【国際交流】川越キャンパスにて留学座談会を実施しました

留学座談会(2023年7月12日実施) 

交換留学経験者に体験談を伺いました。



司会:理工学部 岩本 典子 教授

参加者:理工学研究科生体医工学専攻修了 土屋 諒真

2023年9月より米国ジョンズ・ホプキンス大学大学院PhDコース在学中

交換留学(第Ⅱ期)ミズーリ州立大学大学(アメリカ・ノースウエスト) 2018年8月~12月(学部在学中)

参加者:理工学部応用化学科 森本 菜月

交換留学(第Ⅱ期)ルレオ工科大学(スウェーデン)2022年8月~2023年6月

参加者:理工学部機械工学科 三吉 豪

交換留学(第Ⅱ期)ハートウィックカレッジ(アメリカ・ニューヨーク)2022年8月~2023年6月

留学先はどのように決めましたか?


森本:ヨーロッパに行きたかったので、自分の英語力に合う所としてスウェーデンを選びました。英語圏ではなくても日常会話は英語で対応できたので大丈夫でした。

三吉:英語圏ではアメリカが良いと思って、いとこが住んでいるということもあり、アメリカに決めました。留学先の大学については、当初予定していた大学はアラバマでしたが、変更せざるを得なくなり、ニューヨークにあるハートウィックカレッジを選びました。

交換留学の場合は、語学留学と異なり、IELTS™等、TOEIC(R)以外の語学試験のスコアが必要であるのが大変だったと思いますが、皆さんはそれをクリアしました。勉強法などについて教えて頂けますか?


三吉:自分に合うテストが恐らくあるので、色々試してみるのが良いと思います。それで、IELTS™は特に4技能(Listening, Speaking, Writing, Reading)が必要となるのですが、それを全般的に勉強するのではなく、自分の苦手な所に集中して効率的に勉強するのが良いと思います。


森本:IELTS™対策というよりは、LEAP等の英語の授業を取って、日常的に英語を勉強していた結果として必要なスコアが取れました。

土屋:英語のスキルを全体的に上げたいと思っていたので、海外の人と話してコミュニケーションを取る機会を増やすようにしていました。IELTS™のスコアを上げるという事では、一般的な日本人の苦手とする(スコアが低いと言われる)ライティングとスピーキングに力を入れて勉強しました。ライティングは書いたものを指導して頂いたり、スピーキングは日々の努力が直結するので、英語で話す量を増やしてスムーズに話せるようになる練習をすべきだと思います。

― 海外での授業は日本の授業と比べてどのように異なりましたか?どのような点が大変でしたか?


森本:授業毎に何曜何時限と学期内のスケジュールが決まっている日本とは異なり、スウェーデンでは週によりスケジュールが異なるというのが大きな違いです。また、クラス人数も少数制で、皆活発に質問をしたり、積極的に意見を述べたりしていました。出席は成績に関係しないので、出席率もばらばらでした。


三吉:出席により厳格に単位の合否が決まっていました。一番違うと思ったのは授業数です。一つの授業が週に3回とか何回も配置されて、一週間に同じ授業が複数回ありました。同じ先生とも何回も会うので、親近感がわくのか、学生も意見を述べたり、先生も意見を聞いてきたりという事が気軽に行われていました。先生と学生の距離感が近いというのが異なる点だと感じました。


土屋:学部での留学は4年前になるのですが、アメリカで交換留学をしました。三吉さんと同じで、同じ授業が一週に複数回あり、月・水・金の3回行われる授業と、火・木の2回行わる授業とに分かれて、日々宿題や課題をこなすのが結構大変でしたし、朝8時から始まる授業もあったりするので大変でした。また、授業では、授業参加態度が評価されるので、皆積極的に質問します。そこで、わからない所を質問しに行ったり、先生とのコミュニケーションを取っていくようにしていたので大変でした。

自由時間や週末はどのように過ごしていましたか。


森本:パーティーが頻繁に開催されていたので参加したり、住んでいた所の近くがハイキングコースだったのでそこで過ごしたり、冬だったら凍っている海に行ったり、スキーをしたり、自然と戯れていました。また、ヨーロッパ各国へ旅行へ行くことも多かったです。

三吉:ルームメイトが連れていってくれて外出することもありましたが、多くは、授業と関係する吹奏楽部等の部活動に入っていたので、部室に籠って練習をしていました。


土屋:友人と遊んでいました。1学期(半年)だったので短かったのですが、遊園地に行ったり、ハロウィンイベントをやったり、クラブに行ったりして楽しく過ごしていました。

