澤田ゼミの活動は、
①開発経済と計量経済の知見を習得し、②きちんとした実証研究を行えるようになることを目的としており、開発経済学の学習と、それを実際にアウトプットする機会とによって構成されています。
2023年度はSセメスター、Aセメスターともに金曜4.5限に開講予定です。
以下では活動の概要と過去の活動記録を記します。(写真はこちら➡ギャラリー)
下にスクロールすることで見られます。
1. 10分プレゼン
その週の担当になったゼミ生1人が、途上国の開発に関する問題意識をもとに、話題のトピック・ニュースを取り上げて、プレゼンをします。プレゼン後は、ゼミ生全員で議論し、意見の出し合いや学問的考察を行います。
2. 開発経済に関する教科書・論文の輪読
学期ごとのテーマに沿って選択された教科書や論文を、毎週数人が発表し、疑問点の解決や考察を行います。
特に、論文を一字一句理解するというのではなく、モデルの背景にある本質や、その現実的妥当性について議論します。また、論文に関連した開発に関するトピックについて少人数でのディスカッションを行います。
3. 計量経済学の学習
開発経済学においては、理論モデルの議論に終始するだけでなく、フィールド調査によってデータ収集をし、それを計量的に分析することが一般的です。
そのため、澤田ゼミではSセメスターに教科書を用いて計量経済学の知識を習得します。
また、実際に自分でデータを用いた分析が行えるようにするため、RやStata、Matlabなどの統計分析ソフトの使い方を学びます。
2021年度は、計量経済学の標準的な教科書の一つである、西山・新谷・川口・奥井「計量経済学」を用いています。
なお、「開発経済学Ⅰ」、「計量経済学Ⅰ・Ⅱ」の受講を推奨しています。
1. フィールドワーク
ゼミでの開発経済学の学習をアウトプットする機会として、澤田ゼミでは毎年夏休みを利用した途上国へのフィールドワークを実施しています。これは、ゼミ生による主体的な活動であり、行き先の決定から現地の滞在場所、通訳の募集などもゼミ生が行っています。
春先には、班ごとに興味のあるテーマについての先行研究を読み漁り、問題関心を深めたり研究の手法について学んだりしています。ある程度関心が明確になってきたら、仮説を設定し、研究の意義・関心・分析手法・注意点といった事項を、「リサーチデザイン」と呼ばれるものにまとめます。
ここまでは4年生が活動を牽引しますが、3年生も研究の手続きやデータ分析の手法を学びながら、活動への主体的な参加が求められています。
途上国には、例年8月~9月のうち2、3週間を使って訪問していますが、時期はゼミ生や訪問先の都合により変動する可能性があります。帰国後は、現地で得られたデータ・知見とリサーチデザインを基に、論文執筆と発表準備に入ります。4年生も一人ずつ3年生のサポートにつくものの、ここからは3年生が主だって行います。データを分析し、期待した結果が得られようとも得られずとも、論文の執筆にあたって研究の位置づけを行うために、適宜先行研究を調べる作業も行います。出来上がった論文の内容は、後述の韓国インゼミで発表します。
ちなみにフィールドワークはこれまで、タイ、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、モンゴルなどで行ってきました。
2. インゼミ
10月に一橋大学、早稲田大学とインゼミを行っています。3年生がフィールドワークの概要や研究の途中経過を報告します。
11月にソウル大学、延世大学、高麗大学、梨花女子大学、早稲田大学、慶応大学、一橋大学、京都大学、東京大学などが韓国の大学に集い、発表と討論会を行っています。
毎年、澤田ゼミはフィールドワークから得られた成果を発表しています。
《過去の研究成果》
2024年 Challenges in Public Transport Modernization: Evidence from Filipino Jeepney drivers
2023年 Drone Adoption in a Thai Village: Who and Why?
2022年 Are Tricycle Fares Fair? Findings on Binding Boundaries on Tricycle Markets
2019年 Government Effectiveness on Political Support: Case of Disaster in Vietnam
2017年 The Effect of Social Influence of Farmers' Intention to Buy Flood Insurance : The Evidence from Randomized Control Trial from Hue, Vietnam. (保険) 準光石賞受賞、詳細はこちら
2016年 Can Conditional Cash Transfers Make Psychosocial Change? Evidence from the Philippines. (教育)
2015年 Is there Quality-Quality Trade Off? The Impact of the Number of Children on Their Health Status. (保健)
《2013年以前の活動記録》
2006年度活動記録