locationfree

ロケフリを使ってみました

ロケフリのベースステーション 画面例

2007/07/02

ソニーのロケフリことロケーションフリー Networkという製品があります。日本のテレビを海外からインターネット経由で見れるというスグレモノです。アメリカでもケーブルテレビで TV Japan を契約すればNHKを視聴することが可能ですが、ケーブルテレビと合わせて毎月$100くらいかかりますし、民放は入っていません。その点ロケフリなら、インターネットさえあれば初期投資のみでNHKも民放も見ることが出来ます。ロケフリは26,000円ぐらいの黒い箱で、これを日本の実家に設置します。アメリカ側では、PCでロケフリのプレーヤソフトを動かしてテレビを受信します。インターネットの速度はロケフリ側の上りとPC側の下りを含めて最低300kbpsあれば良いとされていますが、私の実測では平均500kbpsぐらい出ています。実家のインターネットは上りで1Mbpsは出てましたし、アメリカ側の下りもそのくらいの速度が出てますので、どうやらPCの処理速度に制限されているようです。試しに同じネットワークでPCを遅いものに変えたところ、ロケフリに表示される速度が100kbps位に低下し画像もギクシャクしたものになりました。受信側のPCでMPEG4のデコードをソフトで行うため、インターネットだけでなく受信するPCの速度にも注意が必要です。これはアメリカ側でテレビ画像をPCで録画する際にも問題になります。

では、ロケフリの仕組みを紹介します。ロケフリの黒い箱 (LF-PK20) はベースステーションという名前で売られ、PS2を一回り小さくしたような形をしています。この箱にテレビのアンテナ線とネットワークのケーブル、そして電源をつなぎます。箱の中にはアナログチューナがあり、プレーヤからチャンネルが選べます。画像と音声はMPEG4で圧縮され、インターネット経由でPCに送られます。ロケフリ側はグローバルIPアドレスを持つ必要がありますが、接続がADSLならほぼ大丈夫でしょう。ケーブルの場合はダメかもしれません。PC側からは一定のURLでロケフリに接続するため、ダイナミックDNSが使われています。これはロケフリが自分のグローバルIPアドレスを MyNetAV.com に通知することで可能になっています。このダイナミックDNSは、ロケフリのためにソニーが提供している無料のサービスです。なお、PCで動かすプレーヤソフトはCDで配布されますが、最新版がソニーのサイトからダウンロードできますので、CDについてくるシリアル番号だけを利用します。使用したバージョンは 3.1 です。

ロケフリのURL例 xxx.yyy.MyNetAV.com

ロケフリにはアンテナ線のほかに2系統のビデオ入力端子があり、デジタルチューナやHDDレコーダなどを接続することができます。ロケフリには録画機能がないので、時差のある海外から日本の番組を見るためにはVTRやHDDレコーダなどが必須となります。PC側で別のソフトを使って録画することは可能ですが、ネットワークが切れた場合録画も中断されるため、ロケフリ側での録画を推奨します。ここに接続した機器を赤外線リモコンで制御するために、ロケフリにはAVマウスなる赤外線送信機が1個付属しています。私の場合は、DXアンテナのVTR-100という激安ビデオレコーダをロケフリにつないで日本の夜の番組を録画しています。リモコンのコマンドをロケフリに学習させることができるので、手持ちのレコーダを使えばいいと思います。学習したリモコンのコマンドはテキストファイルの形式でPCに格納されます。ロケフリはインターネット経由だと解像度が 320x240 と低いので、3倍速のテープ録画でも充分です。2系統のビデオ入力端子のうち、1系統はそのまま出力される端子がありますので、既存のレコーダとテレビの間に入れる事が可能です。ただしVTR-100だと予約録画の件数が8件までなので、1週間分の録画には足りません。この倍は欲しいところです。

実家に置いたロケフリには、LANの端子を使って有線でインターネットにつなぐ方法とクライアントとして無線LANにつなぐ方法があります。さらに実家のインターネットにはロケフリ以外にPCなどもつなぐのが普通なので、ルータが必要です。私の場合、Aterm というルータ内臓のADSLモデムに無線LANカードを追加して使用しています。始めは無線LANでロケフリをつないでいましたが、間に人が通ったりして無線が切れるとそのたびにロケフリの電源を入れなおす必要があるので、安定した有線LANを選びました。これはソニーさんに改善して欲しい点です。海外から使う場合、好きな時に電源を入れなおすことはできません。無線LANは切れても自動的に再接続してほしいと思います。現在無線LANはもっぱらパソコン用に使っています。

