「生徒一人ひとりの興味や関心が異なったり、学力に幅があったりするにもかかわらず、同一の学習内容・方法で果たして本当に学びになっているのか」という問題意識を踏まえて、研究テーマを設定しました。課題解決に向け、新学習指導要領の柱である、資質・能力の育成を目指す主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に焦点をあて、学校の教育力向上をめざしています。
2021年度は「生徒一人ひとりの学びを深める授業」というテーマを設定し、学校全体で授業改善を行っています。学校のめざす生徒像(目標)を全体で共有をした上で、個別最適な学びと協働的な学びの充実を図るべく、授業におけるICTの活用や探究学習と連携するなど、「生徒一人ひとりの学びを深める」様々な指導方法を実践・研究するサイクルを実践しています。
学校としてめざすものを全教員で共有すべく、めざす生徒像を設定しました。
目標はトップダウンで与えられるものではなく、各実践者が設定するものと考えられます。そのため、まず各教科で目標設定→その集合体として学校がめざすものとは?という順序で、考えていきました。
上のフレーズに、各教員の願いや課題意識が集約されています。以下はその詳細です。
①各教科がめざす生徒像 (開くことができます)
様々な言語活動や文化・文献に興味関心を持って向き合い、思考力や探究心を深めたり、人間の心情理解に努めたりしながら、それを実際の生活に活かしていこうとする生徒。
グローバル化する国際社会において調和ある世界の発展に主体的に貢献できる人物。
主体的に学びに向かい、自分の考えを表現できる。現実世界および他分野とのつながりを意識できる。学んだ数学を体系的に理解し、新たな概念を生み出し、活用していくことができる。
身近な現象、自然現象に興味・関心をもち、常に自身の「問い」を設定できる。
「問い」に対し、主体的に観察や実験を行い、自身の考察を説明できる。
自己と他者を大切にし、協働・協調の姿勢でコミュニケーションを図ろうとする。学習内容のなりたちやルールなどの本質を捉え、自分や環境を俯瞰する中で、健康で安全な集団形成に向けたよりよい解決方法を創造できる。それらを体現できる基礎体力・技能を身に着ける。
グローバルかつ多角的な視点で物事を捉え、主体的に学び論理的に考えて自己の考えを表現できる。
他言語を学ぶことで自らの視野を広げ、様々な価値観を通して自己肯定感を高めることができる。
②学校がめざす生徒像(開くことができます)
各教科がめざす生徒像から共通項を見出し、学校全体でめざす生徒像を、以下の2文にまとめました。
・主体的に物事を探究し、学びから得た知見を実社会・実生活に活かして、課題解決を図ることができる。
・学びの中で論理的かつ多角的な視点を育み、自他ともに尊重しながら、協働的で調和ある社会づくりに貢献できる。
この2文をさらに凝縮したものが、冒頭の「学校がめざす生徒像」です。各教員の願いや課題意識が集約されたものを掲げています。
「授業見学の推進」
日常的に授業見学は可能ですが、前後期毎に約2ヶ月間ずつ重点期間を設定し、積極的に見学を呼びかけます。
11月の一定期間は、同じキャンパスにある附属小学校・中学校の教員の見学も可能としています。
<目的>
・他の授業での生徒の様子を知り、より多面的に生徒の実態を把握する。
・授業見学により多様な指導法に触れ、学校全体の授業力向上を図る。
※推進策として、模造紙を掲示し、見学状況やコメントを見られるようにしています。また、おすすめの授業も案内しています。
職員室にて状況を可視化することで、教員の参加を促します。
教員連絡プラットフォームのTeamsで、授業の案内をして、見学を呼びかけます。
教職員の能力向上のため、関係教員と連携して定期的に研修を行っています。
研修内容(開くことができます)
第1回 4月「2021年度研究テーマ」
本校の役割やこれまでの研究活動、及び今年度の方針やスケジュールの確認
第2回 6月「救急救命講習」
一次救命(胸骨圧迫・人工呼吸・AED)の訓練
第3回 8月 「学びを深める学習環境について」
吹田市立第二中学校 福井貴博 先生による講演と教育研究部によるワークショップ
第4回 12月 「観点別評価」
大阪教育大学 八田幸恵 先生による講演
第5回 3月 「附属池田の国際教育」
大阪府立大学 伊井直比呂 先生による講演予定
多教科連携の横断的な学習により、高校生として深い総合的な「学び」を目指しています。
1年次には、週1時間グループで探究活動を、2年次には週2時間個人探究活動を行なっています。
※学校のHPへ移動します。
<附属池田小中高共同研究テーマ>
「社会とつながり、明日を切り拓く資質・能力の育成 〜探究のプロセスの構築〜」
同テーマでの3年計画の3年目になります。今年度は探究の「評価」に着目して実践を行っています。
2021年度の研究発表会は11月20日にオンラインで実施し、終了しました。
ご参加くださりありがとうございました。研究会のHPは現在閉じています。