ゴーリキー『どん底』

読書さとう

この作家は、 1868年3月28日から1936年6月18日の生涯でした。ただ、この作家は、ロシア革命後は最初はもてはやされるのですが、その後最後はスターリンに毒殺されたのではと言われています。

ここでは『どん底』のことだけを書きます。私が読んだのは、中2の3学期の時で、訳者は中村白葉だったと思います。この文庫本は戦前の本で、母が買ったものだったと思われます。母は「とても読むのが辛い本だよ」とのみ教えてくれたと記憶があります。とにかく、どうにも救いようがないのが『どん底』で描かれている、人間の人生なのです。

劇中で唄われれる歌が以下です。

明けても暮れても 牢屋は暗い

よるひる牢番 えい、やれ!

わが窓みはる。見張ろとままよ

おいらは逃げぬ。逃げはしたいが、

えい、やれ! 鎖が切れぬ。

ああこのくさり わがくさり

てめえは 鉄の牢番よ

おれにゃ切れぬ てめえは切れぬ。

この本を読んで、ソ連というのは、なんて暗いんだと思ったものです。思えば、私は中学生のときからソ連なんて、悲惨な国だなあ、と思ってきていたのでした。

今ソ連ではなく、ロシアになったわけですが、なんとか普通の社会になってほしいものです。