次にロケフリの設定方法を説明します。ルータのポート 5024 をベースステーションに転送する設定が必要ですが、UPnPという規格をサポートするルータならロケフリが自動的に設定します。ベースステーションの設定は、同じルータにつながれたPCからプレーヤソフトを使って行います。プレーヤソフトは最初の1ヶ月のみシリアル番号が無くても動きますので、この試用期間中に設定を完了します。「かんたん準備ガイド」に従ってベースステーションをクライアントとして使い、プレーヤを立ち上げてからベースステーションのセットアップスイッチを押します。これで無線LANのSSIDやWEPキーなどを設定できます。有線LANのみなら無線LANの設定は不要です。また 192.168.0.2 などのプライベートIPアドレスをPC上のブラウザから見ることで、ベースステーションの管理画面に入ることが出来ます。管理画面にログインするためのユーザ名は lfx で、パスワードは「かんたん準備ガイド」に記載されています。

ベースステーションには、プレーヤソフトの登録情報が記録されます。同じシリアル番号では1台しか登録できませんので、海外からPCのプレーヤソフトでテレビを見る場合、同じシリアル番号は使えません。プレーヤソフトが1台分しかない場合は、ベースステーションの設定に使うプレーヤソフトにはシリアル番号を入れないようにしましょう。もし入れてしまうと、同じシリアル番号で別のPCからベースステーションに接続できなくなりますので、その場合はベースステーションの管理画面から「機器登録」を選んで、該当するプレーヤの登録を削除します。これには同じルータに直接つながったPCが必要なので、海外からでは出来ません。ベースステーションの設定には、シリアル番号を入れてない試用版のプレーヤソフトを使うのが無難です。

ちなみに、試用期間が終ったプレーヤソフトを再度使えるようにするには再インストールすればいいのですが、レジストリに日付情報が残っていますので、まずプレーヤをアンインストールした後 regedit を使って HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Sony Corporation\LFX 以下を削除します。それからインストールすればまた1ヶ月使えるようになります。プレーヤソフトが有料で、PC1台につきシリアル番号がひとつ必要な点はソニーに再考してほしい点です。ロケフリには1度に1台のPCしか接続できないのに、PCの台数分のシリアル番号を買わなければならないのは納得できません。ちなみにWindows7はサポート対象外ですが利用可能です。レジストリは64-bitの場合 HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\Sony Corporation\LFX になります。

無線LANの設定が終ったら、テレビのアンテナ線とVTRなどをつないでAVマウスも設置します。電源を入れると自動的にLANに接続し NetAV テストを行います。前面のランプが全部緑に点灯すれば成功です。無線LANがIEEE802.11aの場合のみワイヤレスランプがオレンジ色に点灯するそうです。NetAVランプがオレンジ色の場合はNetAVテストが失敗しているので、ネットワークが切れている可能性があります。最初私の実家では Aterm DSLモデムにコレガの無線ルータをつないでいたため、ルータにルータを重ねていた結果 NetAV テストが失敗しました。次にコレガのルータ機能を止めて無線アクセスポイントとしてのみ使ったところ NetAV テストは成功しました。ところが Aterm に無線LANカードを追加するとコレガも不要になることが分かったので、コレガもはずしました。UPnPの動作確認済のルータはソニーのサイトに表示されています。

VTRのリモコンは、主なメーカはソニーのほうでデータを用意してありますが、DXアンテナ製はありません。ベースステーションには受光部があり、そこに向けてVTRのリモコンを使うと船井製のVTRと認識されました。ところがそれで使えるリモコンのボタンがとっても少ないので、ロケフリにVTRのボタンを学習させることにしました。学習にはVTRのリモコンとプレーヤソフトが必要で、日本でベースステーションの前で行います。メーカ名として「汎用」を選ぶと、電源ボタンも含めて20個のボタンを定義できます。定義した結果はPC側でLocationFree RC_DATAというディレクトリの下に UNIV0001.rcd というファイルに格納されます。中身は UTF-8 で書かれたテキストデータです。このファイルはアメリカに送ります。

ベースステーションの設定が終れば、あとはアメリカからプレーヤを立ち上げて、URLとポート番号、そしてパスワードを入力してインターネット経由で登録をします。このときベースステーションの置いてある都道府県を選ぶとチャンネルが自動的に選ばれます。最大12個のチャンネルしか使えないようなので、もしこれで足りない場合はVTR経由で見ることになります。また、逆に不要なチャンネルがある場合はプレーヤの設定画面からそのチャンネルを「受信しない」に変えることができます。リモコンのデータも日本から送られてきた UNIV0001.rcd ファイルをRC_DATAに格納すればOKです。

