共知塾・第回(2022/06/23)来往舎

2022年6月23日(木)に、第2回共知塾を開催いたしました!

日吉キャンパスの会場とオンラインから、多くの方にご参加いただきました。

第2回は、大澤博隆氏、手塚眞氏による講演が行われました。

研究者とクリエーターという、異なる立場からAIを捉えたお話は、参加者皆さま方にとって大きな刺激となる内容でした。

前半 大澤博隆氏(慶應義塾大学理工学部・准教授

タイトル

ヒューマンエージェントインタラクション:人工他者による拡張社会像

概要

ヒューマンエージェントインタラクション(HAI)は、人間から見たときに意図があるように見える人工他者を社会に含めることで、人間にとってどのような効用が生まれ得るかを探る学問である。サイボーグ技術が我々個人の能力を拡張するように、HAIは、人工的他者を加えて我々が住む人間社会自体を拡張する技術である。HAIは対人ロボットからテレプレゼンス、ビデオゲーム、倫理やフィクションまで含めた広い領域を対象とする学問となりつつある。本発表では本研究者がこれまで行ってきた擬人化研究、教育研究、ゲーム研究、SFとエージェントに関するHAI研究を紹介し、未来社会のビジョンを描く。 


後半 手塚眞氏(ネオンテトラ

タイトル

機械の中の創造主 ークリエイターは科学技術から何を生み出すか

概要

創作活動は純粋に人間的な行為だと見做されている。科学技術はそのための道具に過ぎない。しかし、時として道具がクリエイターを導くことがある。特に映像芸術の分野では、編集技術やCGIなど技術が果たす役割は大きい。デジタルが全盛の現代において、技術は道具以上の役割を果たすのではないか。AIの活用が創作活動にどのような可能性を持っているのだろうか。果たしてAI は創作ができるだろうか。クリエイターの立場から探ってゆく。また、偶然というものが如何に創作に重要であるかも併せて解説する。 


大澤 博隆氏】

2009年慶應義塾大学大学院理工学研究科開放環境科学専攻博士課程修了。2022年より、慶應義塾大学理工学部管理工学科准教授/筑波大学システム情報系客員准教授、HAI研主宰者。ヒューマンエージェントインタラクション、人工知能の研究に幅広く従事。共著として「人狼知能:だます・見破る・説得する人工知能」「人とロボットの〈間〉をデザインする」「AIと人類は共存できるか」「信頼を考えるリヴァイアサンから人工知能まで」「SFプロトタイピング:SFからイノベーションを生み出す新戦略」など。監修として「アイとアイザワ」「SF思考ビジネスと自分の未来を考えるスキル」など。人工知能学会、情報処理学会、日本認知科学会、ACM等会員、日本SF作家クラブ理事。博士(工学)。

手塚 眞氏】

1961(昭和36)年、漫画家・手塚治虫の長男として東京に生れる。ヴィジュアリスト。1978年、高校在学中に監督した「FANTASTIC★PARTY」で注目を集める。1999(平成11)年、「白痴」でヴェネツィア国際映画祭デジタル・アワードを受賞。2006年、テレビアニメ「ブラック・ジャック」で東京アニメアワードTV部門優秀作品賞に選出される。主な監督作品に「星くず兄弟の伝説」「妖怪天国」「ブラック・キス」「ばるぼら」。著書に『ブラックモーメント』『ファントム・パーティ』『ヴィジュアル時代の発想法―直感をいかす技術―』『手塚治虫―知られざる天才の苦悩―』などがある。一般財団法人手塚治虫文化財団代表理事。株式会社手塚プロダクション取締役。有限会社ネオンテトラ代表取締役。

2023年度 年間スケジュール

開催日程 (16時-18時)※最長19時

4月27日 三田・東館6階G-Lab(三宅 陽一郎氏, 栗原 聡氏)

5月26日  三田・東館4階オープンラボ(髙屋 英知氏, 中西 泰人氏)

6月21日  三田キャンパス(稲見 昌彦氏, 和泉 潔氏)

7月20日  三田キャンパス(須賀 聖氏, 山本 仁志氏)

9月22日  三田キャンパス(SFVプロジェクト最新研究発表)

10月25日  三田キャンパス(安藤 寿康氏, 吉村 公雄氏)

11月17日  三田キャンパス(大屋 雄裕氏, 稲葉 通将氏)

12月21日  三田キャンパス(秋山 英三氏, 王 亜楠氏)

1月24日  三田キャンパス(人工知能学会・倫理委員会メンバー討論会)

2月22日  オンライン開催(鳥海 不二夫氏,学生セッション)