たから文庫の冬休み

たから文庫の本棚に隙間が目立ちます。冬休みの貸出しで子ども達がたくさんの本を持ち帰っている何よりの証拠です。となりに寄りかかった本が「わたしも連れていって欲しかったな」と言っているようです。

年末の貸出し期間には、たくさんの親子が借りる本を仲よく選んでいきました。Nちゃんはお母さんと一緒でした。「この本おもしろそうだね」という楽しそうなおしゃべりが、となりの事務室にも聞こえてきました。普段のように自分ひとりで選ぶのも楽しいですが、親子で会話をしながら探すのもまた楽しいものですね。

保育園では子どもたちのそばにいつも絵本が寄り添っています。園で一番小さいひよこ組やことり組のお友達も絵本が大好きです。小さくてもちゃんとお気に入りの絵本があります。先生に読んでもらったり、先生のまねをしてお友達に読んであげているつもりになったりしています。時には好物の食べ物が描かれているページをなめたりもします。子どもたちに好かれている本ほど手垢にまみれてボロボロになります。補修のために張られたテープは絵本たちの勲章です。

うさぎ組以上になると、毎週金曜に文庫のある部屋に来て自分で本を選べるようになります。何度も借りたお気に入りの本をいち早く取り出す子もいれば、どれにしようかと迷いながらたくさんの本を引っ張り出してみる子もいます。その様子を見ていると、「自分が読んでもらう絵本を自分で選ぶ自由」というのは、人間が享受できるうちで最も素晴らしい自由なのではないかとさえ思えてきます。子どもにとっては「これを読みなさい」というお節介ほど迷惑なものもないのです。

休みが明け、お泊りをしていた絵本が子どもたちを連れて保育園に戻ってきました。Nちゃんのところに行った「うさぎ」はどんな初夢を見たのかな。新年を迎え、たから文庫は再び賑やかな活気を取り戻しました。