さて使ってみた感想ですが、ベースステーションの設定さえ成功すればアメリカからの登録は問題なく進み、あっさりと日本のテレビが受信できました。いつもは 640x480 のVGAサイズで見ていますが、充分な画質と言えます。画面レートを変更するボタンがあり、最初は自動になっています。ネットワーク速度とPCの速度にあわせて自分で選ぶこともできます。数字が高いほど広い帯域が必要なので、帯域が足りないと画像が途中で止まります。自動だと低めに設定されるようなので、4か5ぐらいを手動で選ぶといいでしょう。個人的には 4 が見るに耐える最低レベルだと思うので、これを使っています。

VTRの操作はライムラグがあるので慣れが必要です。特に留守録を設定するときなど、時刻を間違えやすいのでゆっくり行います。まちがえてテープを出してしまうと入れられないので、テープを出すボタンはプレーヤのリモコンには定義していません。またテープが絡まったら最後です。HDDレコーダのほうが安全ですね。アンテナ線は分配器でテレビとロケフリとVTRに分けています。ですから録画中でもロケフリで別の番組を見ることができます。

次はアメリカ側で録画する方法です。パスワードで守られたストリーム映像なので、ソースネクストの「驚速ストリーミングレコーダー」を使いました。これはPC画面上の任意のウィンドウの画像と音声を、AVIファイルにMPEG4などで記録するソフトです。本当はロケフリのプレーヤソフトにそうした録画機能があると便利なのですが、著作権保護のためあえて付けてないようです。プレーヤソフトをハックすれば可能かもしれませんが、技術も知識もないので別の安価なソフトを使います。出来たファイルはAVI形式なので、そのままPC上で見ることができます。ロケフリの解像度がもともと低いので、録画する場合はプレーヤの画面サイズを 320x240 に縮小したほうがファイルが小さくなります。しかし画像を再びMPEG4でエンコードするため、PCの速度が落ちます。PCの速度に余裕がないと画面がギクシャクしますので、ロケフリの画像レートを下げることになります。私のPCの場合、解像度を 320x240 にすればレベル4で録画できますが、640x480 だと画像が飛びます。PCのスペックは古くてペンティアム4の 1.4GHz です。

私のアメリカ側のPCにはTVボードがあり、MPEG1とMPEG2のハードウェアデコータが載っています。これを利用すると普通のテレビでもAVIで録画したものが視聴できますが、上記のストリーミングレコーダーではMPEG4を使っているので、そのままでは再生できません。AVIファイルをMPEG2ファイルに変換する必要があり、ひと手間かかります。普通のテレビで見たい場合は、ソニーから出ている LF-BOX1 を使うのがいいでしょう。逆にPC上のプレーヤ画面を最大にして、ソファから見える位置に置くのもひとつの手です。他には試したことはありませんが、PC画面をテレビに映し出すコンバータもあります。また最近のフラットパネルテレビには、PCから直接画面を出せるものもあります。

日本の番組表は、ヤフーなどのサイトから1週間分の番組表を見ることができますので、時差を考慮して番組表とVTRによる留守録を組み合わせると、ほとんどの番組をアメリカから見ることが出来ます。まったく便利な世の中になったものです。アメリカのテレビは有料番組以外あまり面白いものがないので、タダで日本のテレビが見れるのは本当にありがたいと思います。インターネットさえあれば受信できますので、日本のテレビを見たい海外在住者にはおすすめです。

類似の製品としてアメリカ製のSlingBoxというものもあります。こちらは無線LANがないのと形が大きいのが気に入らなかったのですが、ロケフリも結局私の場合は有線LANを使っていますので、検討してみる価値はありそうです。SlingBox だとプレーヤソフトがタダでマック版もあります。ただしロケフリのプレーヤもマック版が他社から出ています。またPSPもロケフリにつないでテレビを受信できるそうなので、次はPSPを試そうかと思います。

最後に、ロケフリの本来の使い方としてソニーでは家の中でPCやPSPでテレビを見る方法を紹介していますが、ワンセグが始まり携帯でテレビが満足に見れる時代になったので、そのような使い方は今後都市部ではあまり意味ないように思います。日本のテレビを出張先や海外で見る、これこそがロケフリの売りだと私は思います。

追記 2007/08/19

家人が日本のテレビを見るとその間PCがふさがってしまうので、PCの取り合いを避けるため直接TVに画像を出せるソニーの LF-BOX1 を日本で購入しアメリカに持ってきました。デザインもベースステーションに似て格好良く、無線LANも使えます。価格は日本で 2万円前後です。使ってみた感想は、一応合格です。気に入らない点は、①処理速度が遅い②学習リモコンがない③リモコンが鈍い、の3点です。

