共知塾・第回(2022/12/14

三田キャンパス東館6階 G-Lab  /オンライン



2022年1214日()に、第7回共知塾をハイブリッド形式で開催いたしました

第7回は、今井倫太氏、山本龍彦氏による講演が行われました。

会場の三田キャンパス、そしてオンラインからも多数ご参加いただき、

講演後には活発なディスカッションも行われました。

ご参加いただいた皆様、どうもありがとうございました。

前半  今井 倫太氏(慶應義塾大学・理工学部教授)

タイトル

人がAIに求める人性

概要

深層学習により人の言葉や画像を理解し、あたかも人が返答しているかのような出力をすることのできる人工知能プログラムが登場しつつある。一方で、人は意図を持っているかのように動くものに対して、人の心に近いものであると想像しながら接してしまう。アニメーションや人形劇といった、本当は心の無い対象に対しても、心がある登場人物として解釈し、作品を楽しむことができるのも人間のこの特徴に起因している。本講演では、人工知能に対しても心を見出してしまう人間にまつわる問題を紹介し、将来の人工知能システムのあり方について解説する。

プロフィール

1992年慶應義塾大学理工学部電気工学科卒業.1994年同大学大学院計算機科学専攻修士課程修了.同年,NTTヒューマンインタフェース研究所入社.1997年ATR知能映像通信研究所へ出向2002年慶應大学大学院理工学研究科後期博士課程修了.博士(工学).2009年-2010年シカゴ大学客員研究員. 現在,慶應大学理工学部情報工学科教授およびATRインタラクション科学研究所 客員研究員.2017年ドコモモバイルサイエンス賞社会科学部門優秀賞受賞. 人型ロボットや自律エージェントと人とのインタラクションの研究に従事.情報処理学会,電子情報通信学会,人工知能学会,日本認知科学会,日本ロボット学会, ヒューマンインタフェース学会,ACM,IEEE各会員.

後半 山本 龍彦氏(慶應義塾大学・大学院法務研究科 教授

タイトル

アテンション・エコノミーとプラットフォーム

概要

プラットフォーマーの台頭により、「アテンション・エコノミー」と呼ばれるビジネスモデルが言論空間を席巻している。この空間においては、アテンション(エンゲージメント)の苛烈な奪い合いが起き、いかに質の高い情報を提供するかよりも、いかにユーザーの認知領域を「刺激」できるかが重要になる。誹謗中傷やフェイクニュースが横行し、エコーチェンバーや分断が生じる構造的原因はここにある。こうした状況のなかで、プラットフォームは何を目指すべきか。AI倫理の観点も踏まえて、アテンション・エコノミー下におけるプラットフォームやメディアの役割について論じる。

プロフィール

1976年生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。慶應義塾大学法学研究科博士課程単位取得退学。慶應義塾大学博士(法学)。慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート(KGRI) 副所長。総務省「プラットフォームサービスに関する検討会」委員、経済産業省「データの越境移転に関する研究会」座長、総務省「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」委員なども務める。主な著書に『デジタル空間とどう向き合うか』(日経BP、共著)、『憲法学のゆくえ』(日本評論社、共編著)、『おそろしいビッグデータ』(朝日新聞出版)、『AI と憲法』(日本経済新聞出版社)、『憲法学の現在地』(日本評論社、共編著)など。

2023年度 年間スケジュール

開催日程 (16時-18時)※最長19時

4月27日 三田・東館6階G-Lab(三宅 陽一郎氏, 栗原 聡氏)

5月26日  三田・東館4階オープンラボ(髙屋 英知氏, 中西 泰人氏)

6月21日  三田キャンパス(稲見 昌彦氏, 和泉 潔氏)

7月20日  三田キャンパス(須賀 聖氏, 山本 仁志氏)

9月22日  三田キャンパス(SFVプロジェクト最新研究発表)

10月25日  三田キャンパス(安藤 寿康氏, 吉村 公雄氏)

11月17日  三田キャンパス(大屋 雄裕氏, 稲葉 通将氏)

12月21日  三田キャンパス(秋山 英三氏, 王 亜楠氏)

1月24日  三田キャンパス(人工知能学会・倫理委員会メンバー討論会)

2月22日  オンライン開催(鳥海 不二夫氏,学生セッション)