― 住まいはどうしていましたか。


三吉:学生寮でルームシェア(部屋は一人ずつある)をしていました。


森本:学生用アパートの一人部屋に住んでいました。


土屋:学生寮で、4人のシェアハウスでした。

― 食事が合わないということはありましたか。 


土屋:食事が合わなくて痩せて帰ってきたという方もいましたが、自分の住んでいたところはダイニングが充実していましたので問題なかったです。ミールプランに入っていたのでいつでも食事ができ、ビュッフェスタイルで、ヴィーガン用や、アジア系向けの食事もありましたし、パスタやスィーツや果物もあり色々なカテゴリーの食べ物があり、飽きることなくむしろ楽しめました。

三吉:土屋さんと同じくダイニングが充実していました。ファミレスよりも大きなピッチャーがあり、ドリンクは飲み放題で良かったです。でも、飽きてしまった友人はネットで日本食等を頼んでいました。そういう方法もあるので、特に食に関しては心配することは無いのかなと思います。

森本:ミールプラン等は無く、自炊しなければいけませんでした。料理をしたことが無かったことや日本食を手に入れるのが難しかったこともあり苦労しましたが、現地に住んでいる日本人と親しくなってご飯に誘って頂いたり、他の留学生と持ち寄りパーティーなどを開催し、各国の美味しいものを作って食べさせてもらったりして、おいしく食事をすることができました。スウェーデン料理はかなりボリュームが高いので、美味しいですがたくさんは食べられませんでした。

― 友人関係はどうでしたか。

森本:留学生が入る組織でESNというものがあり、その行事に参加して友達を作りました。その中で、フランス人、イタリア人、トルコ人と特に仲良くなり、フランス人やイタリア人の友人の実家には泊まらせて頂いたりしました。また、研究室を通してパキスタン人、インド人、中国人の先生方やPhDの学生と知り合い、ご飯に呼んでもらうなど仲良くしてもらっていました。

三吉:ルームメイトとは友達関係にはなれませんでしたし、しばらく友達ができませんでした。結局、知り合いは増えたものの、友人と言える数は少なかったと思います。友人を作るには、自分から積極的に行動することが必要だと実感しました。

土屋:人々の距離感がすごく近く、ありがたいことに日本人も含めてたくさんの人と仲良くなることができました。先日も留学していた時の友人が来日していて久し振りに会って一緒に過ごしました。写真もたくさん撮ってありますが、寝ている時以外はほとんど一人でいる時間はないほど、色々な人と楽しい思い出ができました。

― 三人とも規定の留学期間をきちんと終えて帰国されましたが、時々ホームシックになって途中で帰ってきてしまう学生さんもいるそうです。ホームシックを感じる事などはありましたか。


土屋:特にホームシックを感じた事はなかったです。悲しかったと思いつくのは笑い話になるような事(モヒカンみたいな髪型にされたことや小さな失恋)だけで、それくらい充実していました。


三吉:実は、最初の2週間でコロナ感染症にかかってしまい、そこからずっと帰りたいという気持ちになっていました。それでも、友人がいたので、外に出たいという気持ちが出て、引き籠ることなく、8か月間続けることができました。


森本:ホームシックにはかからず、むしろもっと長く留学していたいという気持ちが強かったです。

― 最後に留学を振り返っての感想をお願いします。

森本:帰国後すぐにLuleåに戻りたいと思ったぐらいLTUでの生活は楽しかったです。ヨーロッパをはじめとした世界中に友達ができ、帰国後もSNSやメッセージのやり取りをしてつながっているのでいつか会いに行きたいです。留学を通して英語力が上がったり専門知識が身についただけでなく、いろんな国の文化を知ることもできました。留学を通して身につけたことを今後に活かせるように頑張りたいです




三吉:何だかんだ言っても、最後には良い思い出しか残らなくなります。だから、何があってもめげずに最後までやり切るという事が大事なのだと思います。

土屋:最後には留学は楽しかった、充実していたという記憶のお蔭で、それが良い切っ掛けとなって、この8月からまたPhD取得の為にアメリカに留学することができます。

― 土屋さんの大学院博士後期課程へのアメリカ留学について聞かせて下さい。


土屋: 大学院修了後(本学大学院理工学研究科博士前期課程)の1年目の出願では、留学の計画はうまく行きませんでした。その後、研究室の指導教授(加藤和則教授)にご紹介頂き、外研(大学外部の研究機関で研究すること)として順天堂大学に所属して研究を続けることになりました。そこで順天堂大学とジョンズ・ホプキンス大学との共同研究のプロジェクトに参加させて頂く事ができ、ジョンズ・ホプキンス大学(世界ランク第15位)の教授とコネクションができ、認めて頂き、最終的に学費・滞在費等生活費の受給(レジデント扱い)を受けてPhDコースに進学することができることになりました。大学院に飛び入学をした事でできた1年の余裕を、結果的に留学の準備期間に当てる事ができ、同期の学生と同じタイミングで進学する事になりました。

PhDコースということで求められるものが格段に上がってくるだろうと思っています。かなりの資金を受け取るので、当然高い成果を求められるという事になるので、気持ちの面でかなり違ってくるのではないでしょうか。研究も個人の研究とグループでのプロジェクトがあり、卒業の為に単位も取らなければならないのでかなり忙しくなるでしょうね。