①処理速度が遅い:これはPCのプレーヤーソフトと比べると分かります。PCとLF-BOX1を同じ有線LANにつないで比べると、PCなら画質レートが4で止まらずに視聴できる時間帯でも、LF-BOX1では時々画像が止まり差を感じます。上記にもあるように、ネットワーク速度が低いと画像処理の速度が効いてきますので、LF-BOX1 の処理速度が原因ではないかと思います。またこれに類似の問題点として、電源を入れてからベースステーションにつなげられるようになるまでの「立ち上がり時間」が長すぎます。家電なのですから、せいぜいい3秒くらいで使えるようにして欲しいです。現状では15秒以上かかっています。さらに言うと、電源オンで指定したベースステーションに自動的につながって欲しいと思います。これはPC上のプレーヤーソフトにはすでにある機能です。ちなみに、LF-BOX1のソフトウェアバージョンは 1.00.04 で、現状では最新版となっています。バージョンアップデートを試しましたが、これより新しいバージョンはないようです。

②学習リモコンがない:PCのプレーヤーソフトですと学習リモコン機能でボタンを定義できますが、LF-BOX1ではこの機能がありません。学習した結果をベースステーションからもらってくれば良いだけですから、ソフトの改良で対応できるはずです。これは使い勝手にモロに影響しますので、改善をお願いします。PSPだとメモリスティックで定義ファイルをコピーできるようなので、何とかして欲しいものです。私の場合は既存のリストから船井製のVTRを選びましたが、録画予約のボタンがありません。予約するにはPCのプレーヤーソフトを使う必要があります。

③リモコンが鈍い:LF-BOX1に付属のリモコンが鈍いです。まず3メートルぐらいの距離でも、角度が30度ずれると感知しません。また、LF-BOX1のリモコンセンサーが箱の下部にあるため、位置により直接リモコンの赤外線を当てることができません。この箱は縦にしか置いてはいけないらしいので、もしソファーに座ってリモコンを使うと、私の場合箱が自分より高い位置にあるためセンサーが隠れてしまいます。ソニーさん、センサーは箱の上部に付けてください。上部につけてもセンサーは黒いので、デザイン上の問題は発生しません。さらに、リモコンのスイッチが1度押したのに2度押したように感知されること(チャタリング)が時々あり、スイッチの品質が疑われます。

この中ではもちろん①の処理速度が一番大きな問題です。おそらくネットワーク速度が高ければ問題にならないでしょうが、海外で使う場合はあまり高い速度は期待できませんので、本体の処理速度が今のままでは、PCのプレーヤーソフトを使う方が満足度は高いと思います。その代わり、LF-BOX1の出力は普通にビデオやテレビのライン入力につなげますので、手元で録画する用途には便利でしょう。最近ではPCで録画するのは止めました。無線LANも設定さえ済ませれば問題なく使えます。ただ最近なぜかアメリカでは LF-BOX1 を購入できないようなので、海外で手に入るかどうかは疑問点です。手に入らない場合は、日本で購入して海外に持っていくことになります。ビデオ信号はNTSCとPALが可能で電源も100Vから240VまでOKですが、電源プラグの形状は日本式になります。

追記 2007/09/15

こうして日本のテレビを頻繁に見るようになると、インターネットの速度がとっても気になります。我が家のDSLは AT&T Yahoo DSL というもので、最高速度 3Mbps 実効速度 1Mbps という実力ですが、これが時間帯によって大きく変ります。例えば日本が深夜でアメリカは朝という時間帯が一番快適にロケフリを使えます。逆に日本が昼でアメリカは夜という時間帯が一番速度が落ちるようです。画面レートの表示では 100kbps も出ていません。LF-BOX1 で見ていると、この時間帯では頻繁に画面が止まり、さらには黒い画面になってしまうことも良くあります。特にJリーグのサッカーの中継など日本の昼間に放送している番組をリアルタイムで見ると、動きの速い場面ほど画面が止まります。つまりゴール前のチャンスの時などが一番止まりやすく、ガッカリします。アメリカ側の速度の問題ではないかと疑っていますので、DSL をやめてケーブルにしてはどうかとも思いますが、ケーブルでアメリカの夜にどのくらいの速度を得られるかが不明のため、結論が出ていません。今の住所では DSL でこれ以上の速度は得られないと AT&T から言われているので、ケーブルの利用者を近所で探して夜の実効速度を調べる必要があります。なお速度のテストにはこちらを使いました。

追記 2007/10/27

LF-BOX1 のリモコンが鈍いという話を上に書きましたが、ある日とうとう反応しなくなったのでリモコンの電池を新品に換えてみました。すると結果は上々で、かなり遠くからでも使えるようになりました。つまり付属のソニーのボタン電池(CR2025)が最初から弱っていたのが原因とわかりました。電池が新品だと5m以上離れても使えますので、リモコンが鈍いという批判は撤回します。手元のフィリップスのユニバーサルリモコンと比べるとまだ弱いですが、もともと日本の家屋での使用を前提としているので、充分な到達距離だと思います。スイッチのチャタリングはそのままです。

