出会い

5月14日は徒歩遠足でした。ぞう組(年長児)の目的地は布佐南公園です。広い原っぱがあります。そこで思い切り遊ぶのが子供たちのいちばんの楽しみです。

公園につくと、子供たちはおもいおもいの場所にちらばっていきました。バスケットボールをしたり、虫探しをしたり、だるまさんが転んだをしたり。

わたしはK君にさそわれて、サッカーをすることになりました。「もっとちゃんとやってよ」と文句を言われながら、走りまわります。昔からサッカーは得意じゃありません。


K君の動きが急にとまりました。遠くをじっと見ています。目を凝らすと、遠くのほうでスポーツウェアに身をつつんだ青年が二人、リフティングの練習をしています。ボールの扱いがとても上手です。

K君はおもむろにボールを抱えると、青年たちのいる方に走っていってしまいました。わたしは置いてけぼりです。

三人でなにやら話していますが、よく聞こえません。そのうちパスの練習がはじまりました。K君が蹴りやすいように、ボールを出してくれているようです。青年のひとりがさまざまな技を繰り出すと、K君が歓声をあげます。

しばらくするとT君とS君が走ってきて、パスの輪の中にはいりました。いつの間にか、ちびっこサッカー教室になってしまいました。ときおり笑い声も聞こえてきます。「うまいじゃん」とほめられて、男の子たちはうれしそうです。

「練習のジャマして、すみませーん!」と声をかけます。青年たちは、大丈夫というように大きく手をふってくれました。

お弁当の時間になりました。子供たちは名残り惜しそうに「またやろうね」と約束を交わしながら戻ってきました。保育園にいたら出会うことができない「サッカーのうまいカッコイイお兄さんたち」との出会いは、彼らの心に小さな憧れの種をまいてくれたことでしょう。


他にも出会いがありましたよ。健康づくり教室のお年寄りのみなさんと、楽しくおしゃべりをしました。近所の女の子とお父さんが虫をさがしていました。いっしょにダンゴ虫を見つけました。二年前に退職したY先生が赤ちゃんといっしょに公園にきていました。偶然の再会をよろこびあいました。線路沿いの道では、車で通りかかったA君のお母さんにも会いました。

さまざまな大人との出会いが、遠足の思い出として子供たちの心にのこったことでしょう。みなさん、ありがとう。それから、「カッコイイお兄さん」、またどこかで会ったらサッカーを教えてあげてね!