20+30=50になるのは・・・

算数の学習は積み重ねです。

今までに学習してきたものを使って、新しいものを生み出していきます。

そして、新しく生み出されたものが新しい知識や技能となっていきます。(ただし新しい言葉などは除きます)

2年生で「何十」+「何十」の学習をします。

ここまでに学習しているたし算は「何+何」だけです。これを使って説明することになります。

黒板に

「20+30」

と書いて、子どもたちに答えを聞くと

「50」

と答えられる子がたくさんいます。

ところが

「何で50になるのか教えてくれるかな?今までに学習したたし算は「何+何(黒板には「○+○」と書きます)だったから何とかこのたし算にかえて説明してほしいんだけどな。」

と聞くとたいがいの児童は

「20の0と30の0をとって、2+3=5。0を戻して50」

と答えます。

そこで,意地悪く?

「0って、勝手にとったり付けたりしていいんだっけ?」

「20の0と30の0をとったんなら、0を2つ戻さないといけないんじゃないの?」

と質問をぶつけます。

最終的には「20は10が2つ」「30は10が3つ」「10が2つと3つだから、2+3=5」「10が5つだから50」

と説明します。

20+30=50

10が2+3=5

と板書します。

もちろん実際の計算をするときには、いちいちこんなことをしていては時間がかかってしまって困りますから、十の位同士を足すという二位数+二位数の足し算の筆算につながっていき、既習事項として簡略化していきます。

ただ、この「○○がいくつ」という考え方は凄く大切な考え方で、いろいろな場面で活用されます。

たとえば「0.2+0.7」の説明は「0.1が2+7」、また、20×3も「10が2つあってそれが3つ分だから2×3=6で10が6つだから60」というようにです。

このように算数の世界には「次に使える考え方」がたくさんあります。

計算などが「できる」ことも大切ですが、このような「考え方」の引き出しをたくさん持っていることが次の問題を解決する力となるのです。

そして、「今までに身につけた知識や技術を使って新しい課題を解決していく」ということは、仕事のしていく上で絶対に求められる力なのではないでしょうか。