追記 2007/11/09

パソコンのCドライブが故障のため使えなくなり、ディスクを取り替えました。そこでロケフリのプレーヤーソフトも再インストールしました。ここまではいいのですが、シリアル番号を入れて登録すると「この番号はすでに登録されています」ということで日本のロケフリに接続できませんでした。ほらね、だから言ったでしょう。ソニーさん、日本に行ってロケフリの登録を抹消しろと言うのですか? でも裏技を見つけました。古いレジストリに登録情報があるので、これをファイル経由で読み込みましょう。とりあえず登録は中止して、古いディスクからパソコンを立ちあげます。これをお読みの人は今すぐレジストリをファイルに落としておきましょう。以下の場所をファイルにエクスポートします。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Sony Corporation\LFX

ここにはシリアル番号と登録情報があります。次に再インストールしたほうのレジストリからLFX以下を消します。これでプレーヤソフトをシリアル番号なしで再インストールすると「お試し版」として登録できますので、このまま日本のロケフリに接続できることを確認します。リモコンのデータはロケフリからダウンロードしますが、ボタンの定義は古いディスクからUNIV0001.rcdをコピーします。これが終わったらプレーヤソフトを終了し、さきほどエクスポートしたレジストリファイルをインポートします。これで「お試し版」から登録済みに変わります。プレーヤソフトの引越しはこれで完了です。

追記 2007/12/10

ここ数日LF-BOX1の画像が途切れることが多くなり困っていました。他に思い当たるフシもないので試しに我が家の無線ルータのチャンネルを変えてみたところ、バッチリ良くなりました。2.4GHzルータのチャンネルは12個あり、最初の設定である6のまま使っていたのですが、どうやらご近所の無線LANとぶつかっていたようです。どのチャンネルが空いているかが簡単に分かるといいですよね。私のパソコンからは他に4軒ほどの無線LANが見えるだけで、それぞれのチャンネルまでは分かりません。もし無線LANをお使いで速度が遅いようでしたら、ルータのチャンネルを変えてみるのも手です。これには普通ルータのIPアドレスである 192.168.1.1 などに(有線で)ログインして行いますが、詳細はお使いの無線ルータの説明書をご覧ください。

追記 2008/01/20

地デジ対応について考えてみました。私のロケフリはアナログ放送しか受信できないので、2011年にアナログ放送が終了すると使えなくなってしまいます。実家のテレビも4台中3台はアナログ専門なので、これもすべてゴミと化します。2011年には大量のブラウン管テレビがゴミとして廃棄されるでしょう。エコに反しますね。たぶん地デジ対応のHDDレコーダをロケフリに付けるのが良さそうです。2011年になればそうした製品も値下がりするでしょうから、もうしばらく様子をみることにします。ただしケータイ用に作られたワンセグ放送なら仕様がロケフリと似ているので、安価な地デジ用ロケフリが実現できそうです。ワンセグだと最大500kbpsの速度があればよいので、今の私のロケフリの速度で充分です。またコピープロテクトもありません。ワンセグを日本で受信して、そのままデジタル信号をインターネット経由で転送すれば良さそうです。パソコン用の安価なUSB型ワンセグ受信機を利用して作れそうですが、どなたか挑戦していただけませんか。今度中古のPSXをロケフリに付けるつもりなので、PSXが使えるとさらに嬉しいですが、ノートパソコンでもかまいません。要はUSB機器をネットワーク経由で遠隔操作できるソフトが必要かと思います。とここまで書いてからネットで検索したら、そんなソフトがありました。これと無料Dynamic DNSを組み合わせれば実現できそうです。今度日本に里帰りする時にでもこのアイデアを試してみます。予算はUSB型ワンセグ受信機が1万円、それとUSB over IPのソフトがやはり1万円ぐらいです。ほかにはパソコンが実家とアメリカにそれぞれ1台必要です。でもワンセグのためだけに実家にパソコンを1台、電源入れっぱなしで置いておくのは実にもったいないので、BELKINのネットワーク対応のUSBハブを試して見ます。この箱はアメリカならば70ドル位で購入できますが、日本では売っていないようです。アイソクロノス(等時性)デバイスをサポートしている点に期待しています。

