Nature of the Beast - issue 2

Llamasoftニュースレター第二号(1984年9月)

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Nature of the Beast(獣の本質)

Llamasoftニュースレター
毛むくじゃらの第2号 1984年9月

1. ANCIPITAL: 最新のC64ゲーム


前号のニュースレターでふれたC64プロジェクトを完成させた。 この約50キロのプログラムとデータを、今月のロンドンでのPCWショーでリリースするつもりだ。

このゲームをどのジャンルに分類するかは難しい。 アーケードアドベンチャーと呼ぶこともできるが、「アドベンチャー」という言葉を硬派のアーケードフリークが嫌がる傾向がある。 確かにこのゲームにはアドベンチャー要素もある(最良の結果を出すにはマッピングをして、アイテムを集めないといけない)が、Revenge of the Mutant Camels以上に「アーケード」的な要素が存在している。

ゲームの基本的なアイデアは、Atic AtacやSabre Wulfの観察からはじまった。 どちらのゲームも、マップは広大で、アクション要素が多い。しかし、実際の敵のバリエーションはそれほどではない。ゲーム全体で20数種類しか敵がいなかった。

ここで私はアドベンチャーと同じようにドアと鍵がある広いマップを作り、そしてそれぞれの部屋に「Revenge」のように違った攻撃をしてくる敵を配置した。 敵の攻撃はRevengeよりさらに複雑でアクションの魅力もあるし、ありがちな騎士・探索・探偵といったアドベンチャーのシナリオではないサイケデリックなシュールさと狂った感じも特徴だ。

この出来上がったゲームを、アドベンチャーではなく「プログレッシブアーケードゲーム」と呼びたい。 10x10に配置された100の部屋があり、マップの壁を開く6つの鍵(ラクダの形をしている)がどこかに隠されている。 特殊能力を与えてくれるヤギを集める必要もある。 4方向に重力があるので(この擬似重力ルーチンはお気に入り)、壁や天井に飛びついて走り回ることができる。 それぞれの部屋で独特なドラムリズムを鳴らすためにフィル・コリンズモジュールを書いた。 発射音も部屋ごとに違っている。 敵もRevengeより発展したコアモジュールを使っているので、さらに多様になっている。 部屋の中にはただ敵を撃つだけのものも、もう少し頭を使う必要があるものもある。 部屋で「H」を押すと、ゲームがポーズし、ヒントとなる3行のヘルプテキストが表示される。 見た目がいいという以上の理由はないが星空の背景と、ストロボエフェクトも入っている。 ライフは多めに用意され、ゲーム中でもライフをさらに増やす機会がある。 もし自分がリバプールに住んでいたら疑いもなくこのゲームをメガゲームと呼ぶところだが、知ってのとおり、そうした煽りは好きじゃない。 自分が思うのは、このゲームはオリジナルな体験にあふれ、5分で征服することが不可能な素敵なデータの塊だということだ。

このゲームの主役はAncipitalだ。 Sheep in Spaceを持っているなら、惑星表面をうろついている困ったような半人半山羊の生き物であるこのAncipitalを見たことがあるかもしれない。Sheep in Spaceでは骨ビスケット弾で彼らを撃っていた。 彼らは実はブライアン・アルディスのヘリコニアの物語(これを読むとAncipitalの種族の背景がより理解できる)に由来している。 このかわいそうな生き物は人間によって撃たれたり、串刺しにされたり、溺死させられたり、崖から突き落とされたりして殺されたり、奴隷にされたりしていた。だから、自分のゲームでは彼らを英雄にしてあげたいと思った。

このゲームの特別な悪役といえば、凶悪げっ歯類のローリーだろう。ローリーはAncipitalを激しく攻撃する。 Rory on the Attack, Rory Plays Guitar, Rory on a CND March といった部屋でローリーは突然現れる。 かわいい見かけのスプライトがこれほど凶悪だったことがあっただろうか。 すぐに彼がお気に入りの敵になると思う!

自分のハイスコアは達成率89%で得点は360万点くらいだ。(説明書にはもっと低いものが載っているが、それからもっと遊んだ結果だ) またこのゲームでは新しいNovaloadオーディオビジュアル高速ローダーを使っている。昔のTurboシステムより面白がってもらえると思う。

何はともあれ、重厚なアクションと、ちょっとした戦略とプランニングの両方が好きならAncipitalは気に入ると思う。 ただ、警告したい。 私の他のゲームと同様、5分ですぐ理解できるというゲームではない。 4方向の重力の中でうまく動けるようになるまでに少し時間がかかるはずだ…

2. ATARIにもHOVER BOVVER登場


32K以上のATARIマシンで動くHover Bovverの移植を作った。 キャラクタの見た目とゲームの「感触」はC64版と実質的に同じだが、PMG(注: PMG=プレイヤーミサイルグラフィック、Atari 400/800/XLにおけるスプライト)の制限のせいで隣人の色が単一になっている。 それでも、Atari版の方がいいところもある。サウンドは3チャンネルから4チャンネルに、そしてAtariの色生成能力のおかげでとてもカラフルなハイスコアとイントロ画面になっている。 「イギリスのカントリーガーデン」のテーマから犬の鳴き声に芝刈り機のノイズまですべて入っている。

