた意見がどのような情報価値をもつかを分析した。
・外れ値レビューは、他のレビューよりも十分で中立的かつ簡潔な情報を含むため、有用だと評価されやすいことが示された。
・同調によってレビュー全体が過度に肯定的になりやすい環境では、少数派の意見に注目することが意思決定に役立つことを示している。
Iwatani, S., Honda, H., Otaki, Y., & Ueda, K. (2023). Effect of asking questions and providing knowledge on attitudes toward organic foods among Japanese consumers. Frontiers in Psychology, 14, 1274446.
https://doi.org/10.3389/fpsyg.2023.1274446
キーワード
有機食品、自己評価知識、態度の極端化、知識提供、質問介入、支払い意思額
要約・ハイライト
・日本の消費者を対象に、有機食品への極端な態度を弱めるための介入を検討した。
・質問に答えさせてから知識を示す方法と、単に知識を示す方法のどちらも、自己評価された知識と態度の極端さを平均的に下げる効果を示した。
・食品に関する思い込みや過度な確信を和らげるには、正しい知識をわかりやすく提示するだけでも有効である可能性を示している。
Ito, K., Ida, T., & Tanaka, M. (2023). Selection on welfare gains: Experimental evidence from electricity plan choice. American Economic Review, 113(11), 2937-2973.
https://doi.org/10.1257/aer.20210150
キーワード
行動経済学、電力料金、自己選択、社会厚生、フィールド実験、電力自由化、料金メニュー、厚生分析、実験経済学、需要反応
要約・ハイライト
・本研究は、電力料金メニューの選択において、消費者の自己選択が社会厚生上どのような意味を持つかを検証した。
・電力会社と連携したフィールド実験データを用い、料金プラン選択と厚生利得の異質性を実証的に分析した。
・分析の結果、厚生利得の大きい消費者ほど新料金メニューを自発的に選ぶ傾向が確認され、選択行動を踏まえた制度設計の必要性が示された。
Murooka, T., & Yamashita, T. (2023). Adverse selection and bounded rationality: an impossibility theorem. The Japanese Economic Review, 74(3), 439-444.
https://doi.org/10.1007/s42973-022-00119-w
キーワード
行動メカニズム・デザイン、限定合理的な戦略的思考、ナイーブ、逆選択、不可能性定理
Kurokawa, H., Igei, K., Kitsuki, A., Kurita, K., Managi, S., Nakamuro, M., & Sakano, A. (2023). Improvement impact of nudges incorporated in environmental education on students’ environmental knowledge, attitudes, and behaviors. Journal of environmental management, 325, 116612.
https://doi.org/10.1016/j.jenvman.2022.116612
キーワード
ナッジ、ブースト、環境教育、フィールド実験
要約・ハイライト
・日本の高校生を対象とした環境教育において、ナッジやブーストを組み込むことで、環境知識・態度・行動にどのような影響が生じるかを実証的に検証することを目的とした。
・対照群では環境教育を実施しなかったのに対して、処置群ではボードゲーム型の環境教育プログラムを実施した。振り返り時に行うワークシートを用いて①目標設定ナッジ、②共感を高めるブースト、③両方の3群に処置群はランダムに割り付けた。
・環境教育自体は知識と関心を有意に向上させた。一方、ナッジは関心の強化や一部行動(低コストな行動)の改善に寄与した。また、ナッジとブーストを組み合わせることで環境教育の成果を高めることが明らかとなった。