追記 2008/03/28

日本側についにソニー製 HDDレコーダを設置しました。中古のPSX DESR-5000 というものですが、これがすばらしいのなんのって。今まで VHS VTR しか使ったことのない私には、魔法の箱のように見えます。テープの劣化は気にしなくていいし、番組表から予約できるし、録画したものの頭出しはすぐできるし、番組名も自動で付くし、いっぱい録画できるし、音は静かだし。アナログ入力のみですが、ロケフリとの相性は抜群です。外部機器がソニーの製品だと、リモコンボタンがちゃんと全部定義されているので使い勝手がいいです。ただしソニーの製品は中古でもあまり値下がりしないので、悩むところではあります。予算は3万円でした。ここで HDDレコーダを使う上での LF-BOX1 の良い点を書きます。なんと HDDレコーダのリモコンがアメリカからそのままロケフリ経由で使えるのです! つまり最初に LF-BOX1 のリモコンで入力先を HDDレコーダにすれば、あとは HDDレコーダに付属のリモコン(前もってアメリカに持ってくる)で HDDレコーダを操作できます。これってパソコン上のプレーヤソフトを超えてますね。 LF-BOX1 のリモコンはカーソルを上下左右に動かして選ぶタイプなので、万能だけど使いにくいものです。しかし外部機器専用のリモコンが使えるとなると、使い勝手でこれに勝るものはありません。LF-BOX1 の本当の価値はここにあったかと見直しています。ロケフリにはぜひ HDDレコーダをご用意ください。もちろんソニー製でなくても使えます。日本のお知り合いから安く譲ってもらうのがいいでしょう。

追記 2008/05/11

HDDレコーダをしばらく使ってみての感想です。番組表があるので予約がぐっと楽になりました。またテープの残りを心配する必要もなく実に重宝しています。その反面、再生中にPSXが止まってしまったことが今までに2回ありました。そのたびに日本の実家に電話してPSXの電源を入れなおしてもらいました。再生中に早送りしたり止めたりするとタイミングによってはバグるようです。PSXが目の前にあれば簡単にリセットできますが、日本とアメリカに離れているとそうも行きません。PSXのソフトは最新のバージョンにしてありますが、それでも一月に一回ぐらいの頻度で起きます。家電のソフトも複雑化してテストが追いつかないのでしょうか。バグったらリセットしてくれというのでは、一昔前のパソコンにあったリセットスイッチを思い出します。家電もソフトが使い勝手や性能を左右する時代になったのですから、出荷前のテストでは手を抜かず、出荷後はソフトの定期的なアップデートでまじめにバグをつぶして欲しいものです。せめて赤外線のリモートコントロールで電源だけでも切ることができれば、ロケフリ経由でリセットができるのですが。新しい地デジ対応のHDDレコーダを買うまであと3年は使うつもりなので、アメリカからリセットする方法を考えなければなりません。外部入力1のAVマウスを使って電源を切る装置を用意するつもりです。これからHDDレコーダをロケフリに買われる方は、ぜひバグの少ない機種を選んでください。海外から使用中に止まってしまうと悲惨です。店頭では分からないので、利用者のクチコミを調べるといいかと思います。

追記 2008/07/13

ここ1ヶ月ぐらいネットワーク速度が出ません。学校が夏休みに入ってインターネットの需要が増えたためでしょうか。家で他に誰も使っていないときでも、ロケフリのレートが4では画面が止まることが多く困っています。朝の数時間は良いのですが、昼ごろから夜中まではレートを2に下げないと止まることが多く、DSLの限界を感じています。毎月30ドル余計に払ってケーブルにするか、夏の間だけ我慢するか悩むところです。東京のように家屋が密集していればDSLも速いのですが、アメリカのように家がまばらで電話局から遠くなるとDSLは不利ですね。地元ではDSL1社とケーブル1社の合計2社しかインターネットのサービスがなく、あまり競争がありません。ロケフリは長時間使うことが多いため、月間のデータ転送量は意外と大きくなります。平均500kbpsで毎日3時間使うと、ひと月で16TBになります。最近はAT&Tも従量制の課金を検討しているとの報道もあり、我が家はヘビーユーザーに分類される可能性があります。でも、それによってネットワーク速度が全体として抑えられるのであれば、従量制もいいかなと思います。レートが4で画面が止まらない速度をいつも得られるなら、毎月あと10ドル余計に払ってもいいと考えますが、ケーブルにすると今の倍の料金になるので悩むところです。

追記 2008/11/11

PSXはロケフリ経由でリセットできるようにしたので、フリーズを気にせず使えるようになりました。インターネットのスピードはいまだに不十分ですが、不景気になって出費も抑えているのでDSLで我慢です。レートを自動にして画質よりも画面が止まらないことを優先しています。ドラマの変わり目などで、油断しているといつもの番組の開始時間が遅れたりすることがあり、毎週予約していても最後が切れてしまう事があります。長めに録画予約しておけばいいのですが、PSXも頭を使って番組の開始時間が遅れたら追従してほしいものです。

