韓国ネット小説覚え書き
韓国のネット小説に関して調べたときに参照した資料を忘れないようにまとめていく。主にnamu wiki。
韓国語が全く分からないので、Google翻訳で頑張って読んでいます。
最終更新:2021/10/25
▼インターネット小説(인터넷 소설) - namu wiki
https://namu.wiki/w/%EC%9D%B8%EC%86%8C
日本でいうところの「ケータイ小説」的な文化について。
韓国では、ビジネスモデルの変化に伴い、2010年ごろまでの小説を「インターネット小説」、以降の小説を「ウェブ小説」と読んで区別している……?
▼ヤンパンソ(양판소) - namu wiki
https://namu.wiki/w/%EC%96%91%ED%8C%90%EC%86%8C
양판소=日本でいうところの「なろう系」的な、定型(テンプレ)的ファンタジー小説群について。
詳しいサブジャンルについては、こちらの記事にまとまっている。
▼ジョアラ(조아라) - namu wiki
https://namu.wiki/w/%EC%A1%B0%EC%95%84%EB%9D%BC(%EC%9B%B9%EC%82%AC%EC%9D%B4%ED%8A%B8)
韓国の代表的な小説投稿サイト「ジョアラ(조아라)」についての記事。
2002年設立。2000年代に韓国のネット小説シーンを牽引したサイトだが、現在は往時の勢いはない、らしい。
当初は男性向けが主流だったが、現在は女性向けや二次創作なども。
▼ハンターもの(헌터물) ジャンル
https://namu.wiki/w/%ED%97%8C%ED%84%B0%EB%AC%BC
「ハンターもの」は韓国のウェブ小説で大きな勢力を形成しているサブジャンル。
現代の韓国と異界を繋ぐゲートが開き、そこから異界の怪物が出現するようになる。同時に異能に目覚める人間が現れはじめ、異界の怪物と戦いはじめる。彼・彼女らは「ハンター」と呼ばれる……というのが大筋のテンプレ(細かい差異はある)。
コミカライズ版が日本でも大ヒットした『俺だけレベルアップな件』のような作品のこと。
「ハンターもの」の原型とされるのが「レイド(레이드)もの」。MMORPGのレイド戦になぞらえてそう呼ばれる。2012年に連載開始した『나는 귀족이다』は多くのフォロワーを生んだよう。
「レイドもの」は、「ダンジョンもの」や現代韓国を舞台にしたフュージョンファンタジーと相互に影響し合い、「ハンターもの」のテンプレが形成されていった。
▼武侠もの(무협물) ジャンル
https://namu.wiki/w/%EB%AC%B4%ED%98%91%EB%AC%BC
「武侠」は中国(あるいは中華風世界)を舞台にした、カンフーアクション的な作品。
韓国では武侠小説が大きな勢力を持っている。小説としてのシェアはミステリよりも大きいという。
孫志尚さんの分析によれば、過去に韓国では三回の武侠ブームが起きている。
1960年代の第一次ブームでは、香港と台湾の翻訳作品がブームに。1970〜1980年代の第二次ブームでは、第一次ブームのときに流入した海外の作品から影響を受けた国内作品や、金庸作品がブームを牽引。1990年代〜2000年代の第三次ブームは、武侠映画の再流行やパソコン通信の普及によって起きた。
▼星座or聖座(성좌) 概念、ジャンル
https://namu.wiki/w/%EC%84%B1%EC%A2%8C%EB%AC%BC
韓国のウェブ小説、ウェブトゥーンにしばしば登場する「人間を超越した上位存在」のこと。あるいはそれを扱ったジャンル。
日本語訳されるときは「星座」と表記されることが多いが、いわゆる八十八星座とはまったく関係がないので、漢字表記は「聖座」としたほうが適切かもしれない。ただ、ウェブトゥーンではしばしば宇宙的なイメージを伴って描かれており、「星座」と「聖座」のダブルミーニングになっているのかもしれない。
namu wikiの記述によれば、『チュートリアルが死ぬほど難しい』(漫画版)のヒットによって、上位存在がテンプレとして広く使われるようになり、大ヒットした『全知的な読者の視点から』(漫画版)で「星座or聖座(성좌)」という用語が用いられたことから、サブジャンルとして確立されたようだ。
▼悪女憑依もの(악녀 빙의물)
https://namu.wiki/w/%EC%95%85%EB%85%80%20%EB%B9%99%EC%9D%98%EB%AC%BC
日本でいうところの悪役令嬢もの。現代人がフィクションの世界に入り込み、悪役ポジションの女王や貴族令嬢に憑依してしまうジャンル。
2011年に出た『라시타!』がジャンルの嚆矢でないかと言われているようで、同年のヒット作『捨てられた皇妃』(漫画版)を経てジャンルとして定型化していったようだ。
2010年代後半になると、日本の悪役令嬢ものが韓国語に翻訳され、影響を及ぼし始めているよう。日本では書籍になっていない『謙虚、堅実をモットーに生きております!』も翻訳されて韓国で読まれているようなのだが、どういう経路で読まれているのだろう……?
▼暴れん坊もの(망나니물)
https://namu.wiki/w/%EB%A7%9D%EB%82%98%EB%8B%88%EB%AC%BC
いうなれば「悪役令息」もの。フィクションの世界の悪役ポジションの貴族子息に憑依したり、悪役の男が時間回帰して人生をやり直したりするタイプの作品。
2000年代からあったジャンルだが、2018年の『伯爵家の暴れん坊になった』(漫画版)を契機に人気が高まったようだ。