大学は、多様な専門をもつ教員を集めることによって、成立する機関である。それは丁度、書店が多様な書籍を集めることによって成立するようなものである。書籍は多様であり、個性的であるからその意味をもつ。とても書籍の内容を統一のフォームで表現することは出来ない。インターネット書店ですら、様々な制約の中で、その本の個性を伝えようと努力する。それが、本を選択する読者にも、作者にも都合が良い。
統一シラバス講義や、シラバス形式の統一は、無意味に個性の表現を制限するものである。とくに、講義の進め方やとらえ方に対して、一つの考え方を柔らかく強制している。講義のすすめかたは、講義の内容によって変化する。それは経験と、専門性から判断するしかない。それが、受講者にとって、もっとも利益になる。
講義と学術研究を、学問的に判断のみに従わせることを、学問の自由(アカデミックフリーダム)という。シラバス形式の統一はアカデミックフリーダムの侵害である。