(サバイバル電池論1 --- 単3、単4電池編)
Sバイバル電池論の記事を書くのは時期尚早である。
震災の影響で、電池産業が加速度を増して進展しており、すべてが発展途上です。 とりあえず、万一ライフラインが止まった状況でも 1週間はSバイバルできるよう、防災を意識した電池論を 書いてみようと思います。大規模蓄電池や ベランダソーラー発電に絡む鉛蓄電池といったものではなく、 照明、携帯電話・スマートフォン、 パソコンなどを動かすための(ポータブルな)電池論がメインです。 ほとんどが単3電池、単4電池を念頭に書かれてます。
そのような電池ですが、まず超大別すると、 充電池と(使い捨て)乾電池に分かれます。 乾電池もいくつか種類があって、 (i) マンガン乾電池, (ii) アルカリ乾電池, (iii) リチウム乾電池 あたりが代表的です。 アルカリが最もポピュラーですが、防災的には最後の リチウム乾電池がどう考えても最適です。アルカリ乾電池の約7~8倍ももち、 軽量で、自然放電も少なく消費期限も驚異的に長い(約15年!)のです [レヴュー]。 ただしその分単価が高く絶滅寸前で、 現在ではエナジャイザーのものしか販売されてないようです:
エナジャイザーリチウム乾電池 (国内最安相場価格1本200円弱)
上記の通り海外で購入することができれば比較的安く(1本150円程度で)手に入ります。 (なお海外では、単3は「AA」、単4は「AAA」と表示されてます。) カメラ店で取り扱われていることが多く、特価セールを狙うという手もあります。 ヤフーオークションでたまにまとめ売りされていたりもします。 震災時には家庭用AC電源コンセントでの充電はできないと考えた方がいいですので、 ソーラー充電器といった発電アイテムがなければ、 少々値段が高くても、リチウム乾電池を必要最小数だけ 買い置きしておくのが、やはり安心だと言えます。ただし、初期電圧が少し高め(1.7ボルト)ですので、デリケートな製品に使用する際は事前に動作確認されることをお薦めいたします(壊れたときの保障はいたしませんが。。)。
さて、以上は乾電池論ですが、 時代はエコであり、乾電池よりも充電池の方がメジャーとなりつつあります。 特に防災という観点から考えても、 ちゃんとしたソーラー充電器さえ手に入っていれば、 何度でも使えるという点でやはり重宝します。 充電池もエネループをはじめとしていろいろな種類がありますが、 主流のニッケル・水素充電池に限れば性能に今のところ大差はないように 思えますので、ここではバリエーション豊富な エネループを紹介いたします。
サバイバル照明論でも書きましたが、 汎用性(特に災害時の充電)という点で、 単3形(1本あたりの電池容量1900mAh)および 単4形(1本あたりの電池容量750mAh) を取り揃えておくのがよいでしょう(単1、単2が必要な場合には 電池スペーサー[単3(最大3本)→単1][単4(最大4本)→単2]でアダプター変換すれば化かすことができます)。 カラフルなシリーズもいろいろと発売されましたが、限定バージョンですぐ品不足となりますのでどうぞお早めに。 色別に使用すれば電池残量の把握もしやすく楽しいです。
上記モデルはすべて「使用回数1500~1800回」とのことなので超エコで経済的です。 自然放電も少なく、液漏れも起こりにくいと言われていて、 いいことづくめです。ただし、この種のニッケル・水素充電池は 公称電圧が1.5ボルトではなく、1.2ボルトですので、 一部の電化製品には適用できない可能性があります。 (経験上ほとんどは大丈夫です。少なくとも照明関係は問題ないような気がします。) それから、乾電池に比べて大きさがほんの少しだけでっかいため、出し入れが困難になる場合がたまにございます。
エネループは性能面でもバリエーション豊富で 以下のような特色ある製品も続々登場しています:
eneloop lite [単3(950mAh)] [単4(550mAh)] (容量を半分ぐらいに減らして軽量化・低価格化・長寿命化を実現。使用回数2000回)
