共知塾・第二十回(2024/2/22・

オンライン(Zoom)開催 



20242月22日(20回共知塾を開催しました

ご参加くださった皆様、ありがとうございました。

前半 鳥海 不二夫氏(東京大学大学院・工学系研究科システム創成学専攻・教授

タイトル

情報空間とリスクと情報的健康

概要

情報化社会以降,大きく変貌する現代の情報空間において、その現状がどのようになっているのかを理解し、その社会的リスクについて社会データ分析の観点から説明する。

また、その解決困難な問題へのアプローチの一つとして情報的健康という概念について議論する。



略歴

2004年東京工業大学大学院理工学研究科博士課程修了 博士(工学)、2021年東京大学大学院工学系研究科教授。計算社会科学、人工知能技術の社会応用などの研究に従事。計算社会科学会副会長、情報法制研究所理事、人工知能学会編集長、電子情報通信学会、情報処理学会、日本社会情報学会、AAAI各会員。科学技術・学術政策研究所が科学技術の振興・普及に顕著な貢献をした人を選ぶ「ナイスステップな研究者」を2018年に受賞。主な著書に『強いAI・弱いAI 研究者に聞く人工知能の実像』『計算社会科学入門』『デジタル空間とどう向き合うか 情報的健康の実現をめざして』

後半 慶應義塾大学・栗原研究室 学生セッション

<1>大﨑 湧也氏(慶應義塾大学・理工学研究科・開放環境科学専攻・修士2年

タイトル

プロアクティブセンシング・動的プランニングによる視覚障がい者のための実環境における歩行支援システムの提案

概要

視覚障がい者の歩行支援において物体検出技術は周囲の物体情報を伝達する技術として大きな役割を果たすが、小物体の検出は困難な課題とされている。本研究では動的プランニングを基に決定した目的物体の検出に絞ったプロアクティブセンシングをおこなうことで高速で高精度な検出を可能にする。それぞれの有効性を確かめる実験により、ユーザに必要な情報を必要な時により高速に検出できることが確認できた。


<2>小林 伶央氏(慶應義塾大学・理工学研究科・開放環境科学専攻・修士2年

タイトル

大規模言語モデルを活用したメタプランニング手法の提案

概要

自律エージェントの研究は急速に進展しており、エージェントが複雑な環境で人間のように計画を立てる能力が求められている。その中で人間の環境に適応し目的を選択する能力の模倣は重要である.本研究では、この能力を実現するために、大規模言語モデルを用いた手法を提案する。この手法は、環境に応じて欲求値を調整し、欲求値と恒常性を考慮して目的を選択する。実験より、この手法が欲求に基づく自律的な目的選択を実現することを確認した。


<3>若林 直希氏(慶應義塾大学・理工学研究科・開放環境科学専攻・修士2年

タイトル

人口分布データを反映したマルチエージェントシミュレーションによる感染拡大分析

概要

COVID-19の感染拡大、および5類移行を踏まえて、少ないデータでも継続的に感染拡大を検知することは重要である。我々はべき乗則に基づく人間の行動とスモールワールド型の移動ネットワークを反映したマルチエージェントシミュレーションを構築してきた。本研究では、モバイル空間データ、および週報告の定点把握による感染者数データをシミュレーションに活用した。シミュレーションによって感染者の再現と将来の感染者数推定を行い、継続的な感染拡大検知を行うことのできるシミュレーションを構築した。

2023年度 年間スケジュール

開催日程 (16時-18時)※最長19時

4月27日 三田・東館6階G-Lab(三宅 陽一郎氏, 栗原 聡氏)

5月26日  三田・東館4階オープンラボ(髙屋 英知氏, 中西 泰人氏)

6月21日  三田キャンパス(稲見 昌彦氏, 和泉 潔氏)

7月20日  三田キャンパス(須賀 聖氏, 山本 仁志氏)

9月22日  三田キャンパス(SFVプロジェクト最新研究発表)

10月25日  三田キャンパス(安藤 寿康氏, 吉村 公雄氏)

11月17日  三田キャンパス(大屋 雄裕氏, 稲葉 通将氏)

12月21日  三田キャンパス(秋山 英三氏, 王 亜楠氏)

1月24日  三田キャンパス(人工知能学会・倫理委員会メンバー討論会)

2月22日  オンライン開催鳥海 不二夫氏,学生セッション