筑波山に響く声
平成28年10月25日号
平成28年10月25日号
リュックサックの子供たちが登山口に揃いました。7名の引率のお父さんも一緒です。その日の筑波山は暑いくらいの陽気に恵まれました。担任のY先生が音頭を取ります。
「ぞう組さん、がんばるぞー」
「オー!!」元気な声とともに出発です。
最初の難関である長い階段を登りきると休憩所があります。列の最後尾をSちゃんたちと歩いていた私の所までにぎやかな声が聞こえてきました。
「もうすぐだよ、がんばって」先に着いていたT君たちのようです。お友だちを気遣えるようになったのは成長の証です。
森の中に入ると、いっきに涼しくなりました。汗も引き、足取りも軽くなります。すれ違う登山客に挨拶をします。
「こんにちは!」
高齢の男性が足を止めました。
「えっ?保育園児ですか。うちの孫とは大違いだ」
多少のリップサービスもあるでしょう。でも、ぞう組さんたちの顔はどことなく誇らしげです。
しばらく進んでいくと、何日か前の雨でぬかるんでいるところが出てきました。
「ここに水たまりがあるよ」
大きな声で知らせてくれたのはMちゃんでした。後ろを歩くお友だちも「わかった」と返します。
最後の岩場を登っていると、下ってきた女性のグループが道を譲ってくれました。
「ありがとうございます!」
女性たちの顔が思わずほころびます。
「ゆっくりで大丈夫よ、みんなすごいねえ」
頂上からの眺めは最高でした。スカイツリーが見えたよとの声もありました。もしかしたら保育園も見えたかな。
「せーの、ヤッホー」
体調のせいで一緒に来ることのできなかった二人のクラスメイトに届けとばかりに、みんなで一緒に叫びます。Rちゃん、Mちゃん、聞こえたかな?
帰りのバスを降りるとき、バスの運転手さんと引率のお父さんたちにお礼を言って、遠足は終わりました。
「ありがとうございました!」最後まで元気な声に包まれた筑波山遠足でした。