eneloop pro [単3(2400mAh)] (容量を25%増やした。使用回数500回)
eneloop plus [単3] ((プラスマイナス逆にするなど)誤使用時の発熱を抑制。 お子様にも安心)
(サバイバル電池論2 --- 充電編)
さて、電池論に引き続き、サバイバル充電について書きます。
まずは、汎用性のある単3充電池の充電についてですが、 エネループライフをエンジョイされてる方は、すでに 単3・単4急速充電器や ユニバーサル充電器あたりをお持ちかと思いますが、 震災で電気が止まったような状況では、 これをAC電源コンセントに差して使うことはもちろんできません。 外に避難することも考慮して、軽量コンパクトなソーラー充電器を 備えておくのがベストだと思いますが、大抵の市販製品は、 ソーラーパネル部の面積がとても小さくて、 電池・携帯機器を毎日必要なだけ充電するにはまったく不十分です (例えば、 これだと単3電池2本の充電に最短14時間かかるようです。 実際使用すればこの2倍ぐらいは普通にかかりますので、 非常時の需要にまったく追いつきません)。 さらに、リチウムイオン充電池と合体したモデルも見かけますが、 リチウムイオン充電池は高温に弱いので、 充電効率を上げようと炎天下の直射日光で充電しようとすればするほど充電池が劣化していくという、製品として好ましくない事態に見舞われます。
唯一ぎりぎり実用に耐えうるものとして (少し値段が高いですが)以下のものをおすすめします:
PowerFilm USB + AA SOLAR CHARGER :単3電池2本を約5時間で満充電+USB出力有 [Amazon US(70ドル)]
PowerFilm AA SOLAR CHARGER:単3電池4本を約7時間で満充電 [Amazon US(112ドル)]
なお、単4電池への充電は、 電池スペーサー(単4→単3)を利用するといいでしょう。 実際使ってみると、なかなか優秀な充電効率で、窓枠に立てかけた状態でも 晴天であれば1日でかなり充電してしまいます。
上記モデルのUSB出力で 直接太陽光からiphone4が充電できたという報告が ありますが、日照が弱いと失敗することもあります。 そのようなときは電池にまず着実に充電して、 その充電済み電池から改めて給電すればいいでしょう(PowerFilm USB + AA SOLAR CHARGERではこのような使い方が推奨されています)。電池から機器への給電アイテムとしては例えば以下のものがございます:
ELECOM モバイルバッテリー 乾電池 DE-A01D-1908シリーズ (単3電池4本。乾電池でも給電可。出力電流は最大0.8A)
バード電子 DC-Pod MHC-05B-1.2 (単3電池4本。乾電池でも給電可。出力電流は1.2A。3年保証):「1.7V対応」とリチウム乾電池対応が明記されている唯一の機種です
eneloop stick booster (単3電池2本。出力電流は0.5A)
これらは、(電池)→(機器)という給電専用用途ですが、 最近は、((充)電池)→(機器)という(充)電池から機器への給電だけでなく、(USB, AC)→(充電池)という電源から充電池への充電という2役が同時にこなせる アイテムも登場しています(ただし充電池の充電に比較的時間がかかります):
MyCharger USB Pro MCUSBPRO (4本充電10時間、単3のみ、出力電流最大1A)
東芝 IMPULSE TNHC-34AS (4本充電6時間、単3単4両方OK、出力電流最大1A)
携帯電話やモバイル機器をよく使う方は、その給電に特化した もう少し大容量&高出力の(通常はリチウムイオン電池内蔵の)充電アイテム (いわゆる「モバイルバッテリー」)を普段から持っておられるかと思います。 これはすでに膨大な市場と化しており、手持ちのモバイルアイテムの容量や カバンのすき間容量・形状に応じて最適なものを選ぶことができます。 価格コムでめぼしい商品にチェックを入れて製品比較することもできます。 (たとえば、こんな感じ)
