強迫性障害の治療

・OCDの精神療法

・OCDの薬物療法

◆ OCDの精神療法

1 OCDへの介入

強迫性障害への介入はその手法によって大きく5つのグループに分けることができます。それらは、(1)行動療法系、(2)認知療法系、(3)精神分析系、(4)集団/家族療法系、そして(5)薬物療法系です。これらのグループはそれぞれ、介入の強調点をどこに置くかによって分類されています。前述の強迫性障害の4つの部分と重ね合わせて考えると理解しやすいです。また、それぞれのグループを分けているのはこの障害に伴う不安の扱い方であることも付け加えておきます。表は不安と介入の関係をまとめたものです。

<OCDについて研究から言われていること>

OCDに苦しむ人々がはじめてOCDを経験してから治療を受けるまで平均時間は7年

OCDは効果的な介入を行えば必ず回復するが、現時点では慢性障害と考えられている

記憶に残されている回復率には幅があるが、自然回復率は25%

行動療法、または行動療法と薬物療法による治療の回復率はおよそ90%と高い

薬物療法のみを受けた60-80%が症状の改善を見ている

薬物療法のみの場合、回復しても70-90%が再発している

行動療法を受けた者の80-90%は明らかな回復があり、75%は長期的な症状の改善が見られる

症状が改善した者の内、20%に再発が見られた

行動療法の最大の問題点はOCDで苦しむ者の25%は行動療法を行うことを拒否すること

実際の行動療法からの回復率はおそらく60%。そして、10-20%は効果がない

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2 介入の歴史

OCDに対する正式な介入の原点は一世紀前のフランスにおける試みにあると考えられています。神経学者ジャネ(Janet)は現在の行動療法(曝露療法)と類似した方法で、OCDへの介入を行いました。実際に、曝露療法(Exposure Therapy) という名称もジャネによって名づけられました。しかし、100年も前に、強迫性障害への介入法として用いられた行動療法が、再び表舞台に登場するのは1960年代後半になってからです。それまでの期間、行動療法が形を潜めていた理由は精神分析の台頭にあると思われます。ジャネが曝露療法の基本的な手法を世に示すのと前後して、フロイト(Freud)は、「ねずみ男」として知られる事例を発表し、OCDの症状自体ではなく、症状の背後にある意味に着目しました。表出している症状は内面の葛藤などの表れに過ぎず、注目すべきはその内面にあると考えました。結果的に、強迫性障害に対する介入は症状に焦点を当てる「対処療法」から、背後にある衝動、葛藤、防衛機制などに重きを置く「根本療法」へと道筋を辿ることになりました。

60年代になると、再び「対処療法」に目を向ける動きが出てきました。実際に、根本的な問題の解決ではなく、外部からの統制が強迫症状を抑えることがわかってきたからです。マークス(Marks)は、厳格な修道院で生活していた強迫性障害を持つ女性達の多くは、その期間、強迫性障害から開放されていたことを報告しています。また、ルイス(Lewis)は、重篤な強迫性観念に苦しめられた患者の多くは、従軍期間中はそれらの症状を持たず、兵役から解かれた後に症状の再発を見ていることを報告しています。

精神分析による強迫性障害への介入については、効果研究が行われていないために、効果を計ることが出来ない点、また米国の医療体制の変容に伴い、長期間の介入は経済的な面からも嫌われることなどから徐々に敬遠されるようになりました。現在では逆に、効果研究の結果に基づき、短期間に具体的な介入方法を取り、効果を計ることの出来る、行動療法、認知行動療法などが注目を集めるようになってきています。

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3 効果的な介入法/曝露反応妨害法

曝露/反応妨害の原則

・恐れていることになるべく多く直面します。

・避けなければならないと強く感じても、避けないでそこに留まります。

・不安を緩和するための儀式を行いたくても行わないようにします。

・自然に不安が落ちるまで待ちます。

曝露/反応妨害法(ERP)の手順

査定と目標設定

Y-BOCSなどを用いてOCDの状態、やる気の査定をし、目標の設定を行い、同意をもらいます。・・・インテーク、査定、心理教育、同盟作り

曝露/反応妨害

コーチと共にERPを実行する。SUDSの記録を続けます。・・・SUDSを使ったモニター

習慣化

行動療法で身につけたことを応用します。・・・次第に自分でできるようにしていきます

<実際の手順>

(1)査定と目標設定

・面接:面接時におけるOCDの特徴・・・核心に触れない、隠し事が多い、その他

・査定のためのツール

・エール・ブラウン強迫観念強迫行為尺度(Y-BOCS)

