虫えい

ゴール(Gall)とは、さまざまな生物の刺激によって植物の葉や枝、果実などに形成される構造物のことです。ゴールを形成する生物には、昆虫、ダニ、線虫、菌、ウィルス、細菌などがあり ます。これらの生物は、美味しい食べ物や快適な住み場所を得るために、通常の器官とは物理化学的にも非常に異なるゴールを植物に作らせていると考えられて います。昆虫によるゴールを「虫えい」や「虫こぶ」と呼んでいます。

ゴールは、その形成を誘導する生物以外の他の生物にとっても、魅力的な資源である可能性があります。実際、さまざまな生物がゴールに住み込んだり食べたりして利用しています。

ゾウムシや蛾、ハエの幼虫が他種のゴールを餌として利用していることを明らかにしてきました。

関連する研究成果

杉浦真治・山崎一夫(2012)虫えいをめぐる昆虫群集. 種生物学研究, 35: 101-120. 「種間関係の生物学:共生・寄生・捕食の新しい姿」(種生物学会編 川北篤・奥山雄大責任編集)

Sugiura, S. (2010) Associations of leaf miners and leaf gallers with island plants of different residency histories. Journal of Biogeography, 37(2):237-244.

Sugiura, S. and Yamazaki, K. (2009) Gall-attacking behavior in phytophagous insects, with emphasis on Coleoptera and Lepidoptera. Terrestrial Arthropod Reviews, 2: 41-61. (Invited review)