ノートパソコンへの給電もできる、さらに大容量の リチウムイオン充電池もあります:
なお、iPadといった大容量携帯機器は、 普通のUSB出力電流(0.5A)では充電できません。 出力電流をアップさせるアイテムを紹介しておきます(ただし どちらもさまざまな機器の組み合わせで実際充電可能かどうかは不明です):
充電池+ソーラー充電器という発想はやめて、 大量の単3電池(リチウム乾電池がベスト)と これらの機器(電池→USB出力)の組み合わせで 乗りきるという手もあります。さらに、例えば 乾電池式バッテリーケース[単3×8本][単3×10本]とかいったものをプラグ変換して活用すれば、 単3電池8本から12Vの電流が取り出せて、 直流12Vの電化製品(カー用品)が動くかもしれませんし、 工夫すればノートパソコンへの給電も可能になるかもしれません。
超高価ですが、製品化されたものもあります:
バード電子MacBook Air 外部電源 EP-15V (定価19800円、単1電池8本、出力15V、最大25W)
Macbook Air 11用に最適化されて作られていますが、 他の低電力ノートPCにもおそらく使えます。 また、カーバッテリー用インバータ(例:セルスターHG-150/12V)を介して 低電力な家電を動かすことも可能です。H中&MKB48は、このウルトラ高級品EP-15V(当時の定価23000円@@)を 展示使用アウトレットで半額ゲトいたしました。 それでも高かったですが、上記の組み合わせでさまざまな家電 が動いたときは、Sバイバルの新しい地平を予感しました☆
大容量充電池へのソーラー充電には、 PowerFilm Foldable Solar Chargerシリーズのように それなりの出力を持ったソーラーパネルが必要となります。 昔のPowerFilmのHPに、 「(5Wモデルの)F15-300NでEnergizer XP18000を満充電するのに 晴天時でも最低45時間以上かかる」と ありましたので、20W以上のモデルが望ましいですが、 かなり高価(4万円以上)です。(ベランダ発電用のパネルならもっと安価な ものがたくさんありますが、ベランダ設置に許可が必要だったり、 非常用には重すぎだったりしますので、ここでは紹介しません。) Amazon USなら比較的安価です(現時点で [5W(70ドル)] [10W(110ドル)] [20W(271ドル、2011年5月末は209ドル)] [30W(401ドル、2011年5月末は290ドル)] [60W(871ドル)] となっています)。 なお、付属のシガーソケットにインバーターを介せば、 直つなぎで電化製品を動かすこともできますが、大抵の安いインバーターは 矩形波か疑似正弦波の交流出力なため、正常に動作する保証はありません。 (出力電流値が日照に依存して不安定なため故障する可能性もあります。)
さて、ここまで取り揃えることができれば、いざというときでも、 灯りがともり本が読めて計算もできて、 携帯電話・スマートフォンで情報収集・情報交換(ダベリアン)ができて、 iPadでarXivや論文が読めて、PCで論文作成ができて、 DイソンにPTPスタイルで送りつけることができるわけです。 日常生活でも、ソーラーパネルを腰に巻いて、 頭の上に取りつけたモーターでプロペラとか回したら、 「まちの発電おじさん」として、たちまち人気者になれます。 時代はソーラーですね。
その他電池に関する役立ちアイテムを紹介しておきます:
電池残量チェッカー(残量の異なる電池を一緒に使うと 液漏れの恐れがあります)
ヤザワ MW01SV (デジタル、単4電池1本)
ミニ電池チェッカー CV-05(アナログ、電池不要)
アナログテスター(電流・電圧測定など)[ELPA] 適正電圧で給電しないと機器が壊れることがあります (特にノートパソコン:経験者談)
電池ケース
サンワサプライ [単3×4本] [単4×4本] [単3&単4×約10本] [単3×12本&単4×16本]
タミヤ [単3×12本]
マルチ電池収納ケース [単1~4×多数]