・モーズレイ強迫目録(MOCI)

・強迫行為チェックリスト(CAC)

・パデゥア目録(PI)

注)Y- BOCSは自己申告版とインタビュー版があり、重篤なケースはなるべくインタビュー版を使います。その他の問題が共存していると考えられる場合は、ベックのうち目録(うつの場合)、人格障害やPTSDの場合には(SCID)を用います。

・OCDであることを確認

OCDとそれに似たものを混同しないようにします。曝露/反応妨害法はOCDで苦しむ人には効果がありますが、OCDでない者に応用した場合に問題が悪化することがあります。

例)依存症:OCDと同じように「性的なイメージが頭から離れない」と言っても、性的依存の場合は、性的な描写のある写真等を見て快楽を得ます。OCDの場合は、出てくるイメージから快楽を得ることはありません。

(2)心理教育治療同盟作り

・心理教育

OCDに対する介入を始める前に、OCDの仕組みと曝露/反応妨害がどのような仕組みでOCDに効果をあげるのかをよく説明します。

目標とトリートメントプランを作成し、クライエントの同意を得て同盟関係を築きます。同意を得ないプランはうまくいかないことが多いです。プランはわかりやすく、なるべく具体的に書きます。何を何回行い、どのように触る等なるべくわかりやすくします。OCDに名前をつけるとよいです。OCDを客観的に見られるようにするためと、同盟を結びやすくするためです。

・自分の最も嫌いなことへ曝露をすることはある意味で拷問と同じです。従って、援助をする者が上手にリードする必要があります。良い治療関係作りが必須です。

・ユーモア:例)OCDに名前をつけます。OCDを客観的に見るため、同盟関係の強化のため。

・家族への配慮:時には家族を離す必要があります。家族がOCDの儀式の一部になっていることが多いです。

・励まし:褒めたり、励ましたりすることは重要です。

(3)目標設定

① 長期目標をクライエントと一緒にたてるなるべく具体的に行動を説明し、SUDSなど数字で示

します。目標は現実的なものにし、挙げられた目標が複数の時は順位を付けます。

② 練習目標は、曝露部分と反応妨害部分を必ず含みます。SUDSを使った具体的な目標が必要です。

無理をし過ぎず、80%ぐらい達成可能な目標にします。

注)SUDS(自覚的苦痛単位・Subjective Units of Distress)のこと100点が一番不安が高い時、0点が不安のない状態として自己申告させます。

(4)介入実施

・関係作りの重要性

・万能感を捨て、役割に甘んじる

<初期の行動療法についての効果>

・OCDへの介入として系統的脱感作法や思考抑制などが用いられることがありましたが、部分的な成功しかおさめられませんでした。

問題点:強迫観念の対象になる物事に対しての曝露はなされたが、儀式的な行動への直接介入がなされなかったこと。また、リラクセーションを用いたことによって新たな儀式を学習させてしまっとこと。その反省から、系統的脱感作法を行う時にも抑制を行うようにすると効果があがりました。

・系統的脱感作法は、30-40%の症状の緩和を見るが、相当の回数を重ねなければならない。In-Vivo暴露を組み合わせると60%の効果があります。慢性のOCDに対してよりは、急性のケースに効果を上げます。しかし、信頼性の高い研究がない点が問題です。Paraboxical Intention,Satiation,Thought Stopping Aversion Relief などについても部分的な効果しか見られません。

