名もなき遊びの名前辞典

-序文-

星の王子さまがキツネに教えてもらったこの世の秘密

「本当に大切なものは目に見えないんだよ」

心でなければ見えないものがあるということ

忘れたふりをしていました

大人になるというのはそういうことだと

偉い人が言っていたような気がします

立派な但し書きがついたものに

心を奪われていたのかもしれません

目立つよう飾られたものに

大きな声やきらびやかな色に


ただの遊びに過ぎないと思っている限り

子供がしていることの本当の美しさは見えません

あまりに小さくて

ひそやかで

取るに足らなくて

くだらないから

いとも簡単に踏みにじられてしまう

名もなき遊びたち

だからわたしたちは名前を付けたいと思いました

流されてしまう前に掬い取るための網として

掬い取ってはじめて分かち合うことができるから

忘れてしまわないようにしるしをつけたい

あのころは毎日そうしていたように

今度は子供といっしょに

世界のすみっこに隠された宝ものを

探す旅にでかけよう