共知塾・第十回(2023/621

三田キャンパス  / オンライン



2023年621日()16:00 - 18:00(最長19:00)に、第13回共知塾をハイブリッド形式で開催しました。

前半  稲見 昌彦氏 (東京大学 先端科学技術研究センター 教授) 

タイトル

からだ」の自在化から「こころ」の自在化へ

概要

現在我々はSociety4.0とも位置付けられる情報化社会に生きている。

そして情報化とは脱物質化・脱身体化とも換言できる。

情報化により様々なサービスやビジネスが生まれた。

今回のコロナ禍であっても、大学や企業において講義や会議を辛うじて行うことができたのも情報化の貢献といえる。

しかしながら、現状の遠隔会議システムをはじめとする情報ツールを介したコミュニケーションにおける身体性の喪失により、諸問題が顕在化しつつある。

テレイグジスタンス技術やアバター技術、触覚技術などは情報化社会に身体性を取り戻す、いわばポスト身体社会を目指した試みともとらえることができる。

本講演では、ポスト身体社会における多様な身体性を扱うための研究「自在化身体」について紹介するとともに、

Society5.0における「こころ」と「からだ」の新たな関係を展望する。 


略歴

東京大学大学院工学系研究科博士課程修了 博士(工学)。電気通信大学、慶應義塾大学等を経て2016年より現職。

自在化技術、人間拡張工学、エンタテインメント工学に興味を持つ。

米TIME誌Coolest Invention of the Year、文部科学大臣表彰若手科学者賞などを受賞。

超人スポーツ協会共同代表、情報処理学会理事、日本バーチャルリアリティ学会理事、日本学術会議連携会員等を兼務。

著書に『スーパーヒューマン誕生!人間はSFを超える』(NHK出版新書)、『自在化身体論』(NTS)他。 

後半 和泉 潔氏 (東京大学大学院 工学系研究科システム創成学専攻 教授


タイトル

なぜAIによる経済予測が難しいのか? 機械学習とシミュレーションの融合による経済的因果分析

概要

金融市場や景況などの経済現象を予測するためには、単に大規模データを解析するだけではなく、そこに関わっている人々がどのような因果関係で経済が動いていると考えているのか、その考えに基づいてどう経済活動をしているかを知ることが必要不可欠である。本講演では、データ解析による統計的因果と、言語データから抽出された人間が認識する社会的因果を相互補完して統合する、新たな経済分析のアプローチを紹介する。 


略歴

1993年東京大学教養学部基礎科学科第二卒業.1998 年同大学院 総合文化研究科 広域学専攻 博士課程修了.博士(学術).同年より2010年まで、電子技術総合研究所(現 産業技術総合研究所) 勤務.

2010年より東京大学大学院工学系研究科 システム創成学専攻 准教授.

2015年より同教授.マルチエージェントシミュレーション、特に社会シミュレーションに興味がある.IEEE、人工知能学会、情報処理学会、電子情報通信学会会員. 

2023年度 年間スケジュール

開催日程 (16時-18時)※最長19時

4月27日 三田・東館6階G-Lab(三宅 陽一郎氏, 栗原 聡氏)

5月26日  三田・東館4階オープンラボ(髙屋 英知氏, 中西 泰人氏)

6月21日  三田キャンパス(稲見 昌彦氏, 和泉 潔氏)

7月20日  三田キャンパス(須賀 聖氏, 山本 仁志氏)

9月22日  三田キャンパス(SFVプロジェクト最新研究発表)

10月25日  三田キャンパス(安藤 寿康氏, 吉村 公雄氏)

11月17日  三田キャンパス(大屋 雄裕氏, 稲葉 通将氏)

12月21日  三田キャンパス(秋山 英三氏, 王 亜楠氏)

1月24日  三田キャンパス(人工知能学会・倫理委員会メンバー討論会)

2月22日  オンライン開催(鳥海 不二夫氏,学生セッション)