研究内容

香川大学 教授 荒川 雅生

日本計算工学会の多目的最適化設計・満足化設計に関する研究分科会は、初代主査 甲南大学 中山弘隆名誉教授のご指導のもとで、この手法を具体的に産業界に利用していただこうというコンセプトで調査、研究を進めてまいりました。

分科会では、中山名誉教授が開発された満足化トレードオフ法の解説から始まり、委員間の協議の中で,最適化に関する様々な手法の開発に寄与してまいりました。

以下、これまでの研究内容を簡単にご紹介いたしますと、

  • 領域適応型遺伝的アルゴリズム

  • 領域遺伝型遺伝的アルゴリズム

  • データ包絡分析法を利用した多目的遺伝的アルゴリズム

  • データ包絡分析法を利用した特徴分析法

  • データ包絡分析法を利用したトレンド分析

  • データ包絡分析法を利用した事業計画の順位決定法

  • データ包絡分析法を利用したがけ崩れの予測方法

  • RBFネットワークを利用した近似最適化手法

  • SVRを利用した近似最適化手法

  • RBFネットワークを利用したがけ崩れの予測方法

  • ACOを利用した経路探索手法

  • 離散型DE

  • 人間工学におけるモデル化

  • エージェント型PSO

などがあげられます。いずれもこの分科会から緒を発し、企業側の委員の必要性に応じて学術側委員が基礎を提供、手法を確立するというふうに進めてまいりました。

企業人と学識経験者とが手をとりあうという意味において、この分科会は最適化の研究に関するある種のサロンであろうと思っております。永年同じ委員で継続したこともあり、互いに敬意を払いつつも忌憚のない意見が出る場であり、最適化の研究に関しましては もっとも有意義な場であろうと確信しております。

なお、学術側委員は、本分科会にて話題を提供した講師のなかで本分科会の主旨に賛同して頂ける方に参加をお願いしております。

定例の活動としましては例年、年に3回ほどの分科会を開催し、話題提供とディスカッションを行っております。またディスカッションの内容はメモとして共有されております。