Shirasuna, M., Honda, H., Matsuka, T., & Ueda, K. (2020). Familiarity-matching: An ecologically rational heuristic for the relationships-comparison task. Cognitive Science, 44(2), e12806.
https://doi.org/10.1111/cogs.12806
キーワード
親近性マッチング、ヒューリスティック、生態学的合理性、二肢選択推論
要約・ハイライト
・2つの対象の関係を比較する課題で、人がどのような簡便な推論方略を用いるかを検討した。
・提案された親近性マッチングは、対象同士の親近性の似ている度合いを手がかりにする方略で、参加者の推論パターンをよく説明できていた。
・この方略は環境構造を反映するため、単なる誤りではなく生態学的に合理的な判断方法として理解できる。
Yang, K., Fujisaki, I., & Ueda, K. (2020). Interplay of network structure and neighbour performance in user innovation. Palgrave Communications, 6(1), Article 7.
https://doi.org/10.1057/s41599-019-0383-x
キーワード
ユーザーイノベーション、ネットワーク構造、近隣ユーザ、創造性、オンラインコミュニティ
要約・ハイライト
・ユーザーイノベーションにおいて、個人の創造性がネットワーク構造と近隣ユーザからどのように影響を受けるかを分析した。
・周囲の高い創造性は刺激になる一方で、その効果はネットワーク内での位置やつながり方によって変わることが示された。
・創造的活動を支援するには、個人の能力だけでなく、誰とどのようにつながるかという環境設計が重要なことを示唆している。
Onuki, Y., Honda, H., & Ueda, K. (2020). Self-initiated actions under different choice architectures affect framing and target evaluation even without verbal manipulation. Frontiers in Psychology, 11, 1449.
https://doi.org/10.3389/fpsyg.2020.01449
キーワード
フレーミング効果、選択アーキテクチャ、自己開始的行為、非言語的操作
要約・ハイライト
・言葉による説明を変えなくても、選択肢の構造や自分で行う操作がフレーミングや対象評価に影響するかを調べた。
・参加者が自分で行為を開始する状況では、同じ対象でも選択構造の違いによって評価や判断が変わった。
・フレーミング効果は言語表現だけでなく、行為を促す環境設計によっても生じることを示している。
Otaki, Y., Honda, H., & Ueda, K. (2020). Water demand management: Visualising a public good. PLOS ONE, 15(6), e0234621.
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0234621
キーワード
節水行動、公共財、可視化、社会的アイデンティティ、情報フィードバック
要約・ハイライト
・水資源を公共財として見えるようにする情報提示が、家庭の節水行動を促すかを検討した。
・水使用量をインフォグラフィックとして提示することで、参加者は地域全体の資源利用を意識し、複数月にわたって使用量が減少した。
・社会比較に伴う不快感を避けながら、公共財としての水の共有性を伝える方法として有用だと考えられる。
Honda, H., Matsunaga, S., & Ueda, K. (2020). Special number or a mere numerical array? Effect of repdigits on judgments and choices. Frontiers in Psychology, 11, 1551.
https://doi.org/10.3389/fpsyg.2020.01551
キーワード
ゾロ目、希少性、数値判断、数の選好、価値
要約・ハイライト
・「777」のようなゾロ目が、人の判断や選択に特別な影響をもつかを検討した。
・人が数に特別な意味を見いだす場面ではゾロ目が好まれやすい一方、確率や統計的事象として考える場面ではその選好が弱まることが示された。
・数値は量を表すだけでなく、規則性や希少性を通じて象徴的な価値をもつことを示している。
Emoto, N., Soga, A., Fukuda, I., Tanimura-Inagaki, K., Harada, T., Koyano, H. M., Sugihara, H. (2020). Irrational Responses to Risk Preference Questionnaires by Patients with Diabetes with or without Retinopathy and Comparison with Those without Diabetes. Diabetes Metab Syndr Obes, 13, 4961–4971.
https://doi.org/10.2147/DMSO.S283591
キーワード
糖尿病、期待効用理論、糖尿病網膜症
要約・ハイライト
・糖尿病の血糖コントロール不良による慢性合併症の進行には行動経済学的要因とsocioeconomic statusが影響することをすでに報告したが(Emoto 2015, 2016)、さらにそのメカニズムを詳細に検討。
・関東圏の3つの地域基幹医療施設で、糖尿病網膜症を有しない糖尿病患者264名、網膜症を有する糖尿病患者130名、非糖尿病患者198名について行動経済学的質問票調査を行なった。仮想的ギャンブルと仮想的保険の掛け金についての質問の回答が、「期待効用理論の公理」である「完備性」および「推移性」に反する場合を非合理的回答とした。非合理的回答は糖尿病網膜症を有する患者で有意に多かった。非合理的回答は年齢が高いほど、学歴が低いほど増加したが、年齢と学歴で補正しても網膜症を有する患者で有意に多かった。網膜症を有しない糖尿病患者と非糖尿病患者とでは非合理的回答の頻度に差はなかった。
・糖尿病患者で、「期待効用理論に合致する確率に基づく合理的選択」とは異なる選択をする患者では血糖コントロール不良による慢性合併症が進行する確率が高くなる。学歴との相関はあるが、高学歴者にも認めることから、認知能力よりは患者の性向と考えられる。
Wang, W., Ida, T., & Shimada, H. (2020). Default effect versus active decision: Evidence from a field experiment in Los Alamos. European Economic Review, 128, 103498.
https://doi.org/10.1016/j.euroecorev.2020.103498
キーワード
行動経済学、デフォルト、能動的選択、電力需要、フィールド実験、オプトイン、オプトアウト、需要反応、制度設計、エネルギー政策
要約・ハイライト
・本研究は、デフォルト設定と能動的選択の違いが、電力需要抑制プログラムへの参加と節電行動に与える影響を検証した。
・米国ロスアラモスで実施したフィールド実験により、オプトイン方式とオプトアウト方式の効果を比較した。
・分析の結果、能動的に選択した参加者のほうが持続的な需要削減効果を示す可能性が確認され、制度設計の細部が行動変容に重要であることが示された。