さて話は変わりますが、アメリカは来年2月でアナログ放送終了です。我が家はすでに地上波で無料のデジタル放送を受信しています。まわりのアメリカ人に聞いてみると何も対策をしてない人が多くて意外でした。ケーブルを使ってアナログテレビのまま使い続ける人が多いのでしょう。ここらではデジタルチューナー内蔵の薄型テレビとUHFのアンテナがあればデジタル放送は簡単に受信できます。コンバーターも50ドルぐらいからあり、政府が40ドルのクーポンを配っているので、あえてデジタルテレビに買い換えることは不要でエコかもしれません。先日デジタルチューナー内蔵のHDDレコーダーを買ったので、ついにVHSレコーダーの電源もコンセントから抜きました。

追記 2009/05/23

インターネットの速度が倍になりました。それにつれて画面が止まることもほぼ半分に減りました。これから夏休みに近づくので、この時期にDSLの速度をひとつ上の契約(毎月$35)に更新できたのは嬉しいです。公称6Mbps実質3Mbpsぐらいでしょうか。日本からのダウンロードではピークで3Mbpsを超えました。一方日本のケーブルテレビ会社は、アナログテレビ信号を2011年のアナログ停波後も数年続けるそうですので、当分はPSXで用が足りそうです。アメリカも来月にはいよいよ地上波アナログ放送終了ですので、AT&Tがチャンスとばかり光ファイバによるデジタルテレビでケーブル会社と戦っています。光ファイバによるインターネットをテレビ契約なしで提供してくれれば、こちらは今すぐにでもDSLから乗り換えるのですが、AT&Tとしてはテレビサービスのほうが大事なのでしょう。いまのところテレビ契約と抱き合わせでしか光ファイバでのインターネットは申し込めませんので、しばらくDSLを使い続けることにします。

追記 2009/09/27

アメリカの地上波アナログ放送終了は無事終了し、地上波はデジタルのみとなりました。それにしても日本の場合、なぜアナログを止めてデジタルにするのかの説明が曖昧ですね。アナログで使っているVHF帯の電波を他に使いたいので、今はあまり使われていないUHF帯の電波を使い、なおかつ圧縮が可能なデジタルにすることで電波の有効利用を計るのが目的なのに、やれHDだとか双方向だとか視聴者にあまり意味のない事を言っています。またデジタルにするとコピープロテクトをかけやすくなるので、それも隠れた目的だと思います。こうしたデジタル化の本当の目的を曖昧なままにしておくのは、移行にともなう出費を税金でまかなう事になるのを恐れているからでしょうか。今度スーパーのイオンが、地上波のみに機能を絞ったコンバータを4980円で売り出すそうなので、希望者に5000円のクーポンを税金で配るぐらいの作業は必要でしょう。2011年にアナログテレビが大量にゴミとして処分されるのは極力避けるべきで、また十分避けられる話です。アメリカの場合、住所と名前をウェブで登録すると40ドルのクーポン券(カード)を郵送してきましたが、日本も類似の対策が必要です。役所に行くと世帯主の証明と引き換えに渡すとか、ウェブがなくても低コストでアナログな方法があると思います。デジタル化で空いた電波を利用する場合、その使用料を政府は取るわけですから、そこからクーポンの代金をまかなったらどうでしょうか。

追記 2010/06/26

日本のDVDレコーダを地デジチューナ2個内蔵のソニーRDZ-D800に変えました。これで来年アナログ放送が終了しても日本のテレビを続けて見ることができます。ヤフーオークションで39,000円でした。HD画質の地デジをアナログに変えてロケフリを通し、ワンセグ並みの画質まで落としてアメリカに送っています。ロケフリが扱えるアナログ画面は320x240ピクセルなので、横長の地デジは上下に黒い帯が入るレターボックス表示となり、情報量としては実はアナログよりも落ちています。そのくせD800がアナログビデオ信号に複製不可の信号を載せているので、そのままではアメリカ側でHDDレコーダに録画はできても、DVDに焼くことはできません。まったく業界全体でムダな手間をかけるものです。幸いアナログビデオ信号から映像信号以外を取り除く画像安定化装置が日本で売られていますので、こうした機械の出番となります。なおD800の地デジ番組表は横長で読みやすく、またチューナが2個あるので裏番組も同時に録画できて、PSXより使いやすくなりました。毎週録画するドラマなど、ドラマの名前ごとに録画したものがまとめて表示される点も気に入っています。

