慶應義塾大学4年生
こんにちは✨慶應義塾大学・法学部法律学科4年生のN. H. です。
このページでは、私が4年間過ごした大学と法学部についてご紹介いたします。
慶應・法学部の基本情報
法学部は、法律学科と政治学科の二つの学科で構成されています。
他大学ですと、法律・政治がそれぞれ独立した学部として存在するところや、経済と政治がセットで学部が構成されているところもあります。
学部の隔たりなく、法律・政治を学べるのは慶應・法学部の特徴の一つかもしれません。……と言っても、法律は基礎の時点で専門知識が求められるので、法律学科では1、2年生の間は法学系の授業を多く履修しなくてはなりません。
3年生以上になると、自分の専門分野に加えて政治学科の授業を活用する人も多くいます。他の学科の単位も卒業単位として換算できる制度があるので、無理なく自分の興味分野を学科横断的に学ぶことができます。
また、法学部に限らず、商学部や経済学部などは、2年ごとにキャンパスが変わります。
基礎を学ぶ1、2年生は日吉キャンパスで、応用を学ぶ3、4年生は三田キャンパスで過ごします。
各キャンパスの特徴や魅力
📍日吉キャンパス
日吉はなんといっても、イチョウの並木道が魅力的です。葉が色付く秋はもちろんのこと、青々と葉っぱが広がる夏も、図書館から見ていて飽きないほどに木々が美しいです。
また、日吉は「学生の街」としての魅力もありますね。駅の反対側、通称「ひようら」では学生に優しい値段のご飯屋さんも多く、開拓のしがいがあります。
さらに、一般教養の授業は学部横断的に履修ができたり、理工学部のキャンパスが近かったりするので、日吉キャンパスは多様な学生に出会える場所でもあります。多くのサークルや體育會の活動拠点ですので、楽しい活気で溢れています。
📍三田キャンパス
三田も立地がとても良いですね。遅い時間の授業を受けた後や、図書館でこもって勉強した帰りに見るライトアップされた東京タワーは、一日のご褒美のように感じます。
日吉が「学生の街」であるのに対し、三田は「社会人の街」というイメージがあります。就職活動などで訪問しなくてはいけない企業が大学の近くにあることも多く、利便性も高いです。OB・OGの方にお話を聞く機会も作りやすいかと思います。
三田の授業は、最初に書いたように、応用・発展的な内容が扱われます。自分の専門性を高めるための授業や、少し興味のあるマニアックな内容の授業を受講できる点で、学業における充実感も大きいです。
図書館(多くの慶應生は「メディア」と呼んでいますね。)の書籍も豊富で、自身の興味を追い求めることができます。歴史ある大学ゆえに、絶版された書籍や貴重な文献を手にすることができるのも、大学並びにキャンパスの魅力かと思います。
法学部法律学科のリアル
🔍法学部法律学科=弁護士??
これは非常に良く聞かれる質問です。確かに、弁護士や検察、裁判官になるために必要な司法予備試験、司法試験を目指す学生も多く在籍します。
しかし実際には、6-7割ほどの学生が一般企業に就職します。それ以外の進路だと、司法試験の受験資格を得るため法科大学院へ進学する人に加え、法学研究科というもっぱら法律の研究を行う大学院へ進学する人もいます。さらに、公務員を目指す人もおり、進路は多種多様です。法律は社会のルールのベースであり、どんなところへも応用が効くので、進路が多岐に渡るのかと思います。
🔍毎日六法を持ち歩くの??
基本的に、授業がある日は六法全書の携帯版である『ポケット六法』や『デイリー六法』を持ち運んでいる学生がほとんどです。
ただ、上のコンパクトサイズ(といっても辞書くらいには厚くて重いのですが......。)に収録されている法律は基礎的なものに限定されています。そのため、授業や学習用途にあわせて『判例六法』や『環境六法』といった専門的な法律集も持参します。そのせいか、法律学科の学生は大きい鞄やリュックで登校する人が多いですね笑
さらに、法律は毎年改正されるので、基本的に年度ごとに買い替えが必要です。本棚に並ぶ複数のミニ六法を眺めると、4年間勉強を頑張ったなあ〜という気持ちになります。
慶應法学部生の一日
下の写真は、1年生の時(@日吉)と、3年生の時(@三田)の時間割です。
日吉では、基礎の法律と一般教養科目が多いですね。私は週4回フランス語を履修するインテンシブコースを選択したので、言語の授業が多くなっています。
また、6限目・18:00~19:20の遅い時間帯に開講される授業もあります。「法務演習」は、大学を3年間で早期卒業し、ロースクールに入学する「法曹コース」を目指す学生向けに開講されている科目です。
なお、2020年度はコロナ禍ということもありオンラインでの授業実施が多かったものの、現在はほとんどが対面で実施されております。
三田では、所属する研究会のテーマである「独占禁止法」をメインに、授業を取っていました。「比較競争法」で、各国の企業の経済活動に対するルールを学んだり、「会社法」で企業の組織の在り方を規定している法律を学んだりしていました。
また、「労働法」や「保険法」では、仕事をする上での労働者の権利や、保険のルールを学びました。この二つの法律は、分野自体に興味がなくても知っているとお得かと思います!
受験勉強の方法
私は、FIT入試という慶應法学部特有の総合型選抜試験を受験しました。受験方式は2種類あるのですが、両方式共通して志望理由書の提出と小論文の問題があります。
具体的な細かい技術は、塾の授業で磨いていった記憶があります。ここでは、私が受験対策として大切だと思うことをご紹介します。
🌟知識の引き出し、頭のネットワーク
志望理由書の執筆においても、小論文や口頭試問においても、幅広い知識とそれを根拠に自分の意見を述べることが大切かと思います。
そのため受験生時代は、塾や学校の授業、日々のニュースで学んだことは、自分の言葉で説明できるようになるまでの理解を目指していました。
このように書くと、大変そうな印象を与えてしまうかもしれません。......ただ実際には、日々アンテナを張って「面白そう!」と思ったことはメモしたり、携帯で調べたりしていた程度かと思います笑
また、学問も知識もそれ単体であるのではなく、必ず何かと繋がっていると思います。例えば、医学の問題は「人権」という法律の問題や、「国民皆保険制度」という制度の問題に繋がるかもしれません。知識をただ覚えるのではなく、頭のなかのネットワークを活用して、自分が既に知っていることと組み合わせたり、似たような事柄と比較したりすることが重要かと思います。何か新しいことを学んだら、連想ゲームのようにそこから考えられることを書き出したり、自分だったらどのような立場を取るか考えてみるのが効果的だと思います。
学んだ知識という「点」を増やし、意見として組み立てる「線」で結ぶ作業を繰り返すことが、総合型選抜対策では求められるかと思います。