■mikio『ジャンピング・ジャック・ガール』(カクヨム) 2019年6月15日更新
完結済。12万字弱の長編(文庫1冊分)。
同内容のものが、エブリスタでも公開されている。
いわゆる「青いクジラ」タイプの自殺ゲームを扱った本格ミステリ。
主人公の女子高生・川原鮎は、ある朝、同じ高校に通う生徒がマンションから飛び降り自殺をする現場を目撃。自殺した生徒は「ジャンピング・ジャック」を名乗る人物からメールを受け取っていたことが発覚する。
鮎は自殺した生徒の友人だった敷島哲とともに真相を追うが、「ジャンピング・ジャック」が関わっている別の事件が浮上。
果たして「ジャンピング・ジャック」を名乗る者の正体とは……? といった感じの物語。
ウェブ小説サイトで読める長編ミステリとしては、かなりハイレベルな部類に入ると思う。
二転三転、めまぐるしく変わっていく展開に引き込まれるし、事件の結末が主要登場人物が抱える問題に収束していく後半の展開には痺れた。青春群像劇としての出来映えも素晴らしい。
普通に商業出版されていてもおかしくないレベルの作品で、作中で取り扱われている題材も良い。
キャラの造形がちょっと堅い気がするけど、ここをもう少し調整すればヒット作になるんじゃないかなぁ。