<曝露反応妨害法の場合>

・問題点として、25%のOCD患者はこの療法に参加しない点があげられます。

・仮想曝露はあまり効果がありません。

・メタ分析によると、曝露と反応妨害を組み合わせた介入においてはプログラムを最後までやり遂げた者の51%は70%の症状の緩和を見た。全体的にはこの療法を試した90%の者に、何らかの症状の改善が見られました。

・途中で挫折するケースを計算に入れても、63%のOCD患者に改善が見られました。

・予後については研究では、フォローアップの期間にばらつきがありますが、曝露反応妨害法で治療を受けた内の70-80%の者は、治療効果を維持しています。予後を向上する要因として

(1)スーパービジョンのレベル:大差はないが、厳しく指導された方が効果的

(2)曝露の仕方:徐々に曝露した方が効果的

(3)儀式の種類:内的儀式の方が困難など

があげられています。

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4 介入プログラムの例:強迫性障害研究所 ・マサチューセッツ州総合病院/強迫性障害研究所

(1)入院施設/外来=実践

リサーチセンター=エビデンス

コミュニティサービス=教育

(2)多面的なグループとしての介入

・個人療法

・薬物療法/その他の医療的介入

・家族療法

・グループ療法

・環境療法

・心理教育

(3)社会教育や自助運動

・コミュニティーに対する教育

・メディア:メジャーなニュース番組などでOCDのケースを取り上げ、シリーズで放送してもらう。テレビ番組でOCDで苦しんでいる有名人にOCDについて説明してもらうなど。

・OCDファウンデーション:強迫性障害のための団体。

・自助グループ:退院後の予後のため。また社会的な援助のため。

・自助マテリアル:自分の治療を継続できる道具などの充実。(例)BT STEP)

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◆ OCDの薬物療法

<人のOCDに対して、有効な薬物療法>

OCDに有効であると薬物療法の多くは抗うつ薬と言われるものです。うつ病はOCDの結果として起こることが多いです。OCDとうつ病は同じ薬物用法で治療することができます。

fluvoxamine,paroxetine, sertraline, escitalopramなどの選択的セロトニン再取り込み阻害薬(以下SSRI)と三環型抗うつ薬であるclomipramineがOCDに有効とされています。

現在の日本では、OCDに対してfluvoxamine, paroxetineのみが保険適応です。OCDに対してSSRIをうつ病に比べ高容量で、使用することが多いですが、まれに初期投与量よりも減量したときに効果をしめすことがあります。治療反応性は最低12週の継続投与のうえですることが望ましいとされています。

<新しい治療として注目されているNMDA型グルタミン酸受容体アンタゴニスト >

近年の研究において、OCDがNMDA型グルタミン酸受容体と関連していることが判明し、この受容体に対するアンタゴニスト(拮抗薬)が(特に難治性の強迫性障害に対して)治療効果を持つのではないかと予想されています。NMDA型グルタミン酸受容体アンタゴニストとしては、アルツハイマー型認知症の改善薬であるmemantineや麻酔薬として使われるketamineが知られています。欧米で、重症のOCDに対して認知行動療法とSSRIとmemantineを併用する療法の臨床研究が行われ効果が報告されています。

<日本での抗うつ薬以外の薬物療法>

clonazepam(ランドセン、リボトリール)などの抗不安薬が、抗うつ薬の効果発現まで使用されることがあります。

haloperidol(セレネース),risperidone (リスパダール),olanzapine(ジプレキサ),quetiapine(セロクエル)などの抗精神病薬が併用されることがあります。

<第一選択薬の薬物療法>

様々な研究がされていますが、薬剤の有効性に優位差はありません。しかし、一方が効いて、他方が効かないことがあります。ひとつの薬物療法に対して12週は試してください。

1-2の薬物療法をして効かなくても諦めないことが大事です。

<薬物療法の副作用>

SSRI (fluvoxamine ,paroxetine ,sertraline, escitalopramなど)の副作用は悪心、食欲不振、不安や神経過敏の増強、振戦、性機能障害などです。

