新しいエネルギー:熱電発電の研究のお手伝いをお願いします。
温度差のある所に置くと、電気を作り出すことができる物質:熱電変換材料。家庭や工場で余った熱を電気としてリサイクルしたり、太陽熱や地熱などの自然の熱から発電することができます。しかし問題はエネルギーの変換効率。既存の発電技術には遠く及ばないのが実情です。
研究者は、日々実験を重ねておりますが、失敗続きです。原因の一つは情報不足。「高い効率が出る条件」がはっきりわからないため、個々の研究者の「勘」に頼る実験が何十年も続いています。
情報不足と言っても、情報はあります。過去の研究者が発表してきた数万本の論文には、膨大な測定データが掲載されています。しかし研究者は実験や計算などに忙しく、なかなか全ての論文に目を通すことができません。
そこで、お手伝いをお願いします。
論文のグラフを見て「こんなデータが載っていたよ」と、研究者にデータを教えてください!
お手伝い頂いた方には、ごくわずかで恐縮ですが、1グラフにつき100円の謝礼を研究費からお支払いいたします。
(クラウドソーシングサイトにアカウントを作っていただき、そちらのシステムを通してのお支払いとなります。)
10グラフをセットでやっていただけますと、1000円になります。学生さんのアルバイトとしてもおすすめです。
お手続き方法につきましては準備ができ次第、こちらでご案内いたしますので、よろしくお願いします。
グラフトレース作業の方法を紹介します。
お願いさせていただく作業内容は、1グラフにつき、以下の4ステップとなります。
このうちステップ1からステップ3まではすぐに終わる準備作業で、ステップ4がメインの作業になります。
作業は、webブラウザから専用のwebシステムにアクセスしていただくことで行います。
メールアドレスの登録以外に、このwebシステムを通して個人情報などが収集されることはございません。
研究業務員も募集しております。
上の作業に必要となるグラフ画像を、大量の論文ファイルから抽出して分類・整理していただける、研究業務員を募集しております。
フルタイムの方1名(週5日,1日7時間)、もしくはパートタイムの方2~3名(週2~5日,1日4~7時間)の募集となります(応相談)。
勤務場所は、物質・材料研究機構(茨城県つくば市)もしくは東京大学柏キャンパス(千葉県柏市)です。
募集要項・給与規定などの詳細は、物質・材料研究機構の公募ページ(2016年4月中に公開予定)をご参照ください。
また、適任者が見つかり次第募集を終了いたしますので、ご了承ください。質問は、メールにて受付いたします。
応募条件
1.パソコンの操作に習熟していること。
インターネットからファイルを取得したり、ファイルをフォルダに分類して整理するなど、基本的なパソコン技術が必要になります。
2.科学でよく使われるグラフを読むことができること。
グラフの形式は、散布図(折れ線グラフ)がほとんどですが、対数スケールのグラフや、y軸が複数あるグラフなどを区別できることが必要です。
3. 科学でよく使われる単位の書き方を理解できること。
上のグラフのy軸の単位が、「マイクロボルト・パー・ケルビン」であるということを理解できることが必要です。
(熱電変換材料の分野で使う単位は限られているので、覚えるべき単位はそれほど多くないです。)
4. グラフデータのトレース作業にも従事できること。
その日の整理作業が終わり次第、上の画像で説明した、グラフのトレース作業に取り組んでいただきます。
(専門知識と英語力のある方の場合は、試料情報の記入作業もお願いさせていただきます。)
あとの条件は必須ではありませんが、もし募集人数を上回るご応募があった場合には、以下の方を優先させていただきます。
(ただし、勤務条件のマッチングなどから、優先順位に多少の変動が生じる場合もございますのでご了承ください。)
1.物性科学、材料科学などの知識を持っておられる方。
(なるべく熱電変換材料に近い分野の方を優先いたします。)
2.英語の論文を理解できる方、もしくは執筆した経験のある方。
(なんとなく読めるくらいで良いです。完全に理解できる必要はありません。)
日本熱電学会 熱電特性データベースWGのご紹介
(熱電変換材料の学生・研究者向けの情報です)
「熱電特性のデータベース化」は、これまで多くの方が望みながら、いまだに実現していない事業です。
これを、これまでにない発想で実現してしまおうというのがこのプロジェクトです。
従来のやり方にこだわらず、使えるアイディアは何でも使っていこうというスタンスで進めます。
このため、新しいことの好きな方や、研究の世界に閉塞感を感じている方にとっては、
きっと楽しんでいただけるプロジェクトだと考えています。
まず、日本熱電学会を通して、全国の学生・研究者で、研究室の枠を超えた共同研究グループを結成します。
そして共同研究グループのメンバーで協力して、過去の膨大なデータの整理に取り組みます。
(現在、熱電分野の学生さんと研究者の方に一番お願いしたい作業は、専門知識を必要とする作業です。
具体的には、トレース済みの数値データに対して、論文を読んで試料情報を記入していくことと、
他の学生・研究者が入力したデータのクロスチェック作業です。)
こうして集めたデータを研究に活用して、熱電変換材料の研究にブレイクスルーをもたらすことを目指します。
情報収集に使っても、数々の経験則の証明に使っても、最新のデータ科学によって未知の法則を解明してもOKです。
このWG(ワーキンググループ)の活動内容の詳細は、
日本熱電学会誌 vol.13 no.2 (2016年4月発行)にてご紹介しております。
もしご興味を持っていただけた方がおりましたら、まずは以下の説明会にご参加ください。(もしくはメールにてご相談ください。)
とは言っても、初めはこのプロジェクトがどうなるのかわからないと思いますので、
しばらくWGに入らず様子を見ていただいて、途中からご参加いただくことももちろん歓迎しております。
熱電特性データベースWG説明会&ミーティング
全国5箇所(大阪・つくば・名古屋・仙台・福岡)で説明会を開催しております。
各研究室の先生方はもちろんのこと、ぜひ多くの学生さん・ポスドクの方にお越しいただければと考えております。
4/20(水) 大阪
大阪大学 吹田キャンパス A1棟 1階会議室
http://www.eng.osaka-u.ac.jp/ja/campusmap.html
4/22(金) つくば
物質・材料研究機構 千現地区 研究本館8階 中セミナー室
http://www.nims.go.jp/nims/office/tsukuba_sengen.html
4/27(水) 名古屋
豊田工業大学 2号棟3階 2314 演習室
http://www.toyota-ti.ac.jp/sogo/gaiyo/campus.html
5/11(水) 仙台
東北大学 多元物質科学研究所 多元研南総合研究棟2 (旧:材料・物性総合研究棟1) 1階 大会議室
http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/information/campus.html
5/12(木) 福岡
九州工業大学サテライト福岡天神
http://www.kyutech.ac.jp/facilities/satellite-campus.html
(このほか、東京(東京大学本郷キャンパス)での追加ミーティングも企画中です。)
プログラム(各会場共通):
第1部:熱電特性データベースWG説明会(14:00~)
本WGでどんな活動を計画しているのか、初めての方に向けてプレゼンいたします。
未確定なアイディアや、現状の課題についても共有いたします。
第2部:WGメンバー限定ミーティング(15:30~)
WGメンバー同士で、今後の方針についての「作戦会議」を行います。
データ収集プロジェクトを加速するような、自由で楽しいアイディアを募集しています。
※WGメンバー以外でも、当日WGに参加表明いただければご参加できます。
ただし、WGへの加入には日本熱電学会の会員となる必要があります。