ヒトは初め自分の存在に気がついた生物と述べました。
それは、環境に気づいたから、自分に気づいたのです。
すなわち、他に気づいたから、自分に気づき、
群れの中の自分に気づいたのです。
自分に気づいたときから、人格を持とうとします。
それは、経験から、自分の人格を作ることです。
人格を作ることによって、外の環境への対応をパターン化します。
対応の効率を上げ、自分を正当化して、ストレスを受けにくくします。
そのために、今までに出会った者の人格を、おおよそ真似(まね)て作ります。
しかし、真似しきれるものではありません。
何となく真似た状態で、結局は、自分でも自分がよく分からないまま、
それなりの人格を作り上げていきます。
その人格が、絶えず見直しされるなら、研鑽(けんさん)され成長するでしょう。
しかし何の後悔も反省もなく、人格をそれでよいと固めてしまうと、
それは以前に述べた、「業(ごう)」または「宿業(しゅくごう)」と
なってしまいます。
「業」に捉(とら)われると、心は萎(ちぢ)み、砂のように乾いて、
何の潤(うるお)いもなくなってしまいます。
しかし、心が確立し成熟したときは、もう人格を見直す必要はありません。
人格は完成されたのです。
完成された人格を疑ってはいけません。
あなたはその人格を守り、従うのです。
あなたはあなたのスタイルを演じるのです。
心から演じるのです。
それは決して、あなたの「業」にも「宿業」にもなりません。
それは、あなたを捉えるものでなく、あなたを導くものだからです。
あなたはあなたの人格を信じます。
その取るべき人格をふたたび掲げます。
(1)堂々としていること(泰然性)。
今の自分が、出来うる限りのベストであると開き直って、自分を信じ、
迷わず、どんな事態にも堂々と対処するという覚悟(かくご)が必要。
あなたの取るべき、正しい基本の姿勢です。【愚念】
(2)自分を律する(毅然性)。
秩序を保つためには、ある程度、欲求を断たなければならない。
あなたの取るべき、正しい攻めの姿勢です。【脱念】
(3)円滑化を心がけること(整然性)。
誠意は、ものごとの円滑化を進める。
あなたの取るべき、正しい構えの姿勢です。【悟念】
(4)ストレスを溜(た)めない(裕然性)。
ストレスを溜めないためにも、ある程度の諦めが肝心。
これらがあなた取るべき、正しい守りの姿勢です。【諦念】
あなたが、その人格を徹(てっ)すれば、
あなたの、その人格をけなす者たちが、きっと現れるでしょう。
それは、心が未確立、未成熟か、心が乾ききった者たちです。
おそらくあなたは、彼らに侮(あなど)られるでしょう。
「慈愛のシステム」は、空回りを続け、
「プライドのシステム」は、あなたを孤立させる。
あなたは「お人好しだ」と利用され、
あなたに無理難題を押し付けるかもしれない。
しかし、怯(ひる)んではいけない。
あなたは一人だが、神が付いている。
あなただけの神。
あなただけの神のシステム。
あなたの人格は、神が導いたものだからです。
あなたの神は、あなたを守る。
あなたの神は、あなたを癒(いや)す。
あなたの神は、あなたを導く。
あなたの神は、あなたの願いを叶える。
大いなるパワーが、あなたを覆(おお)っている。
あなたがそれを確信したとき、
あなたは、真の大人となる。
あなたは、大きな視野で、ものごとを見ることが出来る。
あなたは、優しくものごとを扱うだろう。
プライドは優しさだ。
真の大人は、優しい。
優しい人は、優れた人である。
(2010年9月1日)