(サバイバル電池論1 --- 単3、単4電池編)
Sバイバル電池論の記事を書くのは時期尚早である。
震災の影響で、電池産業が加速度を増して進展しており、すべてが発展途上です。 またこの秋冬から復活すると噂されているエコポイントの影響も あるでしょうし、これからここで書くことは半年後には 全く時代遅れになっているかもしれませんが、とりあえず この夏を節電軍団で快適に乗り切り、万一ライフラインが止まった状況でも 1週間はSバイバルできるよう、防災を意識した電池論を 書いてみようと思います。そんなわけなので大規模蓄電池や ベランダソーラー発電に絡む鉛蓄電池といったものではなく、 照明、携帯電話・スマートフォン、 パソコンなどを動かすための(ポータブルな)電池論がメインです。 ほとんどが単3電池、単4電池を念頭に書かれてます。
そのような電池ですが、まず超大別すると、 充電池と(使い捨て)乾電池に分かれます。 乾電池もいくつか種類があって、 (i) マンガン乾電池, (ii) アルカリ乾電池, (iii) リチウム乾電池 あたりが代表的です。 アルカリが最もポピュラーですが、防災的には最後の リチウム乾電池がどう考えても最適です。アルカリ乾電池の約7~8倍ももち、 軽量で、自然放電も少なく消費期限も驚異的に長い(約15年!)のです [レヴュー]。 ただしその分単価が高く絶滅寸前で、 現在ではエナジャイザーしか販売されてないようです:
エナジャイザーリチウム乾電池 単3 (国内最安相場価格1本200円弱 [アマゾン] [ヤフー] [価格比較(ベストゲート)] [Amazon US(36本)] [Amazon US(24本)] [Amazon UK(6本)] )
エナジャイザーリチウム乾電池 単4 (国内最安相場価格1本200円弱 [アマゾン] [ヤフー] [価格比較(ベストゲート)] [Amazon US] [Amazon UK(6本)] )
上記の通り海外で購入することができれば比較的安く(1本150円程度で)手に入ります。 (なお海外では、単3は「AA」、単4は「AAA」と表示されてます。) カメラ店で取り扱われていることが多く、特価セールを狙うという手もあります。 ヤフーオークションでたまにまとめ売りされていたりもします。 震災時には家庭用AC電源コンセントでの充電ができなくなる可能性がありますので、 ソーラー充電器といった発電アイテムがなければ、 少々値段が高くても、リチウム乾電池を必要最小数だけ 買い置きしておくのが、やはり安心だと言えます。
さて、以上は乾電池論ですが、 時代はエコであり、乾電池よりも充電池の方がメジャーとなりつつあります。 特に防災という観点から考えても、 ちゃんとしたソーラー充電器さえ手に入っていれば、 何度でも使えるという点でやはり重宝します。 充電池もエネループをはじめとしていろいろな種類がありますが、 主流のニッケル・水素充電池に限れば性能に今のところ大差はないように 思えますので、ここではバリエーション豊富な エネループを紹介いたします。
サバイバル照明論でも書きましたが、 汎用性(特に災害時の充電)という点で、 単3形(1本あたりの電池容量Min.1900mAh)および 単4形(1本あたりの電池容量Min.750mAh) を取り揃えておくのがよいでしょう(単1、単2には 電池スペーサー (単3(最大3本)→単1) でアダプター変換すれば化かすことができます)。 カラバリも実は豊富です: [eneloop chocolat 単3] [eneloop chocolat 単4](共に11/14発売:10/26追記) [eneloop tones 単3(製造中止)] [eneloop tones glitter 単3(製造中止)] [eneloop tones glitter 単4(製造中止)]。 色別に使用すれば電池残量の把握もしやすく楽しいですが、 すべて限定品のためすぐ品不足となりますのでお早めに。
上記モデルはすべて「使用回数1500回」とのことなので超エコで経済的です。 自然放電も少なく、液漏れも起こりにくいと言われていて、 いいことづくめです。ただし、この種のニッケル・水素充電池は 公称電圧が1.5ボルトではなく、1.2ボルトですので、 一部の電化製品には適用できない可能性があります。 (経験上ほとんどは大丈夫です。少なくとも照明関係は問題ないような気がします。)
エネループはバリエーションが豊富で以下のような特色ある 製品も続々登場しています:
eneloop lite 単3 (容量を半分に減らして(Min.950mAh)、 軽量化・低価格化・長寿命化を実現。使用回数2000回)
eneloop lite 単4 (容量を減らして(Min.550mAh)、 軽量化・低価格化・長寿命化を実現。使用回数2000回)
eneloop pro 単3 (容量を25%増やした(Min.2400mAh)。使用回数500回)
eneloop plus 単3 ((プラスマイナス逆にするなど)誤使用時の発熱を抑制。 お子様にも安心)
(サバイバル電池論2 --- 充電編)
さて、電池論に引き続き、サバイバル充電について書きます。
まずは、汎用性のある単3充電池の充電についてですが、 エネループライフをエンジョイされてる方は、すでに 単3・単4急速充電器や ユニバーサル充電器あたりをお持ちかと思いますが、 震災で電気が止まったような状況では、 これをAC電源コンセントに差して使うことはもちろんできません。 外に避難することも考慮して、軽量コンパクトなソーラー充電器を 備えておくのがベストだと思いますが、大抵の市販製品は、 ソーラーパネル部の面積がとても小さくて、 電池・携帯機器を毎日必要なだけ充電するにはまったく不十分です (例えば、 これだと単3電池2本の充電に最短14時間かかるようです。 実際使用すればこの2倍ぐらいは普通にかかりますので、 非常時の需要にまったく追いつきません)。 さらに、リチウムイオン充電池と合体したモデルも見かけますが、 リチウムイオン充電池は高温に弱いので、 炎天下での充電は実用上好ましくないと思われます。