その後、土屋さんからジョンズ・ホプキンス大学PhDコースでの日々の様子についてお知らせ頂きました。

ご本人のご厚意で、こちらに共有させていただくことになりました。

[1月の終了時点]

今期は正規の授業、セミナーやオンラインでの研究倫理の授業なども含めると全部で7つの授業を履修しました。おそらくこれはPhDの学生の中では多い部類だと思うのですが、テストやプレゼン、レポートなどの課題も乗り越え、なんとか単位無事すべて単位を取ることができました。

正規の授業3つは精密機械に利用されるマイクロシステム(半導体)の微細加工の原理を学び実際に設計するMicrofabrication Laboratory, 顕微鏡を中心に生物医学研究における設計、実践、および装置についての授業と実際に顕微鏡の設計と製作を一から行うEffective and Economic Design for Biomedical Instrumentation (EEDBI),そして線形代数、ラプラス変換、常微分方程式、特殊関数、偏微分方程式、複素変数などを学ぶMathematical Methods For Engineersでした。

いずれも1学期の始めが非常に昔に感じるほど長い道のりでお伝えしたいことはたくさんあるのですが、特に印象的だったEEDBIについて少しだけ紹介させて頂きます。

この授業は顕微鏡を中心とした医用工学機器の背後にある物理学、特有の要件、デバイスを構築するための工学原理などを学ぶ講義と、履修者全員でLive-cell imaging/コンピューター制御/複数色の蛍光を検出可能な顕微鏡を8000ドルという予算で一から制作するという授業でした。正直私自身はほとんど戦力になれていなかったと思うのですが、学生全員が主体的にみんなでああでもないこうでもないと議論しながら正確に顕微鏡が動作するように光学系の設計をし、決められた予算内に収まるように必要な部品を調べながら購入し、提出期限までに完成させるというプロセスはそれ自身が非常に楽しかったですし、とても勉強になりました。そして何より、活発な議論を通して改めて素晴らしいところに来たんだなと実感する毎日でした。

プロジェクト自体は提出の締め切りまで製作をしており、締め切りの直前は日付が変わるまで作業をしているほどでした。最終的には、課題の顕微鏡を作成することができ、実際に画像を得られた時の感動はひとしおでした。研究面では、やっと少しずつリズムを作れるようになり、四苦八苦しながらもデータが出始めてきました。

まだまだ先は長いのですが、留学が始まった当初に比べればかなり研究室にも慣れ、まさに今頑張っているところです。当初1つだったプロジェクトも、今では3つほどのプロジェクトにアサインしてもらっており、毎日新しいことに触れながら、そしてそれらの勉強に追われながら研究者の卵として成長できるように日々いそしんでおります。生活面は、東洋大学の学部生時の半年間の交換留学や研究室のメンバーや指導教官、そして周りの日本人の皆さんのおかげもあってか何の不満もなく過ごせております。

[3月の時点]

こちらでは3月も中旬に入り、マイナス10度になるような日々が続いた冬から春の訪れを感じます。

毎日毎日激動の日々で、なんとか1学期目を終えたかと思えば2学期もいつの間にか後半に入り、渡米してからあっという間に7か月が過ぎました。

想像していた以上に勉強に研究に追われており、大変な日々の中でも成長できるように頑張っています。

周りの学生を見ていると、常々その優秀さに脱帽しますし、それでいて勤勉な姿に感心します。そしてそれを自分と比較してメンタルが限りなくマイナスに近づくこともしばしばです。しかしそれと同時に、そんな彼らと一緒に切磋琢磨しながら学べる環境に身を置けることはとてもありがたいことだなと感じます。指導教員も私のことを常に考え、(時に怒られながら)熱心に指導してくださっていて、本当にありがたいなと思います。

6月にはDQE(Department Qualifying Exam)と言って、私が所属するJHUのMechanical Engineeringにとってふさわしい人材かどうかを1年目の終わりに判断する、いわば進級試験があります。そこで合格をしないと追放となってしまうので乗り越えないといけない大きな壁というわけです。このように毎日勉強に研究に追われる日々で、しんどいなと思う日も少なくありませんが、毎日充実した日々を送っています。

友人とスポーツ観戦をしたりスキーに行ったり、サンクスギビングやクリスマスなどのイベントを祝ったり、旅行したり、アメリカならではの生活も楽しんでいます。私生活も充実させるのはもちろんですが、きっとこれからも定期的に訪れるつらいこと、大変なこともそのたびに乗り越えて学業面でも充実した日々を送り、成長できるように頑張ります。









 

東洋大学理工学部、総合情報学部では、GCSの運営や、各種資格試験対策講座などを通じて、グローバル人財の育成と国際的視野を持ったエンジニアの育成に取り組んでまいります。 

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