急性の副作用は、一過性であり通常投与開始1~4週間後には改善します。消化薬、制吐薬(ガスモチン)などの対処療法を使用することがあります。

paroxetineは、18歳未満の大うつ病性患者への使用が禁忌とされています。また、MAO阻害薬、チオリダジンを服用中の患者には、SSRIを投与できません。

SSRIと炭酸リチウムや三環系抗うつ薬、フェノチアジン系抗精神病薬などとの併用では、それらの血中濃度をSSRIが上昇させるため、セロトニン症候群やけいれん、悪性症候群など重篤な副作用が出現する恐れがあり注意を要します。

<薬物療法をすべきでない患者>

妊婦や母乳をあげている母親です。重症なOCDでほかの治療が無効な場合は薬物療法は安全だということが証明されています。行動療法によって妊娠初期や後期の薬物療法を最小限にすることができます。

超高齢者はclomipramine(アナフラニール)を第一選択薬にすべきではありません。思考を混乱させる可能性があるからです。また、心疾患のある患者がclomipramineを服用するときは注意が必要です。

(文:蟹江絢子)

参考文献:Medicine for OCD By Michael Jenike, MD

医薬品添付文章

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◆ 家族への介入へのポイント

OCDで苦しんでいる家族や友人の援助

★彼らへの助言(ベアー、2000)

1 「手伝わないことが援助すること」・・・本人に代わって儀式を行うというのをやらない。

2 「毎日毎日の比較をしない」・・・日々の変化は改善を正確に反映しない。長いスパンで。

3 「小さな進歩に注意を払う」・・・褒めることは治療意欲を高めるのに役立ちます。

4 「支持すべし」・・・神経に障るのはOCDの病気である、その人ではない。

5 「コミュニケーションは簡潔明瞭に」

6 「確固とした態度で、しかも気分の変化に敏感に」

7 「ユーモアを使う」・・・恐怖から距離をおき、馬鹿げていることを笑える能力は健全。

8 「柔軟に対応すること 」

1 儀式を手伝わないことが最良の援助

OCDの儀式を本人の代わりに行うことを止めることは、ある意味で最も効果的な介入法です。児童のOCDの多くは、自分自身で、また家族メンバーの誰かに強迫行為を行わせることによって維持されています。児童のOCDが良くなるように願いながらも、儀式に協力しないと怒りを露にしたり、泣いたりするので、ついやさしい道を取ってしまうことがありますが、OCDからの解放を求めるのであれば、一番効果的な方法は、儀式を肩代わりしないことです。(このことは、行動療法の原則と同様です)

2 OCDについて日々の比較をしない

OCD患者のほとんどは、症状の満ち引きを経験しています。OCD治療を行うには全体像を眺め、日々の細かい変化に一喜一憂しないことが成功の秘訣です。治療を始めた時期から、全体的に見ると、幾分かでも良くなっているのであれば、そのことを思い出させましょう。また、今日調子が悪ければ、明日また挑戦すれば良いことを思い出させましょう。最悪の状態から、どれだけ進歩したかを思い出させるだけでも、家族として重要な役目を果たしていると言えます。

3 小さな進歩に注目し褒める

OCDを持たない者にとって大したことでないことが、OCD患者にとっては非常に大きなハードルとなります。シャワーを浴びる時間を数分短縮することや、もう一度チェックしたいのを止めることが、OCD患者にとってはどれだけ難しいことか友人や家族は理解してくれないとOCD患者は訴えます。小さな変化があっても、それを認めて褒めるようにしましょう。躊躇せずに褒めること、小さな成功を評価することで、OCD患者は元気づけられ、治療意欲が高められることを知っていただきたいです。

4 非難せずに説明する、無視せず支持する

OCDの症状が周囲の者をイライラさせたり、うんざりさせることは周知のことです。しかし、周りの人の神経に触れるのは、OCDという障害であって、その人間自身ではないのです。しかし、気に障ることをされると、個人攻撃をしてしまったり、人間性を傷つけるような言葉を吐いてしまうことがあります。OCDの家族が必要なのは、批判ではなく、激励と人間らしい扱いです。しかし、人間として受け入れるということは、儀式を黙認することではありません。なぜ儀式を手伝わないかについて、非難をするよりも、きちんと説明をすることが重要です。

