著者 恒川 光太郎
4.4 5つ星のうち 224 カスタマーレビュー
ダウンロード夜市無料PDF恒川 光太郎 - 妖怪たちが様々な品物を売る不思議な市場「夜市」。ここでは望むものが何でも手に入る。小学生の時に夜市に迷い込んだ裕司は、自分の弟と引き換えに「野球の才能」を買った。野球部のヒーローとして成長した裕司だったが、弟を売ったことに罪悪感を抱き続けてきた。そして今夜、弟を買い戻すため、裕司は再び夜市を訪れた――。奇跡的な美しさに満ちた感動のエンディング! 魂を揺さぶる、日本ホラー小説大賞受賞作。
以下は、夜市で最も役立つレビューの一部です。この本を買うか読むかを決める前に、これを検討する必要があるかもしれません。 主人公が、弟を夜市で売ってしまいます。ただ、弟を手放したことが騒動になるかというとそんなことはなく、その後の現実世界は変質しており、弟がもともと存在していない世界になっています。そこで、主人公は罪悪感を抱き続けています。しかし、世界が変質してしまうと、弟はもともといなかったんじゃないか、弟のことは全部夢だったんじゃないかと思う筈だ、と思う自分と、罪悪感を抱き、精神的に引きずり続ける主人公は何が違うのだろう。自分は合理的なのか、自分勝手なのか。罪悪感の重さに、もし主人公が精神病になっても、医者からは「弟がいたなんていうのは、あなたの妄想ですよ」と診断されるのは明らかです。それなのに、主人公は弟を取り返そうと夜市に入ろうとする、そこがよくわかりません。弟の生死も不明なのに。兄弟愛の描写とか、弟がいないと困るという描写でもあればよいのですがそういう描写は一切無く、最初の時点で主人公の考え方の描写が不十分だと思います。ただ、弟が生き延びた経緯や、夜市という設定など、魅力的な物語であることは認めます。併録の「風の古道」は、死者を物理的にずっと引きずっています。この作品の一種の懐かしさ、爽やかさを感じさせる作風は、「夜市」以上に魅力的ですが、この作者が、この後の作品で時折見せる暴力描写もすでにここにあり、この作者の二面性をよく表していると思います。 複雑に入り組んだ、奇妙な世界の住人たちが魅力的。 五歳児には泣くことしかできない。しかし試練を乗越え、無関係なはずの、他人を救助するほど成長した心の強さはすばらしい。対照的に、欲しいものを望むことすらできない程、弱っている、兄。彼にとって、「弟」の件は逃れられない呪縛だったんですね。 どこにでも続いていく古道の住人達もミステリアスで引き寄せられます。殺人鬼は、困った奴ですが、個性的な宿泊客たちがいいですね。思いがけず、出生の秘密を知ることになってしまった、牛車の旅人は、どんな映像を見てきたんだろうかと、惹かれます。 Tags:夜市PDFダウンロード夜市PDF夜市のePub夜市ダウンロード夜市オーディオブック夜市ダウンロードブック夜市発売日夜市試し読み夜市ネタバレ夜市amazon夜市download夜市kindle