東京逃亡者調査研究委員会による調査対象人物、松坂鶏太郎についての調査研究報告。
□ 松坂鶏太郎(まつざか けいたろう)
今は亡きと思われる、東京浜石区の食肉処理場の創立者。
彼の遺言が残された石碑は食肉処理場の地下に置かれており、その場は施設内の権威ある重要地点として厳戒に警備されている。なおこの石碑文には、その厳格な雰囲気にも関わらず、文の書き出しが「こんにちは」となっている点で、主人公を爆笑させ警備員の警戒心をより一層強める事になった。
かつて封権時代で言う所の身分制度である士農工商の、そのさらに下の穢多・非人(えた・ひにん)と同等の様な身分で近代を生きていた様だが、長い放浪中において浜石区で極度の栄養失調状態で倒れて意識を失った。
一度は死んだと思っていた彼であるが、意識を取り戻した瞬間に目の前に広がっていたのは、これまでの情景ではなく迷宮であった。
それは、この世の全ての鶏を治める存在「鶏精霊」(けいせいれい)が、いにしえより4匹の魔物に囚われる迷宮であったが、ここで松坂鶏太郎は意を決して迷宮から鶏精霊を救い出す。
ここで彼は、鶏精霊から感謝され、自らの種族である鶏を、人間の食料として提供する事を約束された。これにより松坂鶏太郎によって、この浜石区に食肉処理場が建設され、国内に重要な食材が供給される様になったのである。
夢の中の世界では、始め鶏の姿として登場し人間の姿に変身する。鶏と人間の声を合わせたかの様な声を出す。
物語では、松坂鶏太郎自身が、過去に体験した鶏精霊救出の場面を主人公にも体験させ様とするのであるが、そこでさまざまな支障が発生する・・・。
(なお制作側によると松坂鶏太郎の、その場の雰囲気に合わない発言「こんにちは」は、かつての実在プロレスラー「ラッシャー木村」が引き起こしたプロレス史上事件「こんばんわ事件」(1981年)をモチーフにしたオマージュであると言う。)
(製作中)
東京逃亡者調査研究委員会