保育園の七不思議2
平成29年3月22日号
平成29年3月22日号
その四 卒園式の奇跡
卒園式が終わった途端、ぞう組の子供たちは急に「一年生の顔」になる。卒園証書の紙に「一年生になれる魔法の薬」がふりかけてあるという人もいる。
しかしながら、大きな式典を終えたことで子供たちの心に自覚が芽生えたためだというのが、もっとも有力な説である。つまり、子供たちが自らおこした奇跡なのである。近づいてよく観察してみるべし。どこからどう見ても立派な「一年生の顔」である。
その五 隠されるおもちゃ
砂場用のカップがずいぶん少ないなあと思っていたところ、秘密基地の迷路の中で発見された。ドングリや泥団子などの「宝物」が入ったカップだった。どうやら、他のお友だちに取られないようにSちゃんがやったことらしい。
このように、保育園では時々おもちゃが隠されるのだが、全て子供たちの仕業という訳ではないらしい。一説によれば、保育園の煙突に住んでいる小人のいたずらだということだ。お片付けをせずに放っておいたおもちゃを隠してしまうのが好きらしい。
この前も、りす組の木製機関車のおもちゃが棚の隙間から見つかったというが、近くに小さな足跡がいくつもあったとか、なかったとか…
その六 見えない踏切
朝の混雑した園庭では、驚くような光景を見ることができる。こちらでは三輪車の集団が爆走しており、あちらでは二輪カートが砂を運搬している。そのあいだをオニごっこの子供たちがものすごい速さで駆け抜けている。
ところが不思議と衝突事故は少ないのである。代々伝えられるところによれば、これは子供にしか見えない踏切があるからだという。純粋で無垢な心の持ち主だけが見えるという不思議な踏切だ。
ところで、先週三輪車にぶつかって転んだ園長は、「踏切が見えなかった」という指摘も、「加齢のせいだ」というツッコミもかたくなに否定している。
その七 春のにおい
卒園式が近づいてくると漂ってくる春のにおい。梅のにおい、温まった土の匂いなど、人によって感じ方は違うようである。共通するのは、「浮き立つような嬉しい気持ちになる」こと。園長によれば、子供たちが発散している「成長の喜び」がにおいの源だということだ。ただし、科学的な解明はなされていない。
あなたが感じる春のにおいは、どんなにおいですか?