レポートとは?
大学生になるとレポートを書く機会が多くあります。レポートについてまず理解してほしいのは、
「レポート(論文)にはルールがある」
ということです。そこで
「求められているルールに則って書く」
ことをまず心がけてください。
ただ、個別のルールはさておき、あらゆるレポートに共通する普遍的なルールも存在します。例えば、次のようなものです。これは知的作業を行う場合の常識でもありますので、必ず守るようにしてください。
レポートの書き方
よいレポートをかくコツ
いきなり書き始めず、調べた内容をどのような順番で説明するべきか、
構成メモを作成する。課題に則した回答となるように構成を考えよう。
例えば、〇〇神社の歴史について紹介するために、次の①~④の構成を考える。
(1) 〇〇神社の概要(住所、創建、指定文化財か、など)
(2) 〇〇神社の歴史(古代→中世→近世→近現代の概要)
(3) 〇〇神社についての論点(先行研究)の紹介
(4) 自分が紹介したい〇〇神社の見どころ
*これにより重複や矛盾がないように文章が書けるようになる。
他人の文章のコピペではない、自ら編集した文章を作成することができる。
文章にする際には、(1)~(4)がそれぞれの段落となる。((1)~(4)の番号は削除すること)
段落の冒頭は一文字下げること。
レポートで最低守るべきこと
目的・本文・結論は必須。
「だ、である」調で書く。
注は出典(何に基づいて書いているか)を明らかにするのが中心(語釈ではない)。
参考文献を挙げる。
文献は書誌情報をきちんと書く。
ex.著者『書名』(出版社、出版年)
事実と意見を区別する。
引用の仕方
短い場合には、「 」で括って論文本文(地の文)に入れればよい。
ex)○○は「……」と言っている。
長いものは、前後一行空けて、段下げして引用部分を独立させる。
ex)○○は以下のように言っている。
…………
…………
*改行して地の文より段下げする(前後に空行を入れることも多い)。
【注意点】
引用した文献の情報も必ず明示(注記)すること。脚注などはWordの機能で付けることもできる。
引用は文学作品や史料など、そのままの文章を使うことに意味がある場合にとどめる。先行研究を紹介する場合は、一般的には自分で内容を要約するべきである。
先行研究の内容を要約して紹介する場合も、それが先行研究に依拠した記述である(自分の創見ではない)ことが分かるように書く。要約による紹介が2文以上続く場合は特に書き方に注意する。
ex) ○○は『著書』の中で……ということを指摘している。……だというのである。……であるとも○○は書いている(ここに出典注を挿入)。
詳細は浜田久美子『日本史を学ぶための図書館活用術』吉川弘文館、2020年、pp.10-12を参照のこと。
図表の引用の仕方
キャプションをつける。
通し番号、タイトル、出典
図は下に、表は上に。
ふつうはゴシック体。
レポートを書く場合に参考になる本
石井一成(監修) 『超図解 レポート・論文術』 (日本文芸社、2022年)
小笠原喜康・片岡則夫 『中高生からの論文入門』 (講談社現代新書、2019年)
木下是雄 『レポートの組み立て方』 (ちくま学芸文庫、1994年)
戸田山和久 『論文の教室 レポートから卒論まで 最新版』 (NHK出版、2022年)
鹿島茂 『勝つための論文の書き方』 (文春新書、2003年)
山内志朗 『ぎりぎり合格への論文マニュアル 新版』 (平凡社新書、2021年)
井下千以子 『思考を鍛えるレポート・論文作成法(第 3 版)』 (慶応大学出版会、2019年)
浜田久美子 『日本史を学ぶための図書館活用術』 (吉川弘文館、2020年)