5 簡潔明瞭なコミュニケーションをとる

家族の陥りやすい落とし穴のひとつは、長々と説明を続けることです。時にはこれは、説明の域を超えて、説教になっていることがあり、援助したいという気持ちとは裏腹に、意地悪だとか、拒否的などと受け取られやすいです。なぜなら、OCDの傾向として、常に確認(児童の場合は質問が多い)や保証を求めてくるものだからです。したがって、一生懸命に説明して、説得しようとしても、「でも・・・・・・」、「もし・・・・・・」は延々に続くと考えた方が良いです。まず、OCDの本人と、本当に何が役立つのかを予め話合って意見を一致させておき、常にそこに戻り、「なぜ確認に答えないかを知っているね」「決めた通りにやろうね」など、簡単明快にする方がよいです。

6 きちんとした線引き、しかし、気持ちの浮き沈みに敏感に

OCDはDSM診断基準では不安の障害と考えられています。つまり、不安感情に絡む行動問題ということができます。不安と怒りは兄弟のようなもので、不安と怒りは表裏一体のようなところがあり、感情的になりやすいです。OCD症状の軽減のために、共同でOCDと闘うためには、何は何回まで、話し合いは何分まで、保証は何回までなど、予め線引きをしておく必要があります。そうでない場合は、親や家族の気分で、線引きの位置が変わってしまうことになりかねません。家族の感情をルールにならないように気をつけます。しかし、調子の悪い日はあるもので、暴力的になっている日などには、引き下がるより他に方法はない時もあることを覚えておいてください。

7 クリーンなユーモアは有効

恐れを締め出したり、緊張感をほぐしたり、行き過ぎた行動を自ら笑ったり、ユーモアは時に非常に効果的です。いつの時代にもユーモアには治癒力があることが認められてきました。確かに、OCD患者や家族はユーモアが数々の苦しい場面を救ってきたと報告しています。しかし、気をつけなければならないのは、OCDをやさしくからかうことは有益でありますが、人格攻撃は避けた方が良いことです。また、本人の気分に配慮してください。急性でひどい症状が出ている時は控えてください。

8 柔軟に対応すること

まず、OCDは、「ねばならない」「100%か0%か」という性質をもっています。同じように、こうしたガイドラインに対しても、ややもすると強迫的になりやすいです。ガイドラインは破っていけないものでありません。

OCDで悩んでいる子どもの援助

1.「その儀式をしなければ自分の大切な人に悪いことが起こる」「人に話したら悪いことが起こる」と信じていること があるということを知っておいてください。

2.不登校の子供の中には、OCDのせいで学校に行けなくなっている子もいることを知っておいてください。儀式を 行うのに時間を浪費するので行動が遅い場合や強迫性緩慢(食事をとるとか 服を着 るなどの単純な行動をやり 終えるのに時間もかかるなど。)

3.基本的に大人と同様にERPが効果的でありますが、大人との主な違いは、両親が必ず治療に参加しなければ ならないことです。子供が練習セッションに成功した時、どう褒めたら良いか学 ばなければなりません。

4.成功のための重要な3つの条件(ペアー、2000)

(1)親は建設的で熱心な態度で参加しなくてはならないこと、

(2)子ども自身がよくなりたいと本当に願ってなくてはならないこと。

(3)子どもと親の関係が良好であること。

5.子どもが感じる不安を、「消防士が警報を聞いて、消防自動車に乗り込みブルースピードで大通り を走ったが、 どこにも火事は見つからないという消防の誤報」に例えて説明できます。子供は家事のサイレンが鳴り止むと 不安が消えていくということがわかり、不安を無視できるよ うになります。

6.子どもに強迫観念や衝動を象徴する怪物と戦う戦士(またはよく知られている童話や漫画の登場人物)のふり をさせることで、行動療法に参加する気にさせることができます。

7.「子どもがどのような強迫観念や強迫行為をもっているが、そしてそれらはお互いにどのように関連しあってい るかをはっきりさせましょう」→理解していると思い込んではいけません。症状は子どもの目を通すと非常に異な って見えることを知っておきましょう。