創作

過去に発表した小説などを公開していきます。

■小説

空き缶に蓬菊を
【あらすじ】 朝テレビのスイッチを入れると、ニュースキャスターが「おはようございます。世界の終わりまであと七日になりました」と言う。 主人公の「私」は、アナウンサーが読み上げるニュースを聞きながら、自宅に溜まった空き缶を踏み潰す。そして踏み潰しながら、この国がディステピアに変わってしまった経緯に思いを馳せる。あるエセ宗教家が言いだした「世界は七日ごとに破滅する」という妄言に支配されてしまったこの国のことを考えながら、「私」は自分自身の過去と未来に思いをめぐらせる。
【自作解説】日本SF作家クラブが主催する「小さなSFコンテスト」に応募するために書いた作品です。「とりあえずパパッと5000字くらいで、最低でも一次選考は通過できる作品を作るか」ってなノリでダーッと書いて、狙い通りの分量で一次選考は通過しましたいろいろ狙い通りにはいったのですが、推敲の時間を設ければもう一つ上にいけたかもしれないので、若干の後悔があります。
猫の島が見る夢は』(プロトタイプ)
【あらすじ】フリーライターの結城春海(ゆうき・はるみ)は、ある日一通の手紙を受け取る。それは十八年前に失踪した居候・長月美弥(ながつき・みや)からの遺書だった。生前は国際的に有名な生物学者・言語学者であった美弥は、自分が飼っていた猫をある島に連れて行ってほしいという。春海はいぶかしがりながらも、美弥の指定した空霞島——通称・空猫島へと向かった。空猫島は島民の数が二十名に満たないが、百匹を超える猫が暮らす、いわゆる「猫島」である。島に向かう船の上で、春海は奇妙な噂を聞く。十数年前から、空猫島には幽霊が出るというのだ。空猫島に上陸した春海は、そこで美弥の幽霊に出会う。美弥の幽霊は、この空猫島で起きている怪奇現象の原因を説明する。それはかつて美弥が行った実験によるものだった。美弥は猫の脳にある刺激を与えることで、猫同士の脳の情報を共有させ、巨大な情報のネットワークを作りあげていた。幽霊のような姿で現れたものは、猫たちの記憶から引き出された映像だったのである。最後に、美弥は春海に長年の留守を詫び、かつて二人で過ごした日々に感謝を述べ、虚空へと消えた。
【自作解説】もともと第10回創元SF短編賞用に書き始めた作品。うまくまとまらなかったので、翌年pixiv上で開催された第2回百合文芸コンテストに応募することになりました。百合文芸コンテストに応募するにあたって、分量と〆切の都合からプロットを大きく変更しています。いつか完全版を仕上げたい。百合文芸コンテストの結果は、一次選考通過=最終候補作。残念ながら受賞には至らず。少しだけ改稿を施したバージョン(最終版ではありません)を第12回創元SF短編賞に応募しましたが、二次選考で落選。最終選考には残ませんでした。

文字の海の海賊姫』(執筆中)

『文字の海の海賊姫』
【あらすじ】児童文学風の作品になる予定です。
【自作解説】まだ書いている途中です。そのうち完成する。