さてこれほど便利なロケフリですが、残念なことにソニーはとっくにこれを製造中止にしています。したがって今からですと、オークションなどで中古品を手に入れることになります。一方ロケフリ以外で日本のテレビを見るには、「みんテレ」なるUSB用ワンセグチューナを使うという方法があります。P2Pで日本のテレビを海外でも視聴できるという触れ込みです。P2Pというのは使う人が多ければ多いほど便利になるので、ものは試しとこれを日本で手に入れてアメリカで使ってみました。ソフトをPCにインストールすると簡単に動きましたが、全部のチャンネルをいつも視聴できるとは限らないようです。ちなみにお値段は36,800円でした。ワンセグはフレームレートが低いので、動きが少しギクシャクするのは仕方ありません。録画も予約はできませんが、番組を見ながらでしたら可能です。

普通のワンセグ用チューナなら1万円以下で買えますので、そうした安価なチューナにネットワークUSBハブの組み合わせを試してみました。ところがチューナがパソコンのUSBポートに直接つながっていないとだめらしく、ネットワークUSBハブは使えませんでした。またインターネット経由で使えるネットワークUSBハブに良いものがありません。パソコンを常時電源オンで日本に置いておける人なら、パソコンのHDDに録画できるので安価なワンセグチューナでも可能でしょう。でも上記の「みんテレ」なら、手軽に日本のワンセグを視聴できるという点で十分合格です。

追記 2011/01/06

昨年暮れにみんテレの社長が逮捕されたとかで、この方法で日本のテレビを視聴するのは現在できないようです。この会社にあるチューナーでワンゼグを受信してP2Pで配信していたらしく、このサーバーが止まっています。もしこのサービスが再開されないと、えらく高価なワンセグチューナーを買ったことになります。

追記 2011/03/19

インターネットの接続方法を変えました。今まではATTのDSLでしたが、それをATTのU-Verseに変えました。このサービスにはインターネットの他にテレビと電話のサービスもあります。でもほしいのは高速インターネット接続だけだったので、最近インターネットだけのサービスが可能になったのに気づいて申し込みました。日曜日にオンラインで申し込んで、翌日には接続工事に来てくれました。でもその日には接続ができなくて、火曜日の夕方やっとつながりました。このサービスはDSLとの置き換えになるので、メールアドレスは変わらないものの、今まで使っていたDSLモデムとルーターは不要となりました。家の近くまで光ケーブルで引いてきて、最後の100メートルぐらいは電話線を使っているようです。始めに新しいモデム兼ルーターに$100、工事費に$149かかります。月額$45のところ最初の12ヶ月は$30です。公称12Mbpsに対して少なくとも11Mbpsは確認できました。さすがにブラウザのページ更新は目に見えて速くなりました。ロケフリ経由のテレビ受信も途切れる事がなくなり、サッカーのゴールシーンも問題なく受信できます。これでようやくロケフリの実力を発揮できる環境になりました。安定したテレビ受信のためには、公称12Mbpsぐらいの速度が必要らしいです。DSLとあまり変わらない月額料金なので、このサービスが使える場所にお住まいの方にはおすすめします。比較のためにcomcastのケーブルでインターネット接続している家でロケフリを使ってみたところ、受信具合に差はありませんでした。ケーブル経由でのインターネット接続もロケフリには良いと思います。

追記 2021/10/04


あれから10年後、まだロケフリは手放せません。2011年にパソコンをIntel MacBookに変更し、VMWare Fusionを使ってWindows XPを立ち上げ、その上でロケフリのプレーヤーを動かして何年も経ちました。同じマックを10年も使ったので、今年は思い切ってM1 MacBook Airを手に入れ、ロケフリに再度挑戦しました。


ARMのパソコンで古いWindowsプログラムを動かす方法は二つあり、WINEを使うかUTMを使うかです。WINEはもともとWindowsプログラムをLinuxの上で動かすAPIライブラリとして生まれ、今ではLinuxだけでなくmac OSの上で動くバージョンもあります。CrossOver 21 for IntelがM1 MacでRosetta2経由で動くので、最初はこれを試しました。ロケフリはDirectX 9.0cを使うので、pre-XP Games用のDirectXを使ったものの、画面は黒いままで音だけ確認できました。もっと新しいDirectXライブラリも試しましたが、こちらは初期化に失敗してロケフリが立ち上がらず、結局あきらめました。CodeWeaverがM1 Mac用にDirectX 9.0c emulatorを移植するまでは無理そうです。そのかわりUTMというエミュレーターは成功しました。Mac App Storeで$9.99で売っているので、値段もCrossOverよりも安くインストールも簡単です。こちらはWindows XPのISOイメージを必要とするので、ネットで検索してダウンロードすると使えます。どうせマイクロソフトのアップデートは不要なので、登録する必要もありません。ロケフリをお試し版として立ち上げ、レジストリを更新して完了です。エミュレーターとはいえ十分速いので、ロケフリが問題なく動いています。ハードの進歩とエミュレーター技術のおかげです。

トッ