Atariで作業すればするほど、このマシンが好きになってきている。 このマシンの可能性は膨大で、色エフェクトには目が飛び出るほどだ! 現時点ではAtariを持っている人は珍しい状態だが、熱心なファンがいる。そして安くてよい出来のソフトウェアはまだあまりでていない。 しかし、最近の成り行きを見ていると状況は変わるかもしれない。 Jack Tramiel がAtariの主導権を握り、Atariには新しいグラフィックチップのMARIEが搭載された。このチップの前ではGTIAもおとなしく見える。 アメリカでの報道によると、この新しいチップはAtariの7800ビデオゲームに載っていて、無限のスプライトを生成できる能力があるらしい。 そんな能力を低コストの64Kマイコンに載せるとしたら(C64に対抗するためにTramielはそうすると思う)、正気のゲームデザイナーならゲームを作りたいとおもうだろう! 想像してみよう、80スプライトでAtariの素晴らしい色を使ったRevenge of the Mutant Camelsを… 現在はAtariマシンは目立たないかもしれないが、一年のうちに面白いことになるかもしれない!

3: このニュースレター


このニュースレターがどうやって作られているのかという質問が来ていた。 この作成にはAppleのマッキントッシュを使っている。 テキストはMacwriteでレイアウトして、画像はMacpaintで描いている。 この画像プログラムはとてもいい。紙ではまったく絵がかけない自分でも、それなりの画像を作ることができる。 Macpaintでは鉛筆、ブラシ、エアブラシに、形を切り出しての配置、テキストの追加など、画像に対してやるようなことすべてが可能だ。 そうしてつくられた画像はワープロに送ってテキストの好きなところに配置する。 全体ができあがったらImagewriterプリンターに送って、プリンターの出力と同じものができる。Macはとても簡単で、仕事をしていて楽しい。グラフィックがカラーでないのは残念だ!

4: 喜びのスティック


どのジョイスティックがLlamasoftのゲームにおすすめか、という質問をよく受ける。 ジョイスティックは、ゲームと同様、個人の好みで選ぶべきものだ。 私自身のお気に入りは発射ボタンが2つついているCompetition-Proだ。 一番使い心地がいいというわけではないが、反応性がよく、なにより、耐久性がある! このジョイスティックをショーに持ち出して、酷使しているが、一年の間で動かなくなったのは6台中1台だけ…犬にかまれたものだけだ。

テーブルトップ型のジョイスティックが好きなら、Fire Commandはよいジョイスティックだ。 重い金属製の土台部分の中央にスティックがあり、発射ボタンは右利き、左利きの人のために2つ用意されている。 AMCやMatrixといった激しいアクションゲームや、Decathlonといったゲームでの酷使にも向いている。

Arcadeも言及に値するジョイスティックだ。Competition-Proに似ているが、発射ボタンは一つで中央にある。 机の上において片手で遊ぶ(2つの発射ボタンはジョイスティックを持つ手で押せる)とQuickshot IIもとても面白い。 連射機能をオンにすると、普段はボタンを連打しないといけないようなAtariのDefender、VanguardやVICのCavern of MarsやAbductorにも圧勝できる。 このスティックはずんぐりとして「マッチョ」だが、テーブルに置くとねじ曲がる力がかかる。どのくらい持つのか心配だ。数週間で自分のはギシギシというようになった!

もしお金があって、GridrunnerやMatrixにAtariのMissile Commandが好きなら、Wicoのトラックボールを気に入るかもしれない。 このトラックボールは頑丈で、こうしたゲームに理想的だが、残念なことにとても高価だ。

ジョイスティックは結局は個人の好みによるものだ。 ジョイスティック選びの最良の方法は、コンピュータショーのブースで人のを試すことだ。通常、様々なジョイスティックを見ることができる。 酷使にも耐えるジョイスティックを選ぶようにしよう! 私の場合は自分のどのゲームでの操作にも耐えられるか確かめることにしている!

5. ハイスコア


Gridrunner    .....    620,600 level 20    Iain Fenton
Matrix        .....    229,722 level 18    Paul Dudley
Hell Gate    .....    690,163 level 18    Paul Dudley
Metagalactic Llamas    170,000 level 17    A. Liddiment
Revenge    ......    2,600,000        A. Jones
Sheep in Space    1,375,000        Tom Burton

前回のニュースレターから更新されたものを載せている。 Sheep in Spaceで27面まで到達したという話を聞いたが、スコアを覚えていない! ハイスコアを送ってほしい。受け取ったハイスコアはファイルに入力して、全部を簡単に確かめられるようにしている。 今遊んでいるこのスコアを書いておこう。ちょっとした目標になると思う。

Ancipital    .....    3,570,000  89%    ジェフ・ミンター!!!

6: ふさふさな出来事


Ancipitalが出来上がったので、次のC64向けゲームの計画が頭の中で進んでいる。 MSX版のGridrunnerを先にやる必要があるかもしれない。MSXで何かすると長い間言ってきたので、どうやらこの新しいマシンへの移植は自分でやることになりそうだ。

そしてもう一度、新しいゲームデザイン、ゲームプレイ、操作方法の実験をするつもりだ。 近頃ではプログラマが「チャート狙い」のゲームを生み出すのが簡単になりすぎた。 単純な操作、きれいなグラフィック、スムーズスクロールに素敵な曲で、これで失敗することはない。 このアプローチの問題は、ゲームデザインの技法はまったく進歩しないというところにある。 自分は、実験をしてみたいテーマや操作方法を取り上げて、それを使ったゲームを作る方を好んでいる。 Sheep in Spaceでは垂直高さによる速度制御、Ancipitalでは複数の重力方向がテーマだった。 これにはリスクがある。5分間でゲームがわからなかったら駄目だと決めつける、いい加減なレビュワーに叩かれるかもしれない。だがプレイヤーとしての自分は使い古された「上は上、下は下、左は左、右は右、ボタンはジャンプかショット」という操作システムはもうたくさんだ、と思ってきている。 私はManic Minder、Defender、Scramble、スペースインベーダーといったゲームにただ素敵な音楽とよいグラフィックを飾り付けた焼き直しではなく、新しく学ぶことがあるゲームが好きだ。 私が好きなゲームは、難しく、興味深く、変わっていて、そして、可笑しいものだ。

頭の中に少なくとも5個のC64のゲームデザインの種がある。一つずつ研究しているところだが、ペルーから帰るまでどれにするかは決めないことにしよう。 アンデスでの2週間でなにかとても新しい素晴らしいゲームのアイデアが浮かぶかもしれない。 それがなんであろうと、筋金入りのものになるだろう。そう約束する!

Apple開発システムを使った最初のゲームを作りあげて、このシステムにとても満足している。 MSXを発掘して、Gridrunnerを書き始められるようにディスクドライブが来るのを待っている… 私のInterpodと4040は吹っ飛んでしまったので、昔の1541に戻っている。Ancipitalを作っている間に、Williamsの素晴らしいDefender/Stargateマシンが届いた。この世界で一番意地悪なゲームに違いないが、それでも驚くほど楽しく、グラフィックにも圧倒される。 すべてのビデオゲームの中で一番強烈な満足感があるのは、Pod Intersect 00に到着してスマートボムボタンを押したその瞬間だ。ゲーム全体がスローになり、いたるところにPodの欠片がまき散らされる。 暗くした部屋で、音楽をかけてStargateに入りこむのは本当に素晴らしい。 ロックについていえば、まだ昨夜のD10のコンサートでの耳鳴りが残っている。エジプト風のテーマで、とてもいいコンサートだった。ミュータントラクダがいないのは残念だったが!

7: Pods 'n' Swarmers...


面白いかもしれないいろいろ… 前回のニュースレターの後いくつかのゲームを遊んだので、その中から面白かったものを再びおすすめしたい。 前号で紹介したRabbitのScrambleを欲しがっていた人へ。Rabbitが潰れたからといって絶望することはない。 Scrambleのプログラマはさらにゲームを改良して(元のゲームも既に素晴らしかったが!)、そのバージョンは新しいレーベルのMushroomsoftから発売される。 TasksetのAndy Walkerが彼らの新作のPoster Pasterを送ってくれた。 非常に楽しく、ウィットに富み、プログラムも素晴らしい。Tasksetの今までの最高傑作かもしれない。見逃さないように… 最近たくさん出たオリンピックゲームの中から、ActivisionのDecathlonとOceanのDecathlonを見てみた。 Activisionのものの方が好みだった。Oceanの方が背景グラフィックと音楽はよかったが、Activisionのものはスプライトが大きく、走りのアニメーションも素晴らしかったからだ。 ディスクドライブを持っているなら、EpyxのSummer Gamesは本当に素晴らしいグラフィックスでおすすめだ。 Parker BrosのGyrussは高いが、本物と同じように遊べて、サウンドトラックが最高だ。 Beebを持っている人はAarvarkのFrakが遊べて幸せだ。このヨーヨー洞窟人の素晴らしいゲームがC64にも移植されるといいと思う。 QuicksilvaはAnt AttackをC64向けに出している。Spectrumバージョンはよい出来だったが、少しスムーズではないところもあった。C64のスムーズスクロールとスプライトを活用していることを期待している。そうだとすれば珍しい3Dエフェクト表示で見る価値のあるタイトルだ。

ここで終ろう、Stargateが呼んでいる… ハイスコアや、なんでも面白いと思ったことを送ってほしい。 そうしてくれたら次のゲームの情報を教えてあげるかもしれない… Ancipitalをどう遊ぶのか興味がある。 誰かが100%に到達するまでまだしばらくかかるだろう!


ハイスコアや手紙はここに送ってほしい(訳注:旧住所省略)。 このふさふさな生き物は特にAncipitalの感想を聞きたいと思っている! また次号で。それまで耳にピンクフロイド、そしてあなたの生活にふさふさの偶蹄目が多くあらんことを!!