唯一ぎりぎり実用に耐えうるものとして (少し値段が高いですが)以下のものをおすすめします:
PowerFilm USB + AA SOLAR CHARGER:単3電池2本を約5時間で満充電+USB出力有 (国内代理店価格9300円 [アマゾン(6620円+送料:9/2)] [Amazon US(83ドル)] )
PowerFilm AA SOLAR CHARGER:単3電池4本を約7時間で満充電 (国内代理店価格8900円 [アマゾン(8900円:9/2)] [Amazon US(83ドル)] )
ともに3月以降注文が大殺到で、7月下旬に パワーフィルム日本代理店(10500円以上送料無料)に 問い合わせたところ「200人待ちです」との絶望的な回答を いただきましたが、防災月間9月に入ってなぜか突然上記のように アマゾンに在庫が潤い価格崩壊が始まりました。ただし在庫品は並行輸入品の ようなので保証に関して気になる方は出品者に問い合わせた方が よろしいかと思われます。なお、単4電池への充電は、 電池スペーサー(単4→単3)を利用するといいでしょう。 それから、上記モデルのUSB出力で iphone4が充電できたという報告が ありますが、日照が弱いと失敗することもあります。 そのようなときは電池にまず地道に充電して、 その電池を何本か用いて給電するという方法もあります:
乾電池式充電器 バッテリーチャージャー (単3電池4本。乾電池でも給電可。出力電流は最大0.8A)
バード電子 DC-Pod HC-5VS (単3電池4本。乾電池でも給電可。出力電流は1A)
ノービル JUICE (単3 or 単4電池2本。出力電流は1A)
eneloop stick booster (単3電池2本。出力電流は0.5A)
充電池+ソーラー充電器という発想はやめて、 大量の単3電池(リチウム乾電池がベスト)と これらの機器(電池→USB出力)の組み合わせで 乗りきるという手もあります。さらに、例えば 乾電池式バッテリーケースとかいったものをプラグ変換して活用すれば、 単3電池8本から12V(あるいは9.6V)の電流が取り出せて、 直流12Vの電化製品(カー用品)が動くかもしれませんし、 工夫すればノートパソコンへの給電も可能になるかもしれません。
なお、iPadといった大容量携帯機器は、 普通のUSB出力電流(0.5A)では充電できません。 出力電流をアップさせるアイテムを紹介しておきます(ただし どちらもさまざまな機器の組み合わせで実際充電可能かどうかは不明です):
サンワサプライ iPad充電&同期ケーブル 500-USB008 ごくたまに980円セールがある
携帯電話やモバイル機器をよく使う方は、その給電に特化した もう少し大容量&高出力の充電アイテムを普段から持っておいてもいいでしょう:
Panasonic Charge Pad QE-PL201 (容量5400mAh) 出力電流1.5AでiPadも軽く充電されます
Power-Pond LE-UBT12K-WH (容量12000mAh) 4/12追加、出力電流最大2A
ノートパソコンへの給電もできる、さらに大容量の リチウムイオン充電池もあります:
大容量充電池へのソーラー充電には、 PowerFilm Foldable Solar Chargerシリーズのように それなりの出力を持ったソーラーパネルが必要となります。 「(5Wモデルの)F15-300NでEnergizer XP18000を満充電するのに 晴天時でも最低45時間以上かかる」との ことですので、20W以上のモデルが望ましいですが、 かなり高価(4万円以上)です。(ベランダ発電用のパネルならもっと安価な ものがたくさんありますが、ベランダ設置に許可が必要だったり、 非常用には重すぎだったりしますので、ここでは紹介しません。) Amazon USなら比較的安価です(現時点で [5W(70ドル)] [10W(110ドル)] [20W(271ドル、5月末は209ドル)] [30W(401ドル、5月末は290ドル)] [60W(871ドル)] となっています)。 なお、付属のシガーソケットにインバーターを介せば、 直つなぎで電化製品を動かすこともできますが、大抵の安いインバーターは 矩形波か疑似正弦波の交流出力なため、正常に動作する保証はありません。 (出力電流値が日照に依存して不安定なため故障する可能性もあります。)
さて、ここまで取り揃えることができれば、いざというときでも、 灯りがともり本が読めて計算もできて、 携帯電話・スマートフォンで情報収集・情報交換(ダベリアン)ができて、 iPadでarXivや論文が読めて、PCで論文作成ができて、 DイソンにPTPスタイルで送りつけることができるわけです。 日常生活でも、ソーラーパネルを腰に巻いて、 頭の上に取りつけたモーターでプロペラとか回したら、 「まちの発電おじさん」として、たちまち人気者になれます。 時代はソーラーですね。
その他電池に関する役立ちアイテムを紹介しておきます:
電池残量チェッカー [デジタル(単4電池1本)] [アナログ(電池不要)] 残量の異なる電池を一緒に使うと 液漏れの恐れがあります
アナログテスター(電流・電圧など、単3電池1本) 適正電圧で給電しないと機器が壊れることがあります (特にノートパソコン:経験者談)