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島袋研では、次の2つの研究を進めています。
1)細胞が動く仕組み
顕微鏡をのぞいて、細胞が動く様子を見たことはありますか? 細胞は、いろいろな動きを見せます。例えば、微生物の一部には、細胞から生えている”しっぽ”をスクリューのように回転させ、泳ぐものがいます。そして、細胞の形を自在に変形させて動く、アメーバという微生物もいます。島袋研で研究しているのは、このアメーバのような動きで、一般的にアメーバ運動と呼ばれるものです。
アメーバ運動は、微生物だけのものではありません。人間や動物の体の中にも見られる、大切な生命現象です。例えば、免疫細胞が体内に侵入した微生物を退治するために、アメーバ様に動き、巧みに外的を捉えます。また、意外なことに、アメーバ運動はガンにも関わっています。不幸にもガンが進行し、末期に至ると、転移が起きます。転移とは、ガンが体中に広がってしまう現象です。転移の原因1つは、ガン細胞がアメーバ運動で動くためだとされています。
このように、アメーバ運動は微生物から病気まで、生物の至る場面で登場します。
では、アメーバ運動する細胞は、どのような仕組みで動いているのでしょうか?
残念ながら、その答えはまだ完全にはわかっていません。確かに、分子生物学の発展やイメージング技術の進歩により、説明できる部分も増えました。しかし、まだ理解が十分ではありません。特に、「アメーバ運動を作る」ことが、まだできていません。何かを理解することを、それを作り出せることです。物理学者のファインマンの言葉です。
島袋研では、この細胞がアメーバで動く仕組みを解き明かし、究極的にはその現象を人工的に再現させたいと考えています。そのため我々の研究室では、線虫類の精子という、一風変わった材料を使って細胞の動く仕組みを研究しています。
2)見る、そして伝わる技術
昔から百聞は一見に如かずというように、説得力のある映像は、どの言葉よりも伝える力を持っています。島袋研では、近年急速に発展してきたイメージング技術を研究に積極的に取り入れています。
具体的には、光学顕微鏡と電子顕微鏡の長所を組み合わせた、相関顕微鏡法を応用しています。相関顕微鏡を使えば、微生物や細胞が生きていた時の様子、その立体構造を細かくとらえることができます。
見て伝えることができる、ヴィジュアル系の研究を一緒にやってみませんか?
What's new ?
2023年3月 科研費基盤Cに採択されました
2021年2月 第18回オンキヨー世界点字作文コンクール 優秀賞(成人の部)を受賞しました
2021年2月 『福祉研究』に寄稿しました
2020年11月 『生物物理』の学会におけるダイバーシティに寄稿しました
2020年2月28日 2019年度ちゅでん教育助成に採択されました
2020年2月2日 NHKラジオ第二に出演しました
2019年11月 第54回NHK障害福祉賞に入選(佳作)しました
2019年5月 第35回 (2019年度) マツダ事業助成に採択されました
2019年5月 toastmasters Best Table Topic Speaker Awardを受賞しました
2019年2月 isee! "Working Awards" MIP 賞を受賞しました
2018年9月 Biophysics and Physicobiology Editors' Choice Awardを受賞しました
2017年8月 島袋が分担執筆を担当した「分子マシンの科学 ( CSJ: 26) 」が出版されました
2017年5月 論文がBiophysics and Physicobiologyに掲載されました
2016年12月 論文がInt. J. Syst. Evol.に掲載されました
2016年4月1日 科研費(挑戦的萌芽)に採択されました
2016年2月18日 東京工業大学基金教育研究助成に採択されました
2016年1月17日 小学校でキャリア講演を行いました
2014年2月25日 「第27回ノバルティス研究奨励金」に採択されました
2013年9月20日 総説が「生物物理」に掲載されました
2013年4月3日 科研費 新学術領域「運動マシナリー」の公募班に選ばれました
2012年9月23日 島袋が第50回日本生物物理学会年会において、若手奨励賞を受賞しました
2012年4月1日 島袋が宇部